画面のレイアウトが乱れる方へ

 

       
 
                               

 2月の半ば過ぎ、6泊9日で、久々のロンドンを楽しんできました。
 我家の海外旅行としてはの最短の日程は、主人の休みの関係でどうしようもなく、貴重な時間を無駄にしない為に、(前後泊不要の)関空発着で計画をたてました。

 早い段階で利用を決めたエミレーツ、割と長々と検討が続いた結果のチェスターフィールドメイフェア(ホテル)は、ともに旅の充足感を引き上げてくれましたが、2年前のパックツアーで,いつでもどこでもバス移動を経験した反動か、単なる身体能力の劣化か、個人旅行ならではの疲労感も味わってきました。荷物の多さと日頃の運動不足を省みて、今後の改善に取り組まなくてはという思いです。

 旅の目的の第一は、過去に回る余裕がなかったナショナルギャラリーとコートールド美術館。丸2日を絵画鑑賞に費やした結果、時間に追われた買い物には思い描いていたような成果もなく、愛用の英国ブランドに関しては残念な現実を見せつけられた一方、ドーバーを越えてやってきたものが少なからず目につきました。
 これまで後回しになっていたところを優先した旅では、いわゆる名所観光は殆どなく、写真の枚数も、ビデオの録画時間も前回に比較してかなり少なめにおわりましたが、英国ブランドの茶葉購入をめざして、地道にあるきまわって、紅茶店にも何件か立ち寄り、それなりの収穫に満足しています。
 強烈に印象づけられるポイントは少なめながら、ロンドンの日常にふれた気分が楽しめた旅になりました。

                                     12/03/11 

  
 更新日  23/09/17    

1日日 チェックイン後、オーダーアイテムの買い物へ。スマイソン、ターンブル&アッシャー

 
ロンドン ヒースローに定刻通り(多分)の到着後、わたしたちが到着ロビーに到達したのは12時過ぎだったでしょうか。

 あらかじめエミレーツの送迎サービスを申込んでいましたから、そのままホテルへ直行のはず....でしたが、迎えが...見当たらない。
 ロビーには、出てくるゲストが大きなカートを押してでゆったりと進めるくらいの幅を残して、両側に送迎サービスのスタッフが壁を作っていました。それぞれに迎えるべきゲストの名前を表示したカードを掲げて並んでいたので、自分たちの名前を見落とさないように、主人は右側、わたしは左側を注視しつつ数十人の人垣の間を進んで.....通り過ぎてしまったのでした。
 人数が多かったし、迎えのスタッフは完璧に整列していたわけでもないけど、見落としの可能性も低いのに、見つからない....。ヒースローでは通路を作るように並んで待機するのが普通のようで、その人垣のロードを過ぎたら,回りを見回してもそれらしきスタッフの気配もありません。つまり迎えのスタッフはみ〜んな人垣をつくっているというわけで、その中の一人が我家の名前を持っているはず、というか持っていてくれなくちゃ困るわけですよね。見直さなくてはなりません。ただ、名前が書かれた紙(用紙、カード、ボード、印象は様々)は到着ロビーに出てくるゲストにむけられていていて、一旦人垣で囲まれたロードを離脱してしまうと、左側の人垣の後ろから隙間越しに反対側に並んだスタッフが持っているボードの文字を見るというわけで、
ものすっごく、効率が悪いんですね。出会える気がしないと言うのが正直な“感じ”でした。
 送迎サービス申し込みに際しては、空港でのコンタクトについて尋ねた時、エミレーツ日本支社のスタッフは“すぐに判る”と言ったんですけどね。もし見つからなかったら、近くにいるエミレーツの地上スタッフに聞くようにとのアドバイスもありましたが、その地上スタッフだってどこにいるのやら...と、視線をのばしてグルリとみまわすと、なんと頭上、先の方に“エミレーツ”の案内表示版が! 例えば、各航空のカウンターとかというのではなく、エミレーツ単体の表示で、なんだかオフィスの案内のようでした。頼りはそこだけとばかりに矢印が示す方向にむかうと、本当にガラス扉で仕切られたオフィスがありました。
 ここで尋ねるべきことかどうかと逡巡しつつも、中にはいると、受付担当(みたいな)スタッフに,用件ではなくこちらの名前をきかれました。
 ...名前? 名乗ると、行き先はチェスターフィールド・メイフェアに間違いがないかと確認されました。わたしたちの名前は、カウンターの名簿の中にあったのでした。すぐにトランクが受け取られ、案内された中でお茶がふるまわれ、少しして順番がくると、入ってきたのとは別の出口屁誘導されました。出たところで、既にトランクも積み込まれた専用タクシーがまってるじゃありませんか。わたしたちは、エミレーツの地上スタッフに見送られて、チェスターフィールドへ。気分は、悪いはずがないですよね。ですから、(送迎サービスは)すぐ判ります云々じゃなく、到着ロビー内のエミレーツ専用オフィスに行くようにと案内すべきじゃ...という件については追究しませんでした。専用オフィスがあるかないかも空港によりけりでしょうしね。(ヒースロー空港のエミレーツの利用環境がすごかったともいえます。)
 我が名を探して十数分の戸惑いの記憶は彼方にやって、上々気分で到着したチェスターフィールドでもすぐに部屋に案内され(到着予定時間を知らせてありました。)ロンドン初日、滑り出しは順調でした。

 わたしたちは、荷解きや部屋の整理は夜にまわして、日が暮れる前に予定していた買い物に出かけました。
 歩いてまわれるエリア内で、初訪問の紅茶ショップを2箇所。ホストカー・ドティーとヒギンズ。詳しくはロンドン紅茶事情で(後日UP予定)にまわすますが、どちらもイギリスト言えば...、との紅茶イメージとは異なるショップで、ヒギンズではスタッフ一押しのフルーツフレーバードティーを購入しました。過去の旅行もあわせて、ロンドンで自分用に買った初めての紅茶葉が、フレーバードティー.....しかもコーヒー専門店時代にロイヤルワラントを取得した店で...と言うのも意外な展開でしたが、一方のポストカード・ティーのメイン・ラインナップは、グリーンティ! 店内の大きなテーブルに、ご近所らしきおじさんが相席で飲んでいるのが煎茶ですもんね〜。宝瓶に煎茶用の小さい茶碗....煎茶道具が体格のいいおじさん達の前で、まるでミニチュアコレクションみたいでした。
 
 ロンドンらしからぬ様子の店をあとにして、次にわたしたちが向ったのはスマイソンです。
 1887年創業の文具と革小物の店ですが、店構えは随分かわってしまっていて、方向音痴で、主人について行くだけのわたしは,すぐ側まで来ても着いたことに気がつくのが遅れました。立派になった...というべきなのでしょうか。以前を知らなければ、バック屋さんに思えるほどに、バッグや鞄のディスプレイが目立ってました。スティショナリー革小物は奥のに一角に....。このところ、オンラインショップでも商品のラインナップが変わってきた感じはありましたが、実店舗にならあるかもと期待したものは見つかりませんでした。出会った頃はピ6色展開で様々な小物が作られていたピッグスキングッズは黒一色になっちゃって...欲しいものが見当たらない....。
 もっとも、今回の一番目的は便箋と封筒のオーダーでしたから、店内探索は早々に切り上げて、さらに奥のオーダーカウンターへ。スタッフと対面して、用紙選びや、文字のデザインなど決めていくわけですが、実は、数年前にオンラインでオーダーした履歴がちゃんと残されていて,基本はそれと同じで良かったので、サンプルを見比べて...悩んで...という段取りの殆どは省略されました。住所から、変更の可能性もありえるemailアドレスは削除することにして、オンラインではオプションが無かった封筒と便箋の縁線を追加して、注文は完了でした。オンラインとの一番の違いは、(わたしの)Die Stanp がストアで保管されるということです。スタンプ作成の代金は1回支払えば、次回以降は用紙代金で同じものが作られるんですね。帰国後に送られてきた商品には、今後の注文に必要なスタンプ番号のお知らせも入っていました。
 右上イメージの一番下の便箋と一番上の封筒が今回の注文品。下から2番目の緑のラインがない便箋がオンラインショップでオーダーしたもの。その上、ラインのある無地の便箋が、昔の既製品です。

 
 この日の最後の買い物は、主人のシャツ。
 色使いが気に入って選んだのがきっかけで、名前を覚えたターンブル&アッシャー。随分前に国内での取り扱いが無くなったので、折角のチャンスを活かすべく、眠気を振り払ってもうひとがんばり...。ところが、ここで予定外に時間をとられました。

 一見の観光客なんですから、おとなしく既製品を買って帰ればよかったのでしょうけど、それじゃ、つまらない...(スンナリとフィットする既製品があるようにも思えませんでしたし)とばかりにビスポークを希望したわたしたちは、階下と案内されたのですが,生地選びや採寸の前に、丁寧な説明を受けました。細部の理解はともかく、販売しているシャツは3種類あって、一つは既製品で,一つはサンプルを基本に調整して仕立てるもの、もう一つは
個人専用に型紙を起こして仕立てるもので...というところから始まった話は長かった...。 
 レディメイド、パターンオーダー、フルオーダーと言ったところでしょうか? 日本でも(デパート等で)ワイシャツを作る時にサンプルを使ったことはないし...気持ちはフルオーダーに傾いてたのですが.....フルオーダーの場合は、型紙を作成して(うんうん)、別生地でサンプルを仕立てて(え?)実際に着用して不具合が無いかどうかを確認して(...いつ?)それから本生地で仕立てるというので、数日間滞在の観光客には選択外となりました。3週間後に試着になんて、こられませんって。
 で、試着が省かれるパターンオーダータイプに決めてからも、長かった....。
 選べる時期の種類が多いし、採寸後、着せられたサンプルも数枚、立ったり座ったり、腕を上げたり肘をはったり..言われるままにポースをとりつつも、主人は目をひらいているだけで手一杯が明らかな時差ボケ状態に突入。閉店時間を大幅にすぎるまで、なかなかにハードな時間を過ごすことになりました。もうすこし『覚醒』してたら、帰り際に目についたカラフルな襟芯セットを購入してたのでしょうけど....あとになって、買わなかったことを後悔しました。

 とっぷりと暮れた外の空気の冷たさに、目が醒めたわたしたちは、ホテルに戻ってから、夜更かしモードに....。翌日,ナショナルギャラリーへのスタートダッシュに失敗することになりました。 

 
 ちなみに帰国後に届いたシャツは、身体に合いすぎて、リラックス感にかけると言うのが主人の感想でした。
 キッチリ、ピッタリに(動きに必要なゆるみはもちろんありますが)仕上がってきたようです。
 もっとゆとりを!と、試着時に気づくゆとりも無いくらいに眠かったそうで....。(気づいても主張できたかどうかは疑問ですが。)


                                                   13/04/27 
  

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2日目 8時起床、遅めのスタートでナショナル・ギャラリーへ。6時閉館。見学半ばでおいだされる。
 
 二日目の予定はナショナル・ギャラリー見学でした。
 1箇所に1日を当てて、それなりにゆっくり絵画鑑賞の計画は、 朝から狂いました。主人ともども、いわゆる爆睡状態で、目覚ましの音が聞こえたのか(無意識に止めたのか),そもそもアラームセットをしそこねたのか、目が覚めたら8時だったんですよね。
 それでも、今日の予定はナショナル・ギャラリーだけだしという油断もありまして、 チェスターフィールドでの初めての朝食でも、くつろいでしまい、出発できたのは11時前でした。
 
 ホテルから目的地までは徒歩で向いました。 あらかじめ場所は把握しているはずの主人が、あるはずのところに見あたらないナショナルギャラリーの場所を、iPadで特定しました。地図を拡げるよりは、見るのも、見つけるのも楽な気がします。現在地を探す手間がないですしね。

 トラファルガー広場を横目にギャラリー入り口に向いながらとりあえずは写真を撮りましたが...、広場見学は後回しにして,まずはギャラリーへ。
  コートや水や..貴重品以外の手荷物はロッカーにあずけて、身軽になったところで、日本語の音声ガイドを借りました。ガイドの利用案内によると、40点余りの作品紹介した60分のツアーとのことで、最初はたったの60分?と拍子抜けした気分でしたが、これがどうして...ガイド再生時間のみでももっとありそうな、情報量...。どこかに座って聞くだけでも60分は越えてるような.....だって、一作品平均90秒のガイドで60分じゃありませんか。え?まだ(ガイドが)続くの?とビックリするくらい長い案内もありましたしね。しかも、あたりまえですが、座って聞くだけのモノじゃあありません。作品を観賞しながら、館内を移動しながらの利用です。
 ガイドの対象になっている作品を探して回る時間を考慮して、案内してくれなくちゃ.....と気づいた時には、10作品も進まないうちに60分が過ぎてしまっていて、焦りました。
 ペースアップしないと回りきれない事態を悟り、ガイドの対象になっていない作品はなるべく歩みを止めずに観賞し、対象作品は、早めにガイドを聞きながら近づき、ガイドの終盤を聞きながら次の作品への移動をはじめるという,時間の節約を心がけましたが、館内は広く、ガイド対象作品は決して近場でかたまってはいないし....多少のペースアップで何とかなるモノじゃないんですね。
 それに、わずか40点ほどのガイト対象から外れた中に、ダヴィンチの岩窟の聖母(展示されていいなかったのでガイドからはずされたのでしょう。あるべき場所には、絵画のインフォメーション映像が流れていました。それなりに探しても見つからないので、スタッフにたずねると、あっさりと今は無いと...。かわりに映像ルームを紹介してくれました。)や、フェルメールの2作品の内の1作品があったりして、油断すると、やっぱり足は止るじゃありませんか。すっごく可愛い顔に見とれて近づいてみたら、アングルの作品だったりね...。結局最終グループの時代(18世紀〜20世紀初頭)の手前で時間切れとなりました。
 閉館です。ゴッホ、モネ、セザンヌ、スーラー..etcは、ガイドの対象であっても聞くことができずに(一応、出口に向う為に展示室を突っ切るので、目にはしました)退館....。いつかの大英博物館のように突然に照明も消されるということはありませんでしたけど、出口に追い立てられる雰囲気はおんなじでした。
 
 帰りに寄れば良いねと思っていたショップは既に閉ざされて、記念グッズどころか、図録も買い損ねたわたしたちは、後日、ショップにのみ、再訪しました。
 せめて7時に起きていれば.....残してしまった7作品のガイドを聞いて、ショップ閉店前にすべりこめたでしょうか....。

 まあ、それよりも、出遅れたのが判っていながら、お茶休憩をとったのが間違いだったとも言えますが、無休憩で回れる規模でもありませんし、仕方がないですね。

 ちなみに左イメージが、紅茶とアップルパイ。コーヒーではありませんよ。自分で好きなものを取って、レジに持って行くセルフサービスの店で、ティーバッグで入れた紅茶がこの色合いです。館内にはテーブルサービスのカフェもあって、そちらでは、おなじみの3段重ねのスタンドが使われたアフタヌーンティーメニューが用意されているようでした。1時間早く置きていれば、案外ティータイムに時間をついやしていたかもしれません。

 2月のロンドン、18時を回れば、もうすっかり夜ですが、でも時間は未だ6時過ぎだしと思ってたら、バーリントン・アーケードも閉まってしまいました。ここは、通り抜けも出来なくなるので、ウィンドウショッピングで商品チェックも叶いません。
 何件か、立ち寄りたい店があったので、出直しですが...店が健在かどうかだけでもわかるかな〜と、門扉(?)にちかづいて、通りに面した角にラデュレが出店していることを見て、主人とふたり、ひとしきり嘆きました。
 よりによって、よりによって、バーリントン・アーケードにラデュレ.....。ああ、おまけにカフェテーブルがしっかりと通りに出されているし...。ここの一部には昔、ネクタイの専門店があった...はず。小さい店で、我家はウィンドウ越しに一目惚れしたベア柄のネクタイを買ったのでした。
 店主は、当時でもかなり高齢だったので、継ぐ者がいなかったなら、店が無くなることもあるでしょうけど、パリの風がふきこまなくってもね〜。小規模な老舗が品よく連なる雰囲気に風穴を開けてど〜すんのよ!と..観光客が毒づいてもど〜しようもない話ですけど、反対側の角にあったアイリッシュリネンカンパニーが無くなっているらしい(ガイドになかった)こともわたしにとっては大問題だというのに...ショックの上塗りでした。
 
 数日後に実際に通りを歩いてみましたが、残念ながら嘆く程のことでもなかったという結果には至りませんでした。
 古き良き、英国の名店...という枠は崩れて、多国籍化が目立ちました。もちろん、これまで英国縛りがあったのかどうかの確証はなく、昔も、他国の名店が出店していたのかもしれませんが、ただ、日本のガイドブックにも必ず掲載されているような、観光客御用達のような他国の店は...なかったんですよね。
 売り物がちがっても、英国らしさの統一感があったからこそ、独特の雰囲気が漂うバーリント・ンアーケードだったのに.....不当と知りつつ、ラデュレやセルモネータ・グローブスに反感を抱いてしまいました。
 
 これが....ロンドンのショップに対してのがっかりのはじまりでした。
 後述になりますが、あっちもこっちも、かつても記憶をたよりに期待していた様子からは随分変わっていて、以前はパリよりローマよりも買い物量が多かったロンドンで、食指の動きも鈍ることになりました。

                                               13/08/20 
  

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3日目 英国ブランド探し旅。品揃え、雰囲気の変貌に醒めて食指は動かず。危機感点灯。

 
滞在3日目、そろそろ休憩日というわけではありませんが、観光予定をいれずに置いた1日でした。
 市内を散策しつつ、目的物を購入して、ついでに土産物もなるべく買ってしまって、公園でリスを探してエサをやっって(ふれあって)午後は早めにホテルに戻ってアフタヌーンティーで一服して....というのが、アバウトな予定でした。

 



 行くべきところは、リバティ、ハロッズ....まあ、この辺りはガイド本でも健在なので、後回しにしても大丈夫(すぐに行ける)ということで、ガイドマップから消えたアイリッシュ・リネン・カンパニーが、やっぱり現実でもなくなっていたことを確認してから、シャボネール・エ・ウォーカーでチョコレートの発送手続をすませ、これまで立ち寄ったことが無かったプレスタで、あらかじめ詰め合わされていたものと、その場で選んで箱に入れてもらったものとを、自分たち用にを購入しました。
 地元でポピュラーな老舗という印象だったシャボネール・エ・ウォーカーが,観光客相手の土産物店のような雰囲気になっていたのが、この日のがっかりポイントその1。時期的な要素もあったのかもしれませんが、狭い店内には、ユニオンジャック柄の箱入りチョコをはじめ、各種詰め合わせの箱が積み上げられていて、客が直に選んで取れるようになっていました。もしかして、団体客の襲撃でも受けて、効率重視の販売スタイルに変更されたのかしらと想像を逞しくしつつ、初めて訪れた時の、緊張感を懐かしく思い起こしました。ウィンドウ越しに見える店内は、思わず見とれながらも入店を躊躇さすような厳かな美しさに溢れていたはずでしたが...様子はかなり変わりました。商品のクオリティがおんなじなら、気軽に買い易くなったことを喜ぶべきかもしれませんが、はるばる....のロンドン、ありがたみは薄れました。
 
 店舗もチョコもシャボネール・エ・ウォーカーよりも少し小さめのプレスタでは、『初物』の感激をあじわいましたが、あれこれ選んで入れてもらった箱の中味はビニール袋...。
 プレスタは定番のトリュフシリーズも深さのある箱がつかわれていて、中も同じくビニール袋いるですが、これは単一フレーバーで収めるべきですね。わたしたちは2個づつ数種のフレーバーを入れてもらった結果、持ち歩いているうちに粉糖も香りもまざりあって、ミントの薫りの紅茶味トリュフなるモノが出来上がってました。
 いろんなフレーバーを少しづつと言う場合には、課題が残る店かもしれません。

 ただ、それよりなにより、この日の認識した大問題は、市内にウェッジウッドの路面店が一つもなくなっていたことでした。いえ、路面店どころか、結果としてハロッズの食器売り場にコーナーがあるだけなってしまったことを、夕方になって知らされたのですけど、市内に唯一の売り場にも、わたしがお土産最適品と目星をつけていたジャスパーのアクセサリーがひとつもないではありませんか。
 ジャスパーはもう取り扱かわれていなくて、一部商品は注文を受けてから作られるシステムになっていると言うスタッフの説明を聞いて、わたしは焦りました。小さくて場所をとらす、そこそこみばえも良くて、価格も手頃なで、お土産に...だけじゃなくて、自分のも補充したかったんです。日本のショップでは、あってもブルーか青ばっかりになっていましたから、黄色やパープルなど,(日本で)入手しにくい色をいくつか...と.....。なのに、その定番のブルーすら、ない! (注文出来るアイテムもカラーバリエーションはなし)にわかには信じ難い状況でした。
 ああ、そういえば、破綻したんだっけと、聞き流して過ぎたニュースを思い出しもしましたが、日本にあるものさえないというのが、どーにもこーにも....納得出来かねる話でした。ところが、これはウェッジウッドに限った話ではなかったんですね。

 もう一つのお土産好適品、リバティプリントグッズも、期待を遥かに下回るラインナップだったのです。ないわけではないけど、欲しいアイテムはない....。リバティジャパン公認のプリントグッズが日本で氾濫していることを知るのは帰国後のことで、本店オリジナルのグッズを選ぶのに苦労しそうなどという心配は粉々に砕かれ(正しい表現ではありませんが、これ以上に的を射ている表現が重い浮かびません。砕けて欲しくはなかった...。)しばし、わたしは放心状態に陥りました。
 一応、ソーイングボックスとお揃いのソーイングアイテムはありましたけどね....わたしが予定していたのは、ポケットティッシューケースや、ジュエリーロール、眼鏡ケースなどの日常使いの小物でして、それに紳士物のシルクスカーフ...。どれも昔購入して以来長く愛用している物でした。当時はとりあえず旅の記念にくらいのノリで買って帰ったら、意外に愛着がわいてしまって、とりわけ、リバティプリント柄違いのリバーシブルスカーフは、暑苦しくなく暖かく、かさばらないしと言うことで、カシミアのマフラーよりも使い勝手がいいので、主人も(今回)色合の違うものをねらっていたんです。でも.....似たようなものすら、見つかりませんでした。

 昔は吹き抜けの最上階に倉庫内のストックの様相で済み上げられていた生地も色別に分けて展示されていたりと、店内のレイアウトも変わってるので、どこかに我家の求める物が潜んでいることを期待して、念入りに見て回りましたけど、リバティプリントのネクタイはあるけど、(紳士物の)スカーフは無いし....10年や20年くらいではたいした変化があるわけなしし..と言う、わたしの思い込みは本当に見事なまでに裏切られました。確かに、出会ったときよりも目の10年をしらないんですから、根拠なき思い込みでしたけどね。

 ただ、母の世代でもバーバリーといえば連想する定番の綿のコート(ライトベージュのコットンジャバジン100%のロングコート)も、もはや補充が叶わず、変化あり過ぎな状況に戸惑うばかりでした。バーバリーは以前利用した店が改装中で、別の路面店をのぞいてみましたが、ポリエステル素材の黒っぽいコートなんて.....と食指がうごかず、一方、久々に柄違い画あるかもと楽しみしていたバランタインのインターシャセーターは、10数年目と同じ柄ばかり! 色違いで手を打つには、高過ぎる価格で、やはり食指は動かず....。
 
 コート、カシミアのセーター、マフラー、ジャスパー製品に、リバティやローラアシュレイのファブリック...持ち帰ることができず、直送の手続記をした物も少なくなくない経験から、ロンドンでは散財する覚悟だっただけに、拍子抜けしました。
 自分の好みのものが不変に供給されるべきとは言いませんが、不変に供給されるであろうモノに惹かれたつもりだっただけに、ショックも大きかったです。
 自分たちにとってのいい土産に出会えないまま過ぎた1日....サイフの口は開けっ放しにしているのにお金は出て行かないというレアな体験になりました。
 
 左イメージは、昔入手したリバティグッズの一部。
 明るめ青地のシルクスカーフは両面柄違いのリバティプリント。紳士物です。
 赤いバラのプリントはジェリーロール。右上はキルト仕様のティッシュケースと眼鏡ケース。当時も小物は複数買ってきたので、未使用のものがのこってますが....スカーフはこれ1枚きり。諦めて他のブランドでも探して、合わせのシルクスカーフや、シルクウールの一重のロングスカーフなど見つけては来ましたが、有名ブランドのネームバリューをもってしても、長年の愛着に変わる魅力は見いだせず、リバティのストールの価値が上昇しました。

 ローラアシュレイに立ち寄るのは最終日に回して、とにかくは、予定が狂ったお土産最適品(義理土産)を再検討...する時間的余裕も余り無いので、安易な選択を。
 まずは、保険的に購入した、ハロッズグッズの女王陛下在位60年の限定モノに、これまたフォートナムメイソンの女王陛下在位60年記念モノの抱き合わせで乗り切ることに決めました。
 
 在位60年記念の商品は、文字通りのお土産需要を意識した展開で、困った時にはありがたいアイテムでしたが...自分用に欲しい物が何か...といえば、折角なので、限定デザインの缶入り紅茶を買ったくらいで、,テンションを高めるようなものは、残念ながら特には無かったです。

 ダメージ少なからずのわたしたちの身と心を癒してくれたのは、アフタヌーンティーのひとときと、グリーンパークの端で見つけたリスでした。

 
 ホテルから最寄りの地下鉄乗り場がグリーンパーク駅だったのですが、駅の出入り口の一カ所がバーク内に通じていて、しかも、その出入り口だとスロープで階段が無いんです。で、パークの中の緩い坂道を上りきったところに歩道への出口があって、パークの外にある乗り場の入り口にまわるよりも、ここを通る方が距離も短いことがわかったので、ホテルへの帰り道、わたしたちはパーク側に出て、グリーンパークの端(すぐ横は歩道と車道)を歩きながら、リスを、一応さがしたのでした。
 公園とはいえはしっこだし、茂みも殆どなく、木も未だ葉っぱを落とした状態で、見通しが良過ぎるので、いそうにない感じで、やっぱりハイドパークに行かなくちゃダメかなあと思いつつも年の為に木の上をみあげると、な〜んと、すぐに見つかりました! 葉が無く枝だけなので、いる場合は見つけ易いんですね。
 いた! あそこあそこ、と見上げていると、リスの方からスルスルとおりて、近寄ってきました。エサを持ってきた観光客に見えたのでしょうか?
 エサはね、持ち歩いてましたよ。節分の余りの大豆! これがまあ、気に入ってくれたようで、!食いつきも良く、こっちも満足!

 翌日から、観光帰りにリスと出会うひとときが、1日の締めくくりになりました。


                             13/09/25 
  

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4日目 コートールド美術館、テートブリテン。コヴェントガーデンで紅茶買い。



 ロンドン4日目、予定は二つの美術館。
 1日で2箇所、しかも場所も離れているので、我家のペースではなかなかの『挑戦』でしたが、ナショナルギャラリーのように大規模ではないし、目的物(見たい画)も決まっているので、一カ所に留まる時間を1時間程度と振り当てて計画をたてました。

 この日は少々早起きをして、まずは朝一番にコヴェントガーデンにあるらしいティーパレスを目指しました。到着したのは店のオープン直後か直前か...という時間帯で、残念ながらコヴェントガーデンの賑わいは未体験となりましたが、ティーパレスではゆっくりと見学、買い物が出来ました。この後は歩き回る1日になりますから、茶葉の購入は少量を数種......控えました。


 コートールド美術館ではマネの遺作、フォリー・ベルジェールのバーを観たら、長居はせずに退館のつもりでしたが,予定通りにすすまないのはよくあることでして、わたしたちはお昼抜きで、館内のカフェでお茶休憩をとり、予定時間を遥かにオーバー....という結果になりました。
 美術館、博物館では、我家はこのパターンが多いです。ただ、ソファ、テーブル、木の椅子などが不揃いに配置されたカフェ店内は、お昼をとりにきた地元のゲストのくつろぎの場所といった雰囲気で、多少の違和感が漂う中での休憩は、なかなかに新鮮でした。 観光客が利用する時間としては少し早かったのかもしれません。
 ランチメニューは多分一種類か2種類(この日はどうもホワイト系のシチューだったようです。小さい鍋で提供されていました。)に見えましたが、ケーキは8種類くらいできあがっていたでしょうか。どれも、見た目はシンプルながらおいしそうでした。主人と違う物をえらべば半分ずつして2種類を味わえるところですが、1カットサイズが半端なく大きくて...見るからに消費不可能。
 一応確認しましたが、やっぱりそれが一人分だというので、無難にわたしだけがオーダーしたところ、スタッフは心得て、取り皿とカトラリーを二人分持ってきてくれました。
 美術館の規模に添ったコンパクトなカフェでしたけど、フレンドリーな空気に満ちた心地よい空間でした。併殺のオープンテラスは、暖かな日に、いい感じでに賑わうんでしょうね。先の予定が詰まっている観光客という立場がちょっと惜しく思えるひとときでした。とはいえ、残された時間はあと2日と言う現実からはのがれられません。
 フォリー・ベルジェールのバーが表紙になった図録(名作選)を買ってから、わたしたちはトワイニング本店経由で、次の目的地テートブリテンに向いました。
 あらかじめ,所蔵されている作品情報を得て、幾つかの作品を間近に観るべく訪れたコートールド美術館と違って、テートブリテンには特定の目的物はありませんでした。
 実際には、あ、この画もここにあったんだという再発見も少なからずでしたが、事前知識としてはターナーの画が多いと言うことくらいでしたっけ。
 しかも、ターナーって、観ればターナーだね(あるいはターナーみたいだね)と判るものの、ターナーといえば**というようには代表作品を思い出すことができないのが、我家の“ターナー・レベル”でしたから、コートールド美術館ほどの執着はありませんでした。 
 ただ、期待値が高くなかったことを差し引いても、ここではかなりのインパクトを受けました。
 ミレイのオフィーリアも、もちろんきれいでしたけど、ターナーの画が、意外にといいましょうか、大変美しいと感じました。光と煙を纏った蜃気楼のような風景画という印象はそのままでしたし、今なお、タイトルと画が結びつかないままですが(画のタイトルを答えるクイズがあったら、ターナーの項で全滅しそうです。)ぼんやりとしたフィルター越しに見ているような景色に迫力があるのが興味深かったです。
 特にヴェネチアを描いた作品群は、けぶるような色彩にあって、精密で繊細で、エキゾチックな魅力もあって、ずいぶんと見入ってしまいました。
 コートールド、テイトブリテントともにフラッシュなしでの撮影は許可されていました。

 体力(脚が疲れて.....)と時間ぎれで、すぐ側にあるテイトモダンはスルー。
 この時期はピカソ展が開催中だったようです。

 右イメージはテートブリテン近くの街並。ロンドン中心部とは異なる赤いレンガ作りの建物が連なっていました。
 
 一日中、殆ど立ちっ放しで、 一刻も早くホテルに戻って靴を脱ぎたい帰り道、ホテルまであと少し...のグリーンパークの端で、この日もリスが待ってました。(上イメージ)

   
                             13/09/25 
  

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5日目 カンタベリー日帰り観光 昼食は、初めておいしいと思えたフィッシュ&チップス

 My Bus社の日帰り,オプショナルツアーで、郊外観光へ。

 自分たちの価値感と興味と体力のバランスをとって、マイペースで観光で来るのが個人旅行の大きなメリットのひとつですが、動ける範囲は限られます。いわゆる『しっかりとした観光』の満足度アップのために、日帰りツアーは便利なアイテムですよね。今回、6日間の内2日間を美術館で費やす予定をたてた我家では、そろそろ徒歩観光はウンザリという状況になるにちがいない5日目に,バスの旅を組み込みました。
 行っていない場所で、候補に上がったのは、リーズ城、カンタベリー、ドーバー観光とグリニッジクルーズ(ランチ付)と、ブレナム宮殿とコッツウォルズ観光の2つでしたが、後者のツアーの開催があいまいで、(コース詳細には観光内容が変更される時期がしめされているものの、催行日にはその時期が入っていない...。)確実なところで、前者を選びました。
 わたしたちははロンドン三越の地下にあったマイバス社に出向いて直接申込みました。この時に、ブレナム宮殿のコースについて尋ねること無く事前に決めたコースで手続をしたわたしたちは、出発当日に、ブレナム宮殿のコースも催行されていることを知りました。公式HPでは、非催行の時期だったような...という疑問を他のゲストとささやいていたら、現地スタッフからHPの情報には相当のタイムラグがあるのだと聞かされました。わたしは、どちらのコースでも良かったので、あら〜そうなの?ですみましたけど、本当はブレニム宮殿の方に行きたかったのに、催行時期じゃないみたいだから諦めてカンタベリーにしたのに...と声も少し上がっていました。
 ハッキリと優先順位がある場合は、(オンライン)申し込みの前に確認した方がいいかもしれませんね。(ちなみに現在はMyBus社ではブレナム宮とコッツウォルズのコースはみあたりません。 )


 
 わたしたちが参加したツアーの内容は、リーズ城観光、カンタベリー観光と昼食、ドーバー海峡のセブンシスターズ(白い崖)を観て、グリニッジからリバークルースで帰路つくというもので、約11時間の終日観光でした。
 それぞれの観光対象については、ガイド情報に不自由しない時代ですから、受け売りのわたしの説明に意味は無いとおもいますが、コースは、バスでの移動j間も(車内で)くつろぐには充分な、でも、トイレも心配をする程には長くはなく、城内や聖堂内の見学(自由見学)時間もそれなりにとられていましたし、往路と袋の移動手段が違うなど、見所も刺激もあるゆとりの行程で、大変満足出来ました。

 また、名物とはいえ、これまでおいしいと感じたことが無かったフッシュ&チップスがお昼ご飯でしたが、カンタベリーでいただいた料理は、あれ?と戸惑う程、ちゃんとおいしかったです。ちなみにガイドさんの意見では、ロンドン市内でおいしいフッシュ&チップスに出会えるのは稀!とのこと。妙に納得できました。

 ただ、8時前の集合には、思いがけない不自由さもありました。

 当時、My Bus社は(JCBオフィスも)ロンドン三越内にあったのですが、ツアー集合時間に三越は開いていない....。集合場所は三越前でした。幸い路上ではなく建物内(エントランス)集合でしたが、出入り出来るのはそこまでと言うことで、出発前にトイレに行くことができないんですね。で、申し込みにはスタッフから『集合場所にくるまでにトイレを済ませること』を勧められ、三越近辺で利用可能と思われるトイレ情報の提供がありました。近くにあるカフェでお茶を飲んでトイレをかりるか、向いのスーパーが開いていたら(開いてる時間でしょうか?)スーパーのトイレを利用するか、もしくは地下鉄、最寄り駅の*番出口にある公衆トイレを利用するか...という、どれをとっても『挑戦』でした。

 ただ、地下鉄を利用していたこともあって、我家はロンドン地下鉄駅構内の公衆トイレにトライしました。提供されたトイレ情報の中では、もっとも、利用出来る確率が高い場所でしたしね。ところが、これが..やっぱりというべきか、予定時間をすぎても開かないじゃありませんか。キーを持って現れるはずスタッフを待つ間の1分,1分が長かったこと!
 結果としては指定時間に余裕を持って到着できましたが、点呼をとられたあとで、トイレに行っておきたいと言うゲストがいて、(館内のトイレを利用出来ると思っていたようです。)出発直前にわたしたちが利用してきた地下鉄駅構内まで往復されました。
 でも、実は、そこから直接ツアーに出発するわけじゃないんですよね。わたしたちは一つのバスにまとまってバスターミナルのようなところに移動した後 、行き先別に改めてバスをのりかえたのでした。コース別に分かれて、ならんで、再び点呼をとられ、英語ツアーのゲストと同乗の(本来の)バスに乗って「さあ。出発しますよ」というところまで、結構時間がかかりました。トイレは、その間に充分いけるし...、いえ、その間に,一応いっておこうとなるわけでしてね....。
 (今回に限った話かもしれませんが)My Bus社集合時間前に無理してトイレを済ませる必要は無かったんじゃないかと感じました。


 
 そして、帰路のテムズ川クルーズ!
 楽しみましたけど、こちらの勝手な想像とはかなり違って.....利用した船は定期便でした。船はわたしたちのスケジュールと無関係に定刻運行していて、わづかの差で置いて行かれたわたしたち(日本語ガイドグループ)は、船着き場で次の船を、結構長く待つことになりました。で、その間に、バスを降りて分かれた英語ガイドグループは、近辺観光もしていたようで...船の時間にあわせて乗り場にあらわれたんですよね。英語ガイドのスタッフのほうが、対応力があったと言うことになるでしょうか?
 (定期便なら、まるまる次の便まで待つことが無いように調整して欲しかった気もします。)

 乗車した船は数カ所で停まって、乗客の乗り降りもある、日常の市民の足ですね。上のイメージのような船(定期戦デッキから撮影)では、もちろんありませんでした。

 いちおう、わたしはデッキに出てビデオを構え続けましたけど、速いこと、速いこと!風をきり、水しぶきを上げ、ダイナミックな『クルーズ』体験でした。愉快でしたけど...景色も飛ぶがごとくにすぎさっていきましたっけ....。

                                                 13/10/31 
  

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6日目 ロンドン・アイにて30分間の展望を楽しむ。土産探しで英国ブランドを諦めキプリングへ。

 
午前中にロンドンアイ、その後はささっと買い物を済ませて、帰り支度....あっと言う間の最終日です。

 ロンドン・アイは巨大カプセル型の乗り合い観覧車です。
 チケットは、道路を挟んだ向いの建物内で購入、道を渡って乗り場に並ぶことしばし、混んではいないほうだったのでしょうけど、1カプセル10人程度の単位での案内でした。(定員は未確認)カプセル内には充分な余裕があって、好きな立ち位置で景色を楽しむことができました。中央部分にセットされている背もたれの無い長椅子は、この時はコート置き台となっていて、椅子として利用するゲストは殆どいませんでした。わたしは数少ない利用者の一人でして、カプセルが下りに入ってから短時間長椅子に腰かけましたけど、ま、眺望を楽しむには座ってられませんよね。カプセル内の回り(窓際)は立ち見なんですから、真ん中で腰かけたら,視線に入るのは人の背中越しの空ばかりと言うわけで、ちょっと、残念なレイアウトでした。
 普通に考えれば、椅子は周囲(窓際)にあった方がいい気がしますが、中央に設置されたのには,何か理由があるのでしょうね。

 
 
快晴には今一歩の天気ながら、見晴らしはよく、前日に船上から見上げた景色を見下ろしての空中散歩は約30分。夜景の方が印象的かもと思いつつ、夜に二人で出歩くリスクを避けて観た日中の街並は、歴史の重みを威厳にかえて纏っているかのような、凛とした美しさでした。街の色と言うのか、風情を観るのは、まずは昼間の景観から....で正解だったかもしれません。

 
ロンドン・アイで市内観光を締めくくったわたしたちは、その足でローラ・アシュレイのショップに向いました。
 ウェッジウッド、バーバリー、リバティ、ハロッズ アイリッシュリネン・カンパニー、バーク....ロンドン土産の定番だったものの多くが空振りだった(店自体が無くなっていたり、商品路線が変わっていたり)今回の最後の砦とも言うべき英国ブランド! これまでのロンドン旅行では持ち帰り不能のファブリックの発送をしてもらい、また一頃は頻繁に個人輸入もしたブランドです。
 ただ、あれもこれもと欲しい柄が目白押しだったのは90年代半ばのこと、その後はだんだん好みの柄が減ってきまして....最後に廃番直前の柄の生地を探して(ロンドン市内点は完売で、バースに残ってました)取り寄せてから早10年が過ぎました。このところは国内外ショップとも縁が切れた状態でしたから...今回はさほど期待はしていなかったんですよね。
 寄ってみてもいいかもねという程度の予定でしたが、わずかな期待でも当てにせざるを得ない状況に追い込まれて、足をのばした懐かしのローラア・シュレイ....ですが、色が変わった看板をみるなりわずかな期待もしぼみました。ああ〜ここもか.....という先入観も足を引っ張ってか、店内に入っても休眠状態のわたしの食指は動く気配もありませんでした。
 欲しいものが、ないんですね。店ではグランドフロアで製品、ファブリック類は地下で取り扱われていましたけど,製品を見ればファブリックの(柄の)傾向もわかるわけで、地下に下りることなく、わたしたちは早々に店を出ました。傍目には冷やかしの観光客そのものでしょうけど、メルヘンチックな雑貨屋さんみたいなローラ・アシュレイとの縁が戻る時は、もう無いのかもしれない気がしました。

 これで....予定していた買い物は、終了です。
 初日のオーダーアイテムを除けば、殆ど『欲しいものが無い』状態は、懐に優しく、心に厳しい....。
 いわゆる“お土産”はチョコと紅茶と、ハロッズグッズでなんとかなるとしても、問題は我家の土産です。食べて、飲んでなくなるものだけじゃなくて、しばらくは使える“いいもの”探しもタイムリミットを間近にして、わたしはエルメスで腕時計のベルトを2本購入しました。探していた色目がなく、一旦は保留していたアイテムでしたが、ストックのあった色と素材で手を打つことになりました。(トラブルエピソード日常編 カミーユフォルネの時計ベルト参照)
 それと、ホテル近くのショップで、大きめの海綿を3個、通りかかった靴店のショーケースで目に留まった、発色のいいリザード素材の小物(キーリングやカードケーズなど)を数点.....一種の衝動買いですね。どれも、帰国後はしまい込むこと無く愛用していますが、使用頻度が最も高かったのが、キプリングで見つけたiPad用ホルダーでした。(下イメージ)

 ロンドン市内にもキプリングがあることに気がついたのは主人でした。ただ、本家、アントワープでも通り過ぎた(知らなかった)キプリングをロンドンで買わなくたって..というわけで、当初は優先順位がとても低かった店です。
 でも、優先順位上位から順番にたちよって、最後に回ってきたキプリングでは、国によってラインナップに違いがあるのか、日本では取り扱われていないアイテムを発見することができました。
 リバティやローラ・アシュレイグッズに代えられそうな小物もありがたかったですけど、自分用に飛びついたモノの一つが、左イメージのiPad用のホルダーだったのです。


 中のフェルドボードにiPadを挟み止めて、ファスナー式ケースに収納するタイプです。 本体内側にボードの受けがあり、スタンド機能も備わっていました。表面にファスナーポケットがひとつ、取り外し可能なベルト付きで、単体での持ち運びにも便利な優れものでした。
 iPad mini の登場で、1年余りで活躍の機会が激減してしましましたけど....入手の経緯とその地への引力は衰えず、ロンドンの思い出話に大きな役割を担っています。

                                                  14/01/17 
  

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7日目 チェックアウト。エミレーツのピックアップサービスにて空港へ。

 
ドバイ行きヒースロー発の時間は、13時35分.....欧州直行便を利用してきたこれまでのように、出発時間まで間があるから、最終日も午前中は近辺をブラブラなどというほど余裕はありません。ホテルのレイトチェックアウトのリクエストも不要。
 エミレーツからの迎えは9時(...か9時30分。少々時が経過しすぎて曖昧になりました。9時で進めます)に頼んでいるので、我家のペースで言えば、朝ご飯もあんまりゆっくりせずに済ませなくちゃというレベルの“余裕”です。
 当日はくつろいでいる時間も無いので、わたしたちは前夜の内に室内着も室内履きもトランクに詰め込んで、荷造りの殆どを済ませました。二つのトランクの内、片方はロックをするだけ、片方は、パジャマや洗面グッズなどを入れる余白を残して、ひらいた状態でそのまま床に置きました。トランクを開封した状態で置けるスペースがあるのがありがたい。なにしろ、トランクを開けたり閉めたりすること自体が疲労感につながりますから....だから、わたしは、ゲストルームの一定以上の広さにこだわってしまうんですよね。

 うっかりの忘れ物が無いように、最後の夜は、持ち帰る物は全て目に見える場所に移動、免税手続をする土産物は機内持ち込みのカートにまとめ、 クローゼット、キャビネット内もからっぽにして、自分たちにとっては余り経験の無い早い出発に備えました。

 ただ、帰り支度にいそしむこと2時間程前、ちょっとしたトラブルがありました。
 「ロンドンでキプリングか〜。」などと言いつつ戻ってくると、部屋の電話のメッセージランプがついてたんですね。受話器を上げてボタンを押すとメッゼージが*件ですとか、再生しますとかのインフォメーションはなく、いきなりメッセージの再生が始まりました。エミレーツの....どうやら翌日のピックアップサービスの担当者(?)かららしいとは判ったものの、声が低く、周波数のあわない古いラジオ放送のように途切れがちで、聞き取りにくくて、困りました。何度か繰り返して聞き取りを試みましたが、よりによって「ファ.イブ...オ..クロ..ク」なんて言う単語が聞き取れた気がしたものですから、困惑は深まるばかり。 ナインオクロックなら、ああ、明日のことだねですむんですけどね。
 ファ...イブ....って聞こえるんだけど...ファイブ..5時? 自分たちの行動予定とは関連づけられない時間帯の単語が悩みの種!!

 まさか、フライトの変更があったとか??そんな『大それたこと(時間の差がありすぎ)』なら留守番メッセージでは済まさないでしょう...こっちが聞かなかったら大変だものとは思いつつ、聞いても、聞いても聞き取れないので、スタッフに確認してもらおうと、わたしが一旦受話器を置いたところ、ランプも消えました。イヤな予感...。
 ロビー階に降りて、フロントデスクの外側にいたスタッフに事情を話すと、(スタッフは)聞いてくると言ってデスクの裏に姿を消しましたが、すぐにもどってきて、メッセージはもう残っていない、と.....。やっぱりね。自宅の電話ならメッセージを消去する場合は**を押すようにとの案内があるものですけど、な〜んもなかったもんね。ゲストが聞いた(確認した)メッセージは電話を切った時点で消えるってことね、ま、消えずにいつまでも保存されているのも問題ですが、せめて、“消すよ”という案内が欲しかった!(そしたら、受話器を外したまま行動したでしょうけどね。)

 結局、ロンドンのエミレーツに(ホテルの)スタッフが電話をしてくれて、おそらく事情も説明してくれた後、わたしが呼ばれたので、電話口に出ました。明日9時にホテルに迎えが行くからご心配無用という、判り易い説明を受けて、一安心。
 突然の留守番メッセージにバタつきましたが、予定に無かったリコンファームができて、翌出発時は迎えを待つ間もストレスなく過ごせました。

                                                  14/05/14 
  

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