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おことわり
 
トマム分割運営に関しての情報の多くは、スタッフと北海道新聞から得たものですが、わたしの理解、読解力の限界故に、多少の勘違い、誤解、が生じている可能性があります。
 トマム利用に際しては許容範囲の「話の違い」があるかもしれないことを了解の上、上手に役立てていただければと考えます。
 また、今後については、JUNの希望と偏見と、スタッフの話をもとに予想を立てています。分割のデメリットをかいくぐり、メリットを享受すべく、“分割前夜”10月の美しいイメージとともに、ご一読ください。



    

 イメージは2004年10月25日、ホテルから見た水の教会。
  撮影中らしく、一般公開(見学)は中止になってましたが、闇に浮かび上がった十字架と白樺の美しさに,わたしたちはしばし窓にへばりつきました。


  この日、 ホテルはかなり静かな状態で、グリーンシーズンの(アクティビティーの)終わりを数日後に控え、既にスキーシーズン前のオフ期が訪れたような雰囲気でした。
 11月1日からの1ヶ月間は、ヴィズを含めた西エリア一帯とガレリアはクローズが決まっていて、例年よりもいっそう密やかに経過するであろう30日間は、分割運営が決まったトマムが、新体制を整える時期になりそうです。

 代表番号、ファクス、そして予約に関わる電話番号は、既に、ふたつづつ....。融通がきくのも後わずか...でしょうか...。11月半ばには、対象施設によって、電話番号が違うことになりますから、かけ違わないように気を付けなくてはなり
ませんね。

 4月以降リゾートマネージメント(加森観光がトマム運営のためにつくった子会社)と星野リゾートの2社によるトマム運営に関しては、非現実的と言って反対していた加森(北海道新聞)側がドタン場になってあゆみよった印象で、.協調運営という形で落ち着いた様子でしたが、8月のトマムでは協調できてるのかな〜???と感じる雰囲気が既にありました。もちろん、エリア内の行き来は今まで通りでしたし、それぞれの施設やレストランの利用に制限がかかるということもありませんでしたけど、利用条件に差異があらわれてたんですね。

  旅行会社の取り扱い分では、スポルトアビチガレリアに宿泊する場合は滞在中ヴィズの出入りがフリーになるパスポートがついていたりする一方、ゴルフをするならトマムに直接申し込むゴルフプランがお得だったり(この夏、北海道ゴルフの各旅行パンフレットにトマムが掲載されているのを見つけることはできませんでした。)と、営業ひとつを見ても、協調よりも競争の単語が合ってるような....。
  秋からは分割がもっと表面かするかもしれない..と聞かされた時も、やっぱりねえ〜というのが正直な感想でした。
(といっても、代表電話番号まで別になるとは思いませんでしたけど...。)

 ま、協調でも分割でも、それはトマムの内輪の話。

 日常から隔離された美しい景観や贅沢な設えの施設(古さや傷みを指摘される方がおいでかもしれませんが、それはメンテナンスの問題。設えのレベルとは別物とわたしは考えています。)無くなるわけではなし、ましてやスタッフがそのままなら、トマムらしさは保たれるはず...と、かつて運営がアルファコーポレーションからリゾートマネージメント(加森観光)に移行した時に、わたしは楽観的な予測をたてました。予測の的中率は低くはなかった...とは思いますが、会社,あるいは運営者の意向というものは、やはりトマムに変化をもたらしました。
 計画、開発当時とは世の中がかわってるのですから、最初のコンセプトに固執していてはトマムも生き残れません。
 存続を第一に考えれば、変化もやむなしと理解してきた我が家では、この数年、傾向を見て対策をたてつつトマムとつきあって来ました。例えばプランを利用する場合も夕食券のないものにするとか、ゴルフのスタート時間を早くしたい時には宿泊をホテルにするとか...(
食券の利用制限についてエリア内循環バスの運行形態についてをご参照ください。)自衛することで、ありがたくない変化は避けることは可能でしたものね。


 でも....と、本音を言ってしまえば、限界の予感はありました。気づかないではいられない、グレードの低下です。
 トマムのグレード ついては,説明が難しい..。
 高級感と言ってしまえれば簡単なのですけど、それとも少し違います。 
 例えば、アーリーバードメイドのディニッシュをビニール袋にいれずに販売すること(今は袋入り)、VIZのロゴが付いたトレーをアプリコで使わないこと(使われてます)トマムロゴ入りのグッズやアメニティーを絶やさないこと(なくなりました)、客室ハンガーの追加に針金ハンガーを使わないこと(5本余分にリクエストしたら2本針金ハンガーでした)...など、些細なことへの、意識的なこだわりを重ねた結果うまれてくる雰囲気のようなもの、と言ったらわかり易いでしょうか?
 滞在型リゾートとして、会員制を導入したトマムが、リピーターの期待と要求に応える為に不可欠だったはずのこだわりです。トマムらしさの基本の1部分だとわたしは感じています。
 そのこだわりが、ゲスト層の変化とともに薄れてしまった、鈍感になった...あるいは確信を持って不要と判断されたか......トマムらしさが浸食されつつあることにを気にしていたのは、わたしだけではないでしょうね。
  分割運営が決まってから(以前のトマムをご存知の方からは)、星野リゾートに期待する声を、掲示板でもメールでもいただいています。
 それだけ、現状に「快適ではないもの」感じていたということでしょうね。

 我が家は北海道で生活する機会がありましたから、わたしは加森観光についてはある程度のイメージが固まっています。堅実で、お商売上手な会社...という...。
 アルファコーポレーション破綻後のトマムが数年で持ち直したといわれるレベルに達したのは「加森流」のお陰にはちがいないわけで、スポルトガレリアの窓に明かりがともり、ルミエールの朝食に待ち時間ができたりするのを見ると、
加森観光(リゾートマネージメントと言うべきかもしれませんが...この時点でリゾートマネージメントのスタッフは元アルファコーポレーションのスタッフですから...わたしの中で区別しにくいのです。)の営業力に感心したものです。...が、人間って勝手なものでね、 存続の危機が過ぎれば在り方が気になるわけです。

  稼働率重視の“加森流”で、開拓された顧客層に“滞在しない団体客”があります。
 国内、国外近郊から北海道観光に訪れて観光ルートの宿泊場所のひとつとしてトマムを利用して行く数10人単位のゲストは、運営がリゾートマネージメントに移ってから間もなく、珍しくない顧客層になりました。
 オンシーズンは言うまでもなく、今年も9月下旬、そしてホテルが静かだった10月下旬のオフ期でさえ、スポルトから海鮮市場に向かうバスは、近郊アジアからの団体さんで賑わっていました。近くの駐車上には観光バスが3台。
 さすがですね。

 ただ、昨年の夏、自分たちの方が異邦人に見えるくらいのアジアンパワーの中にあって、「すごいわね〜。」「景気いいね〜!」と感心しつつも、これでは既存のゲストを逃すことになるかもしれないと、主人と話したことを思い出しました。そしてその時、おそらく加森観光にはそれでも問題はないのだろうと、意見の一致をみたのでした。

 別に自分たちが軽んじられていると感じる何か、があったわけではありません。
 直接接するスタッフは、それまでと同じどころか、団体客の喧噪の中にあってわたしたちにはいっそうの気遣いを示してくれました。居心地は悪くありません。けれど,このスタッフの細やかなホスピタリティーが発揮される機会は,“滞在しない団体客”が増えれば増えるほど、失われてしまうとわたしは思っているのです。
 この時のアプリコでは「おはようございます!」と言う軽やかな挨拶は影を潜めていました。
 出発時間を控えて慌ただしいゲスト(しかも言葉が通じない...)に朝のご機嫌伺いは不要ということでしょうか。そうして、雰囲気が変わって行くのですね...。
 「あいにくのお天気で...。」
 「絶好のゴルフ日和ですね!」 
 「今日は雪が 重いようなので..お気をつけ下さい。」
 お決まりの挨拶の他に、タイミング良くゲストに声をかけるスタッフに、好感を持ったのはわたしだけではないと思います。その...スタッフのホスピタリティーが、グレードの低下を瀬戸際で押しとどめていたホスピタリティーが、押し寄せる団体客に封印されていく....。

 加森観光が引き継いだのはトマムというステージです。そこで健全なお商売を営むには、トマムが目指した夢や理想は無用の産物...ということにでしょうか? 
 仕方のないことと理解はできても、案外,自分は執着してたんだなあ...と自覚した時、このままよりは...とわたしも星野リゾートの運営参加に期待感を抱きました。
 
 星野リゾートに関しては(わたしには)未知なので,根拠のない期待です。
 それでも、別の価値観の参入を 歓迎したくなるくらいには、煮詰まりかけていたということでしょうね。
 ですから、4月の話とは状況が変わって、(2つの会社が)仲良くできそうにないと聞いた時、加森観光と価値観を異にするということが、期待の根拠になりました。
(加森さん、ごめんなさい。でも、トマムを存続させてくれたことには本気で感謝してます!スポルトもガレリアも好きです!)

 トマムの特異性とそれが目指したコンセプトに理解を!
 開発者と夢と、そして他ではなくトマムを選んできたゲストの執着 に、幾ばくかの敬意を!
 滞在し、次もあり得るゲストの為に、星野リゾートにはトマムのグレードを取り戻して欲しいと願っています。


 加森観光が数(稼働率)で勝負するなら、星野リゾートは別のもので...と、単純に振り分けられることではありませんが、分割になるならいっそハッキリと住み分けができたほうが、利用やすい気がしますよね。

 もっとも、時は間もなくスキーシーズン。
 ほぼ出そろって来た北海道スキーのパンフレットを見る限りは、両会社の顧客ターゲットに差異を見ることはできません。(団体客誘致は別ルートでしょうね。)
 でも、宿泊施設別のサービスや特典の違いはいっそうハッキリして、宿泊のお値段だけでなく、旅行会社によっては夕食付きにした場合の差額も違うなど(スポルトアビチは3000円加算、タワーホテルは3500円加算。ANAスカイホリデー)別々に頑張ってる様子がいやでも伝わって来ます。
 必要なサービスや魅力を感じる特典を検討したうえで、宿泊施設を選択できるのは,ゲストの方からするとメリットですね。
  ただ、今年はアルファ・リゾート・トマムと言う名称で統一されていますが、いづれ代表電話と同様に星野リゾート・トマムという名称もつかわれだすでしょうし...こんな風におまけやサービスがバラバラな形でホテルが紹介されると(旅行会社のパンフレットによって、紹介されている宿泊施設自体がまちまちだし...)どうなんでしょうね。
  知ってる人はともかく、白紙状態で見る人にはトマム全体としての規模がとらえにくくなるかもしれません。なんだか、スキー場のまわりにホテルが単独で群れているという感じで、ホテル(宿泊施設)とスキー場、ホテルとヴィズ、ホテルとアイスドーム...というようにそれぞれのホテルを基点にした線のつながりが強調されて、日常から隔離されたトマムリゾートの広大な空間(面)のイメージが低下して行くように思えるのはわたしだけでしょうか?

 少し具体例をあげれば、宿泊施設のインフォメーションでは、ガレリアスポルトアビチには温水洗浄トイレのマークがついています。それはいいのですけど、屋内プール完備のマークも付いてるんですね。(ANA、JALではプールマークの変わりにサウナマーク)
 これは,ちがうでしょう? 
 ヴィズは(宿泊施設によってヴィズの利用条件が違ってくるのはやむおえないにしても)トマムとしてアピールされるべき自慢の施設であって、宿泊施設の設備のカテゴリーで紹介されるものではないと、わたしは思っています。
  スキー場、ゴルフ場、レストランやショップなども、今のところ、スポルトアビチの設備に、和食,洋食,中華のレストランマークが付いていることの他は(JALステージ、ほんとかなあ...)気になる表示はみかけませんけど、エリア内の各施設,サービスはトータルインフォメーションでの紹介を充実させてくれないと、ゲストのイメージの中でトマムがどんどん縮小してしまわないでしょうか?

 それを不便と感じる人もいらっしゃるようですが、トマムは空間を広く動いて過ごすリソートです。
 スキーの合間にモンドールでお茶休憩したら、、タワーでショップをのぞいたり、アイスドームではしゃいだ後はヴィズで体をあっためたり...どこへ行っても、どんなに行っても、エリアの中は日常とかけ離れたの美しさに満ちている...トマムはそれを感じ,ひとときの夢を見るリゾートです。
 特定の宿泊施設の中にゲストを取り込んではいけないし、取り込まれてはもったいないと考えます。
 あえて、宿泊施設の外へ! 
 分割運営初年度のこの冬は,ゲストは積極的に動くことが、トマムらしさに触れる自衛策かもしれません。
 パック利用の場合、夕食は付けない方が無難ですね。同じ旅行会社でも施設に寄って価格が違う...ということは、自社運営レストランでしか対応していない可能性が....。 なければいいのですけどね。
 
 どこがおいしくて、どこがおいしくなって、どこが...まあ,それなりになるかはは今後の不安とお楽しみですが、シェフを含めて、スタッフは結局2つの会社に分かれたようですから、いきなり味が変わってびっくり!とはならないと考えます。
 星野リゾート側では、単品メニューが三角と重なっていたやま里を鉄板焼きや天ぷらの専門店に、三角の朝食を落ち着いた和定食に、などのグレードアップが検討されていると言ううれしい話もある一方、トマムの聖域、ルミエール(リゾートマネージメント運営)のグレードが維持されるかどうか、懸念される問題も残ります。ガレリア宿泊プランの夕食加算額が5000円(ANA)ですものね〜。わたしは本気で心配です。

 ところで、リゾートマネージメント運営の宿泊施設には、夏前に温水洗浄便座が客室とロビーのトイレに装備されましたが、今後は施設のメンテナンス、スタッフの研修等のために2回の1ヶ月余のクローズ期間がもうけられるそうで、こちらはより快適なゲストルームが期待できそうです。
 星野リゾート所有、運営のホテルタワーは,開業が早い分、スポルトアビチに比べて広さ、明るさ、傷み具合に問題が出始めていますけど.3年後をめどにホテルは大規模修繕の計画もあると聞きました。ついでに,大浴場新設の計画も! 楽しみなこともやがてやってくるということですね。
 じっくりと、待ちましょうか。
 

                                         04/11/04 

補足

 レポートUPの時点では、トマムはリゾートマネージメント運営担当のアルファ・リゾート・トマムと星野リゾート所有,運営担当の星野リゾート・トマムという図式になると解釈してましたが、リゾートマネージメント担当部分はリゾート・トマムと言う名称で落ち着いた様子です。
  アルファ・リゾート・トマムは、占冠村所有、加森観光系列のリゾートマネージメントが運営を担当するリゾート・トマムと、星野リゾートが所有、運営をする星野リゾート・トマムの総称としての位置づけになることが確認できました。
                                          04/12/01 


補足

 2005年のスキーシーズン、トマムは2社による分割運営となりました。

 分割運営のメリットは、比較的安価なプランの登場(ヴィズ滞在中フリープラン、リフトキャビン乗り放題プラン等)だったでしょうか。ゲストにとっては選択範囲が増えたともいえそうです。一部、食券利用の制約もあったと聞きますが(トマム最新情報2005参照)宿泊施設にかかわらず、クーポンの類いはおおむねエリア内全般で使用できたようです。

 代表、予約センターの電話番号が分かれたことで、余分な手間もでてきましたが、アルファ・リゾートト・マム全体では、大きすぎて耐えられない変化は見受けられなかったと、思います。
 所属している会社は違えど(ゲストから見れば)スタッフはこの間までと同じ! 勤務場所が全体から半分になっても、全体のことを知っているスタッフの存在は大きかったですね。

 ただ、新聞等の報道によると、漸く整えられたかに思えた分割運営の体制も2005年9月までということになりそうです。

 スキーシーズンの終了を迎えて間もなく、加森観光がトマムからの撤退を表明、村所有施設の運営を加森観光に委託していた占冠村は、(加森観光撤退後は)星野リゾートに運営を委託する意向のようです。ま、当然でしょうね。
  占冠村と星野リゾートの間で基本合意はなされたとのことですから、2006年のスキーシーズン、トマムは再び一括運営体制に戻りそうです。
  この事自体は歓迎していいことなのでしょうけど...、ただ、どうも、デメリットも小さくない気がします。

 ACから加森観光、関兵麦から星野リゾートへと経営が移った過去の経緯では、トマムの現状維持が考慮されたものでした。スタッフの雇用確保はもちろん、資格を失う会員の便宜も新会社によって計られていました。(条件はちがいますけどね。)でも、今回、去り行く加森観光と後を引き継ぐ星野リゾートとの間で、トマムのダメージを最小限に押さえる為の話合いが行われるとは...残念ですが、わたしは、思えないんですね。
 例えば、 加森観光運営担当の施設で働くスタッフは、現時点で加森観光に所属しています。過去の2回とは異なり、スタッフは会社を失うのではなく、職場が変わるだけ...。トマムという職場に固執すれば、加森観光からの退職と星野リゾートへの転職がスムーズに行われなくてはならないわけですが、さて? さて? さて?という印象がぬぐえません。

 それでも、私は(スタッフに)固執して欲しい。
 星野リゾートには、貴重な財産を引き止める為に、最大限の努力をして欲しいです。
 ゲストにとって、重要なポイントは会社の名前ではなく、スタッフのホスピタリティーですものね。一朝一夕に得られるものではありません。

 もしかしたら...トマム最大の危機かもしれない...。
 人材の流出の危険をはらむ、加森観光撤退の動きを、
私はかなり危惧しています。2005年12月、取り越し苦労だったと言えれば、いいのですけどね。

                                            05/04/27