画面のレイアウトが乱れる方へ
  23/09/17

 

 ここではその気になれば誰でもが購入可能なものを中心に取り上げています  全国に普及していると考えられるもの、お店が発送を受け付けてくれるものを選んでいますが、一度注文したら、次回からは顧客番号で..などという「通信販売」のシステムが整備されているとは限りません。また、発送専用の電話番号もないところも多く、各店の電話番号を記載することに、わたしは抵抗を感じます。 代わりに、店の所在地や出店しているデパート等をお知らせしていますので、興味のある方は、後少し、手間をかけていただければ幸いです。

 閉店、あるいは製造・販売中止等が明らかになった商品については、コメント色と商品タイトル色をグレイに切り替えていますが、消息不明も含め,存在しなくなったことが確認出来ない商品に追記措置はしていません。紹介日時を参考のうえ、経年にともなう情報劣化をご了承ください。

 なお、各店のHPアドレスに関しては、確認日時を明記しました。                   
                                  00/09/27(改稿 02/09/30 )




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中村ぶどう園の「紅しずく」

 左イメージ、紅しずくは、大阪狭山市の葡萄園で栽培販売されている珍しい品種のぶどうです。明るめの果皮が綺麗な種無し。デラウェア系の交配種とのことですが、キングデラを巨大化したような縦長の球形は、食べやすく、食べ応えもあるベストサイズで、果皮ばなれもよく、食するにストレスの無い品種に思えます。
 

 甘みが濃く、しっかりとした味わいながら、くどさは全くありません。
 たっぷりの果汁のあと口は意外にスッキリしていて、隠し味的な酸味が活きて、夏場にうれしい爽やかな風味に仕上がっています。ボリュームのわりには、枝はほそく、粒つきの密度もギッシリというほどではないので、房はしなやかです。粒の形も房の質感もしずくのイメージそのままに...というところでしょうか。

 中村ぶどう園では、7月下旬に紅しずくの最盛期をむかえているとのことで、我家に届いたのもその頃でした(頂き物2回)ただ、収穫の時期を迎えたからと言って.....店頭で目に付く品種ではなさそうで、入手は中村ぶどう園の直売を利用するのか確実かもしれません。あまりり流通していない品種が多い園でも、オリジナル品種の紅しずくは人気品種のようで、1種詰めはもちろん、紅しずくと他の品種との組み合わせも充実しています。

 紹介されているのはギフト仕様のみで、別途紅しずくには家系用もありとのコメントもありますが...(家庭用は)ネット対応にはなっていない様子です。発送に適さない(店頭販売のみ)とのことで、店に行くことができる人だけの恩恵かもしれませんね。

 馴染みの無い品種を,ギフト仕様で取り寄せてまで...と思われるかもしれませんが、高品位のデラウエアとして位置づけてみて大幅な予想外はない紅しずくは、機会をのがさず出会ってみる価値がある気がします。

 暑い季節に、癒しの甘みと、瑞々しいリフレッシュパワーを併せ持つレアな一房です。

 

 中村ぶどう園オンラインショップ (2014年8月1日確認済み)

 

                                    14/08016 

 

 

 

産地未特定の「黄金桃」

 小さい頃、わたしにとって「おいしい桃」のイメ−ジカラーは黄色でした。

 根拠は、みつ豆やフル−ツポンチの缶詰めで.....白っぽい桃に比べて黄色い桃は入っている数が少なかったのです。
 今にして思えば、当時は外見で洋梨と桃との区別ができていなくて、白い桃の味のムラに不信感を抱いていた結果の黄桃支持だったとも言えそうですが、子供ながらに黄色い桃に希少価値を見い出していたのも確かでした。 実際に桃が店頭に並ぶ季節になっても、黄色の桃を見かけることはありませんでしたしね。

 缶詰めに入っているような黄色い桃はどこにあるんだろうというわたしの疑問に対する母の解答は、黄色いのは缶詰め用、というもので(....と思うけど、という曖昧な部分を母はカットする事があって、わたしは自分の直感と母の解答にずれを感じたものです。わらび餅が食べたいと言った時も母がつくってくれたのは葛餅でした!)その内に、わたしの中の価値観、憧れも黄色い桃から白桃へと切り替わったのでした。
 
 ところが、一昨年の夏のこと、(沖縄産のマンゴーを送ってもらったことのある)店から届いたダイレクトメールに、黄金桃の予約の案内があったのです。“果肉が黄色っぽく、甘味が強い”という説明を読んで、かつての執着を思い起こしたことは、言うまでもありません。
 ああ..やはり黄色い桃の“生”はちゃんと存在していたんだ...という感慨に浸ることしばし...。
 ただ、生産量がきわめて少なく、予約は確約にはならないこと、30箱の限定でネットでの案内はされていないことなど、希少品ならではの“ややこしさ”もあって、予約のタイミングを逃してしましました。
 
 でも、出会いのタイミングはスーパーの店頭で待っていてくれたのです。
 ダイレクトメールでその存在の確証を得た同じ年に、わたしは黄金の桃(店頭表示は『の』が入っていました。)の現物を発見したのでした。
 
 ハムや玉子を食べない時はあっても朝食に果物は欠かせない我が家では、(スーパーに)買い物に行って果物売り場を見ない時はありません。黄金桃は前年までは、少なくても我が家の行動圏内では流通していなかったものです。
 生きている内に巡り合えた喜びにひたりつつ、その時に購入したものはすぐに食べてしまったので、イメージは記念すべき初物ではありませんが、果肉の色合いは固体差の範囲のうちだと思います。フィリピンマンゴーを連想するような明るい黄色です。果皮は(イメージのように)赤みが差しているものも、イエローベージュ一色のものもありました。
 一般的な桃よりも、やはり高めですが、生産量が極めて少ないと言われるわりには、一昨年以降は見かけることが多くなりました。
 後味さっぱりの甘味も果肉もしっかりめですけど、果汁と香りは控えめ...です。でも、口当たりはなめらかで、皮を剥いてから後の変色も(ほとんど)ありません。口に入れる瞬間まで、艶やかな黄色が保たれるので、見た目もおいしい、桃のニューフェイスと言えそうです。

  ただ、黄金桃は特徴に少しバラツキがあるようで、果皮だけが黄色く果肉は白いもの、繊維の粗いものなどもネットでは紹介されています。
 思っていたのと違うものに当たったら...別の店で再トライしてみてくださいね。

 ちなみに、黄金桃のキーワードで検索すると、生食用の黄桃の誕生は近年のことで、果肉が硬質の黄桃は、かつてはもっぱら(日本では)缶詰め用として生産されていたという記述をみつけました。
 桃に関しては(結果的に)母は正しかった..のですね。

                                                           03/06/16 

補足(雨宮農園の黄金桃)

 2004年7月半ば、週末によく行くスーパーで化粧箱入りの黄金桃を見かけました。
 千歳で初めて購入してから3回目の夏....北海道を離れた昨年は目にする機会がなかった、懐かしの黄金桃!のはずでしたが、果皮に赤みは全くなく、全体が綺麗なクリーム色で、一見、違う品種のように思えました。
 品種改良が進んだ結果かなのか、それとも、3年前も贈答用はそういう色合いだったのでしょうか?  味は?というと、 残念なことに、この時は購入を見送り...。外観チェックだけで終わりました。というのも、横には貴陽が、やはり化粧箱使用で並んでいて、自主的な選択の結果(二つとも買ったら、エンゲル係数が暴走します。)わたしは貴陽の箱を手に取ったのでした。
 千歳での経験上、貴陽の流通が黄金桃よりの先のはずなので、桃購入葉後に回しても大丈夫と判断したのですが、これが判断ミス...。その後の1ヶ月以上、(クリーム肌の桃どころか)黄金桃と名のつく桃を店頭で見かけることなく過ぎました。
 白鳳、白桃、あかつき...と各種の桃が 売り場を賑わしだすと、さすがにわたしも焦りました。
 黄金桃は収穫が遅く、流通期は9月 という説明もあるのですけど、9月に出回る実感はないんですね。

 案の定、ネット上での通販は終盤期(予約終了、完売等々)にさしかかってました。
 その中で、運良く巡り会えたのが、イメージの黄金桃。雨宮農園からの産直品です。美しいクリーム色に期待感を高めて切ってみると、山吹色の果肉からにじみ出る果汁の多さに驚かされました。
 品種に関してはわかりかねますが、個体は、以前に食べた黄金桃とは別物ですね。後味さっぱりの甘味も果肉もしっかりめですけど、果汁と香りは控えめ(前回のコメント)の対局にあるかのような黄金桃は、白桃の親戚のように感じられました。硬質故に日本ではあまり好まれなかったと言われる黄桃と...繋がりはあるのでしょうか....。

  左イメージと、先に紹介した一番上のイメージとを比べてくださいね。
 果肉の色、果汁の量や質感の違いがお分かりになるかと思います。

 初めて口にした黄金桃にも感動しましたけど、再会した今年の感動は、その上をいきました。
 9月になっても、店頭で見る機会はなく、2004年は我が家ではこれが最初で最後の黄金桃となりました。興味のある方は、来シーズン、早めに行動を起こしてくださいね。収穫以前に売り切れる可能性がある、希少アイテムです。

 

 http://www.cosmo.ne.jp/ ̄amechan/ (雨宮農園HP  2004年10月19日確認済み)


                                                             
03/10/19 

 

 

 




トゥーランドットの「杏仁豆腐」

 左は通販で取り寄せたトゥーランドットの杏仁豆腐で、冷凍の状態で届けられたものを、自然解凍したものです。(ソースも冷凍で別添えになっています。)

イクスピアリのとある店でテイクアウトした杏仁豆腐のおいしさとともにトゥーランドットの店名を記憶に刷り込んだのは、2001年の12月のことでした。
 その、 トゥーランドットの杏仁豆腐が、通販アイテムとして紹介されているのを、最初に見つけたのは、国内線の機内誌だったと思います。時期は2002年の6月か、8月.....、イクスピアリで忘れられない味に再会した後のことで、執着が膨れ始めていた頃です。帰宅後すぐにオーダーするつもりで機内誌を持ち帰りましたが、いざという時になって、ちょっとした問題が発生しました。(通販で)買おうとしている杏仁豆腐と(イクスピアリで)食べたものとが繋がらないのです。キーワードはもちろん“トゥーランドット”なんですが、イクスピアリから持ち帰っていたレストラン案内やインフォメーションガイドに、その店名がないんですね。......わたしの記憶にはある....。

 そもそも何も無いところからトゥーランドットが出てくるわけもないのですから、自分の記憶を信じればよかったのですが...イクスピアリの(公式)ガイドを前にして、わたしは勘違いとして記憶をリセットしてしまったのですね。そうなると、冷凍状態で送られてくる杏仁豆腐に期待が持てなくなって、この時はオーダを見合わせたのです。
 でも、一度刷り込まれた記憶というのはしぶといもので...1年が過ぎた今年、イクスピアリ(のラビットホール)で食べた杏仁豆腐がまぎれもなくトゥーランドットのものだったことを確認することができました。(注意力さえあれば、もっと早くにスッキリしたと思います。)
 それでは...とオーダーしたい時には古い機内誌は行方不明で、わたしは横浜のトゥーランドット遊仙境に、入手方法の問い合わせをしました。ストックがあれば店からでも発送は可能だという話でしたが、支払いの手間や送料を考えると、通販カタログの利用が便利ということで、商品が取り扱われているカタログを紹介してくれました。
 本来は専用FAXかハガキで...というところを電話で受け付けてもらってから1週間程経って、下記のイメージの詰め合わせが届きました。オレンジのはマンゴープリン、袋は杏仁豆腐用のソースです。

 箱も大きければ容器も大きくてびっくりしました。中味は3分の2ほどなので、3分の1の空洞で冷凍庫のスペースをとられるのには閉口しました。解凍したら、体積が増えるのかと期待したくらいです。( 増えません。杏仁豆腐に関しては、ソースのスペースかもしれませんが...。)しかも、ただ乗っているだけの蓋は安定感がなくて重ね置きができないので、注文の際は冷凍庫を空けてくださいね。

 ところで、肝心の味ですが...横浜の店に問い合わせた時に、(わたしがラビットホールのと同じですよね?と尋ねたので)スタッフから店で出しているものとは少し違うという案内は受けたのですけど、少しといわず、全く違っていました。
 食感でいえば“プルルン”の店のに対して通販ものは“ツルルン”なんですね。
 正直なところ、最初わたしはショックを受けました。
 わたしが欲しかったのは“とろとろ”と形容されながらも適度な弾力もあって、パンナコッタを思わせる不透明なミルキーカラーの、舌の上でフルフル震えて自己主張する杏仁豆腐だったのです。でも、自然解凍してでき上がったのは、右上のイメージのように光沢を放ち、スプーンから滑り落ち、うっかりすると味わう前に口から喉にすり抜けて行くというものでしたから...。

 本場、本来の食感のことはわからないので横に置くとして....わたしの好みは“プルルン”“プルン”“フルフル”なのです。ツルッとしたものはおいしいとは思えないのですね。で、これは独断的な評価ですが、料理や点心がおいしい店でもも、“ツルン”とした杏仁豆腐は半透明の白い寒天もどきで、期待はずれのことが少なくありませんでした。(トマム情報のついでにおいでになっている方の参考までに、トマムのレストラン桃里の杏仁豆腐は“フルフル”です。でも、朝食ビュッフェで出されるのは、“ツルン”タイプ。豆腐ではなくゼリーの親戚ですね。レストランで召し上がってくださいね。)

 ところが、ここからが重要なのですけど、思っていたのと別ものだ...とがっかりした(通販の)“ツルルン”杏仁豆腐は、驚くべきことにおいしかったのです。

 こういう感じの物なら、わざわざ取り寄せなくても他にもありそう...と失意の勢いで言いもしましたが、2個目を食べて前言撤回することになりました。(1個目は、ショックのせいで判断できませんでした。)
 トゥーランドットの(通販)杏仁豆腐にはみずみずしさがあるのです。(それゆえ、印象が“ツルン”でも“ツルッ”でも無く”“ツルルン”なんですけどね。)言葉にするのはなかなか難しいのですが、例えばイクスピアリで食べたものにフレッシュミルクのコクと甘味を感じるとすれば(あくまでも、印象。材料、レシピについては未確認です。)同じトゥーランドットでも通販のものは、名水と称されるどこかの湧き水か、あるいは秘蔵の井戸水を使って仕上げられたかのような涼を感じます。乾いた喉を潤す水の清涼感を損なわないように味と香りは控えめにしましたと説明されれば、な〜るほど...と納得してしまいそうです。
 暑い季節には、もしかしたら“プルルン”杏仁豆腐以上に口が喜ぶかもしれません。

                                                            
03/06/24 




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