初めてのふふブランド宿泊利用から、間も無くまる3年を迎えます。
ふりかえってみると、2024年は、ふふブランドの利用のみで、1年がすぎました。
滞在型リゾートで休日を過ごすことが習慣づく前までは、我が家も国内旅行にでは1泊2食付きプランが標準の温泉旅館を利用していました。
行き先を決めてからの宿選びにはそれなりに時間もかけましたから、選択を悔いた記憶はありませんが、いくつかの宿の名前のほかは特に思い起こせる“感動”も希薄です。当時の目的は観光で、宿は手段、多くは一度の利用でおしまいになる縁でした。リゾートステイのようなリピート利用への誘惑を、“観光の手段と位置付けていた旅館”に感じることはなかったように思います。
それから相当な空白期間を経て、外出の自制も求められたコロナ渦中に、苦肉の策として回帰した温泉旅館は、宿泊自体に感動を求めた“目的”だっただけに、多くの施設では、機会があれば再び...の、好印象を抱いて帰路につきました。ただ、本音を言えば例外なく、最初の感動を次の機会に上回ることは、期待はできません。食事お任せの温泉旅館では、既利用時との大きな変化は望めないのは当たり前ですから、サプライズ要素が懐かしさに置き換わるならまだしも、前の記憶が仇になって、感動も鈍りがちといいましょうか、わかっていることに対して、ときめかなくなるんですね。
にもかかわらずふふの利用を続けている理由はと言えば、初利用時のインパクトの大きさが、同時期利用のほかの施設よりも大きかったことに加えて、どこより近い気軽さがあったと考えまが、早い段階でのお得なプランの提示にも後押しされました。加えてふふブランドの価値観は共有しつつ、各施設ごとのコンセプトの違いが、未利用施設への興味を掻き立てる要素もあったかに思えます。
同カテゴリーでも
間取りや内装が異なる客室や、月代わりの夕食(軽井沢は季節変わり?)も、リピート利用を飽きさせないポイントと言えそうです。
朝食のインパクトも、効果も小さくはありません。
大規模旅館のビュッフェはいうまでもなく、和食の朝ごはんは、記憶が混ざり合って、どこで何が提供されたかすぐには思い出せない状況が多い中、ふふは例外の施設です。
下イメージは、ふふ京都の朝食。初利用時には、『福重膳』と名付けられた3重の桶(小鉢盛2段と、二人分の焼き物収められた1段)が登場した時には驚かされました。小鉢の料理は美味しくいただきましたが、それよりも味にびっくりさせられたのが、定番の『庵都汁』!(左端)京都らしい白味噌のお味噌汁にバターや牛乳を加えて仕上げたという、独特の風味は衝撃でした。
再利用時の朝、再びの『庵都汁』を楽しみに迎えたことを思い出します。

ただ、その後は...『庵都汁』のポイントは変わらずながら、『福重膳』の演出効果は下降線へ。桶に小鉢がいっぱいの見栄えが印象的なだけ、 個々の料理の変化が刺さってこないんですね。むしろ、連泊利用で前日との比較が容易だった2日目の朝、品数を揃えられずに、桶の中に(前日は別皿で提供されていた)果物も投入?を疑いたくなる小鉢内容で、しかも、『庵都汁』が豚汁に差し替えの変化は喜べず(変えるるのはここじゃない...。)連泊はやめようと思う原因となったのが、真ん中のイメージ2枚。左が1日目。2日目は、小鉢の組み合わせもなんとなく...の残念な比較です。
ふふ奈良、旧軽井沢での連泊利用時には、器の違いによる視覚の効果が大きかったこともあっか、料理の違いもよく目立って、朝ごはんのバリエーションを楽しめましたっけ。
比較は既出の施設レポートにまかせるとして、ふふ奈良の標準の朝ご飯。
左が、2年前までの基本形。
敷板に小鉢盛り合わせ、別皿でやきもの、香の物と、当時は定番だった『茶粥』の組み合わせでした。
ラインナップの見直しは、おそらくは2024年。
定番『茶粥』に変わるスペシャリテは『三輪そうめんと一口かき揚げ』(下イメージ左端)。最初にそうめんの提供されるため、小鉢は二人分合わせて大盆で運ばれるように変わりました。別皿の焼き物は変わりませんが、改めて見ると、香の物が小鉢グループに入ってるので、小鉢は一つ減らされたのかもしれませんが、一口かき揚げを小鉢一つとカウントすれば、総数変わらずの見方もできそうです。
小鉢がいっぱいは、なんとなくは楽しいんですけど、インパクトを受けるのは、小鉢から外れた別の料理!ということで、2024年、それまでの具たくさんの豚汁にかわって、『かしわのすき煮』が登場しています。イメージは6月のもので、鍋仕立てのすき煮が仕上げられて提供されましたけど、12月は一人鍋仕様になって、仕上げはテーブルに置かれたコンロで...。冬場、少しでも温かい状態での配慮と言われれば、ありがとうございますと返すしかありませんが、コンロの上におかれると、見えにくいし、取りにくいしで、出来上がっった鍋を鍋敷の上においてくれた方が、よほど、ありがたい気はします。クツクツ沸騰して頃合いを見計らって火を止めるんですから...その後はコンロの上にキープする意味もないでしょうし、いつか...取りにくいでしょうからおろしましょうか?と、鍋敷と鍋つかみを持ってきてくれるスタッフが現れたら、感動沸点超え間違いなしなんですけどね。という勝手な話はさておき、『三輪そうめん』や『かしわのすき煮』については、メニューとは別に、奈良名物としての説明書きも用意されて、ふふ奈良の朝食メニューの定番として位置づけられた印象です。
『茶粥』では、アピール不足だったということになるでしょうか。『茶粥』を惜しむ主人も、すき煮への評価はおしみなく、だし巻き卵がない(2日目はあります)奈良で、すき煮と一緒に生卵の提供があるのも、嬉しいポイントです。
豚汁は、具が多くても少なくても豚汁、特色ある一品という意味では定番の条件を満たしていない感じでしたから、すき煮への切り替えは
よかったと、わたしは思います。

京都の『庵都汁』、奈良の『かしわのすき煮』のように、ふふは、各施設それぞれに、朝食にもスペシャリテが用意されています。
**の西京焼き、だし巻き卵
、おひたしや煮物といった和食ラインナップの定番ではなく、スペシャリテは各施設の特色を背負った定番料理です。
箱根は、スペシャリテが、『朝カレー』(下イメージ右階)だったようで、批判的な意見も目にはしましたが、和食の朝食に変化球的スペシャリテで、印象深かったです。朝のカレーは、軽井沢の2施設にも登場しますが、定番の顔としてのアピールは、箱根が大きいい気がします。
磁器の深角鉢は蓋つきで、蓋をあけると、容量の異なる小ぶりな器が使われたおかず数種、竹の皮に包まれてあった焼き物は、関西よりもボリュームのあるだし巻き卵と西京焼き。 角鉢から独立して置かれたとろろ、いくら。
また生野菜を使ったサラダの類は、、そう言えば、関西の2 施設にはなく、それ以外は、どこでも取り入れられているのは、地域差でしょうか?

その、生野菜サラダのボリュームというか、割合に違和感があったのが、ふふ熱海、木の間の月のセットメニュー(右下イメージ)。
トレイの左上が生野菜のサラダ、左下が香の物、右上黒い器は、漬けマグロ、焼き魚と卵焼きなど、不足はありませんが、ときめき要素もないという、
イメージダウンのセットでした。(右は食後のフルーツと珈琲。)
本館、ふふ熱海はリニューアルのために、間も無く数ヶ月の休業というタイミングでの利用で、特色がつかめない和定食を連想させられる朝ご飯が一時的な内容だったのか、今も変わらずのスタンダードなのかはわかりませんが、いわゆる、スペシャリテに位置付けられる定番がなかったのは熱海だけに思えます。
定番スペシャリテと、特別な器と、スタッフのアドバイスで、朝ごはんの間中、ときめきが途切れなかったのが、ふふ河口湖でした。
数種おかずを盛り合わせて提供されるのは、富士五湖をイメージしたという5蓮の器。
定番のおすすめは納豆と豆腐のグラタン(下イメージ左)
関西在住者からすれば、なかなかにリスクのある食材を...という話になりますが、チェックイン担当者のおすすめ熱量にあてられて、大丈夫ですか?と聞かれて「いただきます(食べられます。)」と答えてしまった、ふふ河口湖のスペシャリテ。普段は積極的に口にはしない納豆と大好物の豆腐の組み合わせは、意外にクセはなくおいしかったです。“美味しい”暗示にかけられていた可能性もありますけど、せっかくのおすすめ料理が、我が家にとってNGアイテムではなくて嬉しかった記憶があります。
最初のインパクトが大きければ、再利用時に前のようなときめきがなくなっていることを自覚せざるをえないのは、よくあることですが、河口湖は2回目の利用時のタイミングで、朝ごはんパワーアップの見直しがなされていて、焼き物は品書きに『富士溶岩焼き』のタイトルをえて、独立料理になっていました。
豆腐グラタンに続く定番かといえば、焼き魚の素材は決まっていないようすですが、富士桜ポークのベーコン(初利用時はなかった)は、定番食材に思えます。
ご飯は麦飯、とろろは、他の施設でも提供はありますが、、生卵の黄身味だけを混ぜて
とろろの味を仕上げるのは河口湖オリジナルでしょうか。とろろには投入しない白身を泡立ててご飯に混ぜるとふわふわ食感になって、美味しい!(初利用時、サービススタッフ言)というので、泡立て作業に勤しむ時間も、“河口湖オリジナル”です。(お箸じゃむつかしくって、小さい泡立て器を持参したくなります。)

旧軽井沢の定番は、サラダと一緒に提供される『りんご釜』。(連泊の場合は、定番『りんご釜』も他の料理に差し替え) りんご容器の中身は帆立や舞茸のポン酢掛け。
おかず各種は2段の繭箱での提供でした。カレーはグリーンカレー。
繭箱の中は、定番ではないものの、鉄火味噌漬けが田楽味噌漬けに、合鴨とクレソンがローストビーフとアスパラガスにという、一部食材の違いがある他は3月と10月でもさほどの違いはありません。(連泊の場合は器ごと料理も変えられます。)
『松本葱麹仕立ての鍋』(下イメージ左)は『りんご釜』と一対の、旧軽井沢のスペシャリテかと察します。
地域でおなじみの鍋なのかふふのオリジナルなのかは確定できませんがおそらくは、後者でしょうか。
キーワード検索ではふふ旧軽井沢の朝食、メイン(の位置付けでした)の小鍋が出てきます。
旧軽井沢の小鍋は、具材も入った小鍋を火にかけるだけでしたが、朝から本気の鍋の登場で、残念な気分を隠してセッティングを見守ったのが、ふふ旧軽井沢と同時開業のふふ軽井沢。ふふブランドでは初の、ジャパニーズフレンチの夕食とともに、朝の洋食にも興味をそそられる施設でしたが、1年経たずに、朝は日本食に切り替えられるというまさかの展開になりました。

サラダは、それでも洋風テイストを残した仕様でしたが、他は、ボリュームのある和食のラインナップでした。2段重に収められた器が、京都やならで使われている小鉢よりも大き目で、品数も負けていないという...。
サラダ(メニューには野菜サラダ、フルーツの食べ答えがありました)
と2段重(カレーもあるし)で、十分なところに置かれたのが左イメージの鍋の具材(2人分)です。
そもそもこの種の一人鍋はマイナスポイントに働ところ、
具材が入った器を火に掛けて仕上げるだけなら許容範囲などと折り合いをつけていたわたしとしては、具材を横目に食欲減退モードで....。「朝から豪華」なんて喜ぶ年じゃありませんしね。
でも、角皿に盛られた具材は、様々な茸がいっぱいと、上州牛、信州米豚、福味鳥つみれ、蓮根、水菜、ブロッコリーという、偏った印象で、一応ね...一人用コンロの上で出汁が沸騰した様子の鍋に具材をいれて、取り上げたのが、下イメージ、真ん中の朱の器の中。
黒い色は何?と思って品書きをみると、『信州茸黒鍋』と書かれていたので、あ、黒鍋なんだと思いつつ口に運んで、知らなかった味に驚かされました。
時々主張するピリッとした辛味が、素材の風味を強くして、減退していたはずのよく食が覚醒するような、まろやかな刺激(強すぎない)で、淡白な茸類もおいしく仕上がってました。
黒い色は、鍋の中の出汁自体が黒かったのか、
何かの反応で黒い色が出たのかはわかりませんが、定番候補の強者に思えます。
洋食からの切り替えからそれほど経っていないようで、この後、多少の調整があるかもしれませね。

主役級にフルーツのボリュームがあった野菜サラダと、ユニーク風味の黒鍋と、あとは、とろろとおひたしを少しで十分な気もしますが、洋食からの路線変更で、頑張りすぎた和食...かもしれません。
現時点で、利用の機会がない、ふふ熱海本館と、ふふ日光の朝食については情報がないので、ふふは...とひとくくりに語る根拠が不足していることを承知で、例外はあるかもしれませんがの前提で、話を進めれば、ふふの各施設は、それそれに、不動のおすすめ料理があります。『庵都汁』『三輪そうめん』『かしわのすき煮』『豆腐クラタン』『りんご釜』等々、いつでも、必ず提供される、いわゆる看板料理が、他とは異なる朝食の必須アイテムですよね。そして、和食では特別なものとは言いにくい料理が、個性的な器や見せる演出で、特別感のエッセンスがこれでもかとばかりにふりかけられているので、施設ごとの独自性が活かされています。
各施設の朝ごはんは、10年後であっても、わたしは区別して話せる自信がありますが、でのそれは、たとえば、奈良と京都の区別です。
同じ施設の再利用で、半年前との比較は(メニュー見直し等、ヒントがあればともかく)正直難しいです。だしまきたまご、焼き魚、おひたし、漬けまぐろ、煮物、焼き浸し...魚の種類や、煮物などの、多種が一度に提供される朝食のスタイルでは、全体を捉えて記憶に残るので、合鴨だった小鉢にコーストビーフがつかわれていでも、その場では、素材(料理)の変化には気づかずすぎるんですね。
朝食に、夕食のような月替わり対応をを求めるつもりは、ありません。
変わらず、同じラインナップであっても、、我が家の今の利用頻度であれば不足はありませんし、変わらないことで、定番スペシャリテを筆頭に『あの時の料理』に誘われるメリットもあるでしょう。
ただ、3年の縁をつむいで、感じるところはあります。
愛着は深まっても、印象はやはり、うすれていくんですよね。初めての時のように、熱を持って朝ごはんの話はしなくなると言えば、わかりやすいでしょうか。何か一つ、『更新』があればね...というのが実感です。
料理の説明がなされる時に、例えは小鉢の一つをさして、『今月の』という形容詞が使われたなら、わたしはおそらく反応するでしょう。『今月の小鉢(料理)』は他の多くの小鉢とちがって、その時ならではの特別な、一期一会のインパクトがあります。
それが、次への『興味』につながるかも...。
今月の卵料理とか、
今月の魚とか、目立つ変化である必要はなく、決まった位置に配置された小鉢の中味の月替わりで十分、いえ、一期一会が月替わりだと、むしろ誘惑がおそろしいので、季節変わりがいいかもしれませんね。
「右下の小鉢、春の料理は**です。」って、聞かせてほしいですね。
25/02/02 
ページトップに戻る
|