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 おまけのページ、“EXTRA”の第2回目のテーマとして展開した紅茶の話は、2002年4月、晴れて独立することになりました。

 今後はCONTENTSかHP内に点在する紅茶専用ボタンを御利用のうえ、雑談
におつきあいください。
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紅茶関連の全リスト にリンクしています
。                        
                    2004年05月14日



 紅茶に関係するエピソードのページです。

 本編の横におまけのようにくっついていた思い出話や、補足情報もこちらに移行し、単独でもご覧いただけるように一部改稿しました。本編と直接関連のあるものはその旨お知らせしていますので,合わせてご覧くださいね。

 そういえば...こんなことがあったよねという過ぎた体験談からリアルタイムのプチレポートなど、規則性のない雑談をお楽しみください。時に...お役に立つ話もあるかもしれません。
                                         04/05/15
 

     

THE FRANCAIS  フランス流紅茶
 
 数年前にマリアージュ・フレール
京都店で購入したのが左イメージのTHE FRANCAISというタイトルの本でした。
 最初は紅茶の本の豪華版?かと思った本は、実はマリアージュ・フレー
の歴史と業績を綴ったものでした。
 ああ、なんだ
マリアージュ・フレールの宣伝本か...と 早合点してはいけません。かくいうわたしはそのクチで、最初は見本の前を素通りして,サロンでお茶を楽しんだのでした。このとき,主人が一緒じゃなかったら手に取ることも無かったと思うのですが...早い話、少々(主人に)あおられまして、帰り際に厚み3cm、重さ約1650gの本を購入してしまいました。
 重いので自宅送りにしてもらった本は,今時...というよりもわたしの日常ではほとんど縁のなくなった、ケースも本体(右下イメージ。本のカバーを取った状態)クロス張りにおなじみのロゴを浮きだたせた、見事な装丁です。
 見事すぎて、読むには不便(重いので机に置いて読むわけですが、広げるにはかなりのスペースが必要。)で、しばらくは背表紙を観賞。実際,それで結構な満足感浸りつつ,あっという間に解きが時てしまいました。
  最初のページをめくって後、今なお,未読のページの方が多い本ですが、それはでも、発見と感動がてんこもりで、数ページで1時間は遊べるからなのですね


 1992年にマリアージュ・フレールと出会ったことで知らされたさまざまなこと、農園別の茶葉や、春摘みのダージリンの存在はもちろん,茶葉のグレードや名称までもが、1980年代に当時のマリアージュ・フレールの経営者によって発案,整備されたことや、お茶の専門店としてのマリアージュ・フレールがパリのマレ地区に店(本店)をオープンしたのは、オランダとタイの二人の青年が後継者となってからで、1854年にまでさかのぼる歴史の中で、それはごく最近...まだ30年も経っていない頃だった(マレ地区、本店の開業が1984年)ことなど、これまでパンフレット等では記載されていなかった興味深い逸話が(本の最初から)一杯なのです。
マリアージュフレールの上陸とその後のブームで、日本の紅茶事情は大きく変わったと言えますが、パリでそれが起こったのも20数年前...いわば、わたしたちはマリアージュフレールの上陸とその後のブームで、日本の紅茶事情は大きく変わったと言えますが、パリでそれが起こったのも20数年前...いわば、わたしたちはマリアージュフレール流にほぼリアルタイムでまきこまれていたのですね。
 大きな変化はついこの間だったのに....世紀を経た歴史の重みはしっかりと 継承されていることに感嘆するばかりです。
 2003年にはロンドンの一流ホテルにもマリアージュフレールのお茶が使われだしたとか..マリアージュフレール発のスタンダードの拡がりを期待させられますね。紅茶入門書の類は後回しにしても、お茶好きに勧めたい1冊です。

                            08/02/14 

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ティ−コゼー

 2008年秋,英国店でようやく使えそうなティーコゼーを見つけました。
 
 
常々探していたという話ではないので、偶然にも...と行った方がいい出会いですね。日常的に紅茶を飲むようになってからすぐに、アール・デコ・マリアージュ・フレール を愛用している我家では、ティーコゼーは特には必要を感じないアイテムです。
 
ただ、ティーコゼーがない為に、せっかくのレジェンドポットを活用する機会が少ないのも事実だったので、割と早い時期にロンドンのリバティーで、ティーコゼーをふたつ買っては来ました。おなじみのリバティプリント、フォームも
(5cmほどのマチ付きですが)よく見かける定番タイプです。これが...正直、わたしの勝手なイメージにフィットしなくて、ほぼ未使用状態で十数年が経過してしまった、最初のティーコゼーなのでした。(一応、空のポットにはかぶせてみました。)

 
なんだかねぇ、もっと、コロンと丸みを帯びた 、ポットに馴染み易い形を思っていたのですが、リバティで取り扱われていたのは右下イメージのものだけでした。これはこれでマチがある分だけ一般的なパターンのものよりは
馴染み易いと言えなくもないのですが、キルトのステッチとパイピングお陰で、横長台形型がしっかりとキープされちゃって....レジェンドポット
にかぶせても、収まりは...よくありませんでした。


最も、収まり具合で言えば、その後の紅茶ブームとともに、(日本の)紅茶専門店であたりまえに使われるようになったティーコゼーのどれも“いい感じ”ではなくて、わたしは、ティーコゼーを使うことへの熱が冷めちゃった気がしますち。ちなみに、ロンドンとその近郊の街の、カフェでも、ホテルのラウンジでも、ティーコゼーは登場しなかったし.....『英国流』とか『正統』とかへのこだわりは、その国の人たちよりも、他国の文化へのあこがれに踊るわたしたちの方がつよいのかもしれませんね。

 
改めてアール・デコ・マリアージュ・フレールの機能性と美しさに感心しつつ、ティーコゼーを使わないティータイムを続けて、10数年....忘れた頃に出会いがありました。
 
ポットにかぶせるのではなく、 ポットを包み込むタイプのティーコゼーです。その昔、ハロッズでも見かけたことがあるフォームですが、それとの大きな違いは、まずはウィリアムモリスのテキスタイル使用、ブランドマークなしの使い易さ! ポットやカップのいろんなブランドに対しての真っ向からの主張は無い一方で、時代を超えて在るテキスタイルの重みはちゃんとあって、いわゆるテーブルの上で“いい感じ”になるのです。
 
 
 
そして、このティーコゼーの底には、丸いボード(鍋敷きをイメージしてください)がおさめられていて、とても安定したティーマットを兼ねてもいるのでした。(底部分に中綿は無し)
 たっぷりと中綿の入った側面は、ステッチは無くふんわりとした仕上がりで、レジェンドポットのように角のあるシルエットをも柔らかく包み込んでくれます。

この型は付けた状態でお茶を注ぐことができるのがセールスポイントの一つですが...鍋敷きボードが、適度な“重力”の役割をはたしてくれる為、ポットの出し入れに際して、ティーコゼー本体が無駄な動きをしないことでも扱い易さを実感させられます。優れたアイテムだと思います

 
唯一の懸念が、さて、 洗えるのかな?ということでして....まあ、“雑貨”の類なんでしょうね。品質表示やら取扱い説明書やらが....見受けられず、“鍋敷きの正体”が...判りません。

 
とっても分厚い丈夫な紙だったりしたら...水洗いは命取りですねぇ。
 
                           09/03/02 

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ロンネフェルトのスリーピングポット

 18年ほど前に“アール・デコ・マリアージュ・フレール”出会って以来の、“優れもの”を実感させられたのが、左イメージ、ロンネフェルト社のスリーピングポットでした。
 2009年、東京ディズニーランドホテルのロビーラウンジで、同社の茶葉専用に使われていたもので、名前の通りに横に寝かした状態で茶葉とお湯が混ざり合って抽出が進みます。ポットを起こすと、茶葉はポット内上部の茶こしポケットにおさまって、お茶と完全に分離されるというしくみで、茶葉を引き上げるのと同様にお茶の出過ぎを防ぐことができることに加えて、寝かせる時間の微調整で、個々人の好みにあった抽出が期待できるのが嬉しいポットです。

 
歴史あるトイツのメーカーだそうで、それなのに聞いたことがないと思っていたら、我家が契約している某デパートの宅配の、今週のカタログに『おなじみのロンネフェルト』の紅茶が掲載されているではありませんか。すく近くにあっても、きっかけがなければ目にとまらないということでしょうか?(ノンホモミルクを知った時を思い出します。)


ただ、スリーピングポットは、その機能性には感心させられたものの、自宅使いに欲しいかというと....それほどでもないというのが正直なところです。
 
店では、本来一人用(カップに2杯半ほど)と思えるポットを二人で使ったので、実際にはお茶が冷めるまもなく、かわりに2度、3度と新しい茶葉とお湯にさし替えられたポットが運ばれては寝かせて...繰り返しで、常に熱いお茶を楽しむことができましたが....寝かしても立てても、ユニークだけど、美しいとはいえないフォルムは、ティーコゼーも使いにくくて、保温力には疑問が残りますよね。
 興味深いのは、スリーピングポットが100年も前に生まれて、今にいたっているらいしということ!

 
一定時間経後は茶葉とお茶を分離するメリットを意識して作られたのは、マリアージュのフィルターだけではなかったというわけで、いまさらながら『茶葉をひきあげない』流儀に疑問を感じてしまいます。


 左イメージは、抽出後のこだわりのお湯きりスタイル。斜め立ちで茶葉とお茶は分離され、茶葉の水分は茶こしポケットの穴から下におちて、お茶と混ざり合います。
 最後の一滴にもこだわる、煎茶の手前にも共通するものを感じるのは気のせいでしょうか?

 
 春摘みが好まれるのはドイツと日本...などという話を聞いた昔、どうしてドイツ???と?マークが大量に点滅したものですが、ドイツ生まれのスリーピングポットを知って、妙に納得できた思いです。


                  
09/03/02 

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パリのホテルでドイツブランド・ティー


 
2010年,旅先のパリで、ホテルで本当にロンネフェルトのティーキャディーが使われている事を確認する機会を得ました。

 “本当に”というのは、2009年5月に東京ディズニーランドホテルで実物を見て以来、遭遇した事がありませんでしたから、ホテル専用アイテムとはいえ、流通している実感がなかったんですよね。
 我家がティータイムに利用するホテルがある程度決まってしまってる上に、若い頃のように、興味のままにホテル巡りをするパワーも衰えてしまったので、そもそもは遭遇の条件が整ってはいなかったんですが、ただ、ドイツの最高級ブランドといわれるロンネフェルトの創業は1823年となれば、「え〜?ドイツ旅行でも見かけた覚えがないしぃ〜。」ということになるわけです。ロンドンは言うにおよばず、パリでもイタリア旅行でも、ブリュッセルでも、ロンネフェルトの登場は無かった事はハッキリしています。フォートナムメイソンの茶葉かトワイニングのティーバッグが、我家の行動圏内ではまぎれもなく“定番”でした。2010年の旅行で、パリ郊外のホテルで英国ブランドの紅茶が置かれていなかったことが新発見に思えるくらいに、(主なところでは)やっぱり紅茶は英国??だったのです。
 
 それが、ル・グランで、いきなりのロンネフェルト登場ですから、いやが上にもテンションはアップしました。初ものだったディズニーランドホテルのラウンジでは、下半分しか写せていなかったティーキャディーの全容が右イメージ。おっきな袋に大量の茶葉....知らずに引き上げたら、ちょっとたじろぐ“重量級”です。
 通常なら、5つ星ホテルでもティーバッグだよ...と、マイナスイメージに傾きかねないところですが、そこが、なんと言いましょうか、ただのティーバッグじゃございませんと言わんばかりの主張の強さは、さすがでした。

 朝食時の、THE or CAFEの選択では自動的にEngllish Breakfastがでてきましたが、ラウンジのメニューでは、ロンネフェルトのブランド名と、数種の茶葉名が明記されてました。単にDarjeelingではなくちゃんとJungpanaというように...。

 でも、ルームサービスのメニューはTHEとだけでした。 
 オーダー時にEngllish Breakfast
で良いかと確認はされたものの、ブランドに関しては不明...でしたが,届いたのはやっぱりロンネフェルト。

 窓の外にオペラ座を見ながら、ドイツブランドのイングリッシュブレックファストを味わうのも面白い体験でした。
 

                            11/09/14 

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ブラウンズホテルのしっとりスコーン

 梅田のデパートの恒例催事、英国展に、今年はブラウンズホテルのスコーンが登場しました。チーフパティシェによる実演、できたて販売です。

 知る人ぞ知るブラウンズホテル...昔からアフタヌーンティーで定評のあるホテルです。ロンドンのアフターヌーンティー特集のような記事では常連ですし、一般的なガイド情報でもよく名前が上がるホテルで、知人がものすごく薦めるので、我家も2度目のロンドン観光中に利用を計画した事もありました。ただ、当時は予約を受け付けてなく、先着順での利用ということだったので、すんなりと諦めたものでした。知人も並んで待ったという話でしたしね。内容はともかく、ゆったりとくつろぐひとときと、観光客が押し寄せて列をなすイメージとがそぐわない気がして、予約が出来ないと聞いた時点で、ブラウンズホテルのアフタヌーンティーに対する我家の執着は、正直薄れました。
 だからといって、興味がなくなったわけではありません。旅行代理店でサヴォイのアフタヌーンティークーポンが5千円で取り扱われていた時代から、ゆうに20年以上、常にスポットライトを浴びているからには、他とは違う何かがあるんだろうな...と。


  その、違いの一つは、もしかしたらこれ! 英国小麦100%で作られたスコーンだったのかもしれません。
 ああ....こんなにしっとりしていて良いのかと驚くくらいの口当りは、いわゆるスコーンの特徴とされてきたサクとか、ザクとか、サックリとかとは別物でした。思い出せる中で一番近いのは、コッツウォルズの(ツアー観光中に立ち寄ったどこかの)ティールームで出てきたものでしょうか。それまで見かけなかった大きさと、決めの細かいふわりとした食感に感激しつつ(おいしかった)、これはスコーンというよりも....??と首をひねったものでしたが、ブラウンズホテルのはふんわりとしたところに弾力も加わって、しっとりと仕上がっていました。
 サイズはこぶりで、これまたスコーンにはつきもの言われる割れ目も筋の範疇で収まって、品よく整った形も特徴の一つといえそうです。
 
 耳にしたところによると、正式なアフタヌーンティーでは、食べる順番が決められていて、サンドイッチ、スコーン、スイーツ...だったかサンドイッチ スイーツスコーンだったか...多分前者だったと思いますが、とにかくスコーンはしょっぱなに手をだしてはいけないそうですが、日本国内のティーサロンでは「冷めないないうちに」と、わざわざスコーンを早めに食べるように勧める所もあるくらいで、とっとと食べなくちゃサックリがパサパサ、あるいはポロポロへと劣化する場合が少なくないんですよね。劣化の速度はサンドイッチよりも早く....冷めてしまうと固くなる事も想像出来る状況で、正式なルールにこだわってはいられません。 スコーンからどうぞと(店のスタッフに)勧められればもちろん、あえて言われなくても、わたしはサンドイッチを食べきる前に、スコーンに手をのばしていますけど、ブラウンズホテルのスコーンなら、ゆっくりサンドイッチをあじわってからでも、固くなる心配もなさそうで...。時間をかけて楽しむアフタヌーンティーの評判がたかまる一因かもしれませんね。

 黄色味の濃いクロテッドクリームも(一緒に販売されていました。)インパクトは充分でしたけど、これだけ特徴の異なるスコーンは、さすがにさすが....。(ブラウンズホテルで)物販されているかどうかが気になるところです。(右上イメージは、英国展会場内、ブラウンズホテルスコーン販売ブーズ。)
                           11/11/07 

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