トワイニングのゴージャスパッケージ
過日、梅田の百貨店で催された大英国展会場で、トワイニングに捕まりました。
むろん、トワイニングと分かったのは、捕まったあとのことでして、可愛らしい小さい箱はなんだろうと足を止めたのが切っ掛け。台形型の箱の中味はなんとティーバッグだというじゃありませんか。
メッシュバッグという名称で、かなり前に改善型としてルピシアやリプトッンからも発売されている 三角錐タイプでした。
ロンドン本店で買ってきた箱入りティーバックとは似ても似つかないゴージャス仕様に対して、私が連想したのは216ザ・ストランド(216 THE
STRAND)でした。品質重視を掲げてデビューした短命シリーズ....今となっては、日本専売だった可能性も大きいシリーズですが、、見栄えの良過ぎる箱入りティーバッグいかにも『日本向け』のように感じられました。ですから、一応、悩んだんですよね。英国展の為にとロンドン仕様のアイテムが輸入されてくるならともかく、
買える
ところが、販売スタッフの説明によれば、これは英国展限定販売だというのですね。このチャンスを逃すと、日本では入手できないという....。
期間限定アイテム?と思いきや、ロンドンで発売されているシリーズを、催事のために限定輸入したという話なので、驚きました。こんな、一つ入りの小さいの箱が50個...枚と言った方がふさわしいような平たいティーバッグが詰まった箱と一緒に、一つ屋根の下で販売されている様子が想像できない!

この時発売されていた5種は、新たにブレンドされたもので、既存の品種をパッキング下者ではなさそうで、アールグレイも、アールグレイ・シトラスと命名されていました。
ティイスティングカウンターでは、ブレンダーの説明(英語,日本語通訳有り)を聞きながら試飲出来るようになっていて、スタッフに促されるまま腰掛け、アールグレイ・シトラス、パーフェクト・アフタヌーン、デリケート・ダージリンの3種を飲み比べました。(少量づつ)
紙カップではなくちゃんとした陶器製の試飲カップと、カップをセットする台が新鮮で、興味深かったです。
(左下イメージ)
で、試飲対象になっていた3種は、ティーバッグの他に茶葉でも販売されているアイテムだったんですけど、その茶葉100グラム入りが、ただの箱じゃなかった....。2層になった内側に、50グラム入りの四角い缶がふたつ、薄紙に包まれて鎮座していました。おまけに引き出しも....。メジャースプーンと栞つきでした。
誘惑に抗えず、我家は結局ティーバッグのセットと、アールグレイ・シトラスの茶葉100グラム入りの箱を買って帰りましたが、わたしたちは、これはやっぱり日本仕様にちがいないと確信していました。
実は、デリケート・ダージリンはともかく(多少渋みが気になったのと、我家にダージリン種のストックは充分にあるのでパス)パーフェクト・アフタヌーンにも食指は動きかけたのですけど、細工箱とメジャースプーンは一つで充分と言うことで、茶葉の購入はは一種類のみにおさえました。
素敵!とばかりに箱を開けたり占めたりしてうれしがっていられるのも数日...冷静になれば(ならなくても...)50グラム入りの四角い容器も、使い勝手がいいとはいえませんしね。
完璧なギフト仕様....ロンドン本店で需要があるとすれば、日本人の観光客だったりして...と、わたしたちは自重気味に結論つけました。
おそらく、アールグレイ・シトラスと他の4種のブレンンド茶葉はちゃんとあるんだろうけど、ただの缶入りかシンプルな箱入りか...この箱があるのは免税店....?などど、勝手な想像をしながら栞をひらいて、またもやびっくり!
SIGNATURE BLENDS (というシリーズでした。)のラインナップは、なんと、14種もあったのでした。
小さい栞には、アールグレ・イシトラスと同じ形の、色違いの細工箱が並んでました。
催事場でとり扱われていたのはその中のわずか3種、ティーバックにしても5種....栞に、ズラリと並んだ色違いの14の箱はさすがに美しく、インパクトもあって、思わず「欲しい」と思ってしまいました。
本店に行く機会があれば、迷わず大人買いしてしまいそう....メジャースプーンは何本もいらないし〜、細工箱はスペースの無駄使いだし〜と、いいながらも、グリーンとピンクと紫と..と箱を並べた時の色の見栄えで選択してしまいそうです。(本店に無けりゃ免税店に向いそう)まさに、カモネギ状態ですね。
願わくば、わたしが直に14種に出会える時まで、SIGNATURE BLENDSシリーズが存続していますように...。
14/10/23 
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茶葉の分量、どう計る?
過日,初めての訪問を受けたお客に春摘みダージリンをすすめたところ、若い頃に紅茶の勉強をしたことがあるということで、本来のテーマ(健康アドバス)からしばしば話が『紅茶』の話題に脱線しつつ数時間を過ごしました。
聞くところに寄れば、20年程前に某紅茶協会に属して,当時は紅茶関連の仕事を生業にするつもりだったとか...。退職(退会というんでしょうか?)の理由はさておき....当時、つまりは20年程前には、協会内では、ティーポットのための一杯は不要との話になっていたと聞かされ、ちょっと驚きました。
茶葉の分量の話...カップ一杯分(人数分)の茶葉をティースプーン一杯分を目安として、人数分+ポットのためのもうもう一杯、本場英国流の基本として、かつてはよく聞きました。

でも、紅茶といえばミクルティーの英国流をダージリンのブラックティーに適応してもね〜、そもそも水の軟度が真逆なんだし..と20数年前にマリアージュ・フレールとの出会いで、王道イギリス紅茶の縛りから放たれたわたしとしては、ティーポットのための一杯は、今どのくらいの比率で実行されているのかと,興味を抱く一方、そういえばティースポーン一杯という基準も、今はもう無理があることを、改めて実感しました。
ロンドンで購入して来た茶葉はどのメーカーも、オリジナルのブレンドもフレーバードティーも、ハイクオリティーのラインナップを含めて仕上がり(見た目)に大きな差は見られませんでしたから、紅茶文化が発展する中でティーププーン一杯の単位も便利に定着したのでしょうけど...実は、随分前から、マリアージュ・フレールでは、従来の100グラム用の袋に100グラムが収まらない大きさの茶葉が多くなってるんですよね。
右イメージは。3種ともにマリアージュ・フレールの茶葉ですが、下の真ん中(上部の右奥)の黒い固まりにした見えない茶葉が,トワイニング、フォートナムメイソン、ヒギンズ等の茶葉とほぼ同じ仕上がりで、トワイニングの『こだわりラインナップ』(上記レポートのゴージャスパッケージなど、二度とみかけませんが...。)の茶葉が若干大きく、右上上部中央の茶葉との中間くらい...。
ティースポーンですくった感じは、英国ブランドティーのほとんど(ウチにあるものね。)は左下状態で、右上状態になる程の大きさもありませんが....我家で愛用中のマリアージュ・フレールの茶葉はといえば、2017年の初物は、100gのオーダーを500gの袋にいれられるという...。
上イメージの左(上部の左奥)が,その100gが200gの袋に入らず、500g入り袋が使われた春摘み。
小皿の茶葉はほぼ10gです。10gなら家計用のスケールでも見当をつけられる量ですけど、3g〜3.5gの話になると、ティースプーンの単位を当てに出来ない体積の茶葉は、さあ、どうしましょう?
結論から言えば、わたしは、もうかなり前から、手づかみ、目分量が習慣づいてしまっています。大きい茶葉はスプーンですくうこと自体、ストレスなんですよね。(左上スプーンの真ん中は、手でつまんだも茶葉を慎重にスプーンに収めたもの)
ポットのためのスプーン一杯云々以前の、いいかげんさ....。計り比べをしたこの機会に、皿盛り10gの盛り加減くらいは記憶にとどめましょうか...。
17/04/05 
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『コンセプトはマリアージュ・フレール』かもしれない TWG
2022年夏前、シンガポールのティーブランド、TWG を知りました。
カード会社から毎月送られてくる情報誌に、アイスティーを紹介する広告として掲載されていたのがきっかけでした。アイスティーに関する話はエピソード日常編に頁をさくとして、TWGは、馴染みのないティーブランドながら、アイスティー専門(ではなかった)のような広告に興味をひかれて目を止めたところ、梅田の百貨店内に出店している様子なので、ついでの時に立ち寄りました。
目的は広告掲載のアイスティーでしたが、店舗に近づいて、その印象がマリアージュ・フレールに似すぎていることに驚きました。
シンガポールの有名ティーブランドというニュアンスの広告でしたが、いつから..?と見ればロゴの上には1837の数字。1837を茶葉名に持つブレンドが一番人気というスタッフの説明を聞きながら、わたしは、マリアージュにも創業年を冠した茶葉があったことを思い出していました。似ている...。問題は、1854のマリアージュにたいして、TWGは1837ということでして、どうにも、ふに落ちないわけです。
似ていると言えば、そりゃどこでも、計り売りの茶葉を納める缶や箱が並べられているレイアウトは似たり寄ったりなんでしょうけど、似ている超えそっくりさんなんですよね。
色合いは、マリアージューの黒に当たる部分が落ち着いた黄色
で、全くちがうし、ロゴも丸ではなくて四角、袋下部空欄に茶葉名を記入する方式は、似る、似ないの話ではないし、そっくりと感じる『根拠』がないだけに、ふに落ちない...。
箱入りセット販売のアイスティー(ティーバッグ)も、ここで初めてみるイラストでした。
が、店内の棚に、文字通りそっくりのティーポットを発見したわたしは、抑えきれずに、疑問を声に出してしまいました。
「マリアージュフレールと、何か関係があるんですか?」
と。
『実は姉妹店』ではありませんでした。
が、スタッフから、マリアージュ・フレールのようなティーブランドを念頭に創業されたという話をきいて、なるほどと思う前に一層の疑問が...TWGの方が、マリアージュよりも(創業年が)早い
のに...というのは、こちらの誤解で、TWGの1837は創業年とは無関係、デザインだというではありませんか。
最も、意味はある数字で、後にアクセスしてみた公式サイトによれば、商工会議所の設立年だということです。TWGの創業は2008年。
2008の数字じゃ、デザインに向かなかったということでしょうか。マリアージュ・フレールを意識していたなら、『18※※』の4桁へのこだわりがあったのかもしれませんが....でも、ティーポット、側面の刻印意外は(マリアージュのと)同じものに見えるんですが、ここまでにせる?と言うかわりに、似ていることには驚いたと言うと、デザイナーが同じだという話になって、また驚かされました。
あくまで店頭のスタッフによれば...ですが、マリアージュ経由でTWGのデザインを担当してもらったとなれば、そういうことならと、腑に落ちました。
デザイナーが個人をさすのか、会社をさすのかは確認していませんが、
白地にロゴワンポイントデザインのティーカップや、縦長の茶筒シェイプの茶葉缶など、マリアージュフ・レール風アイテムが多いです。
店の歴史はわずかに15年、なのに、マリアージュ・フレールの香をまとって、 TWGが作り出した老舗感...別レベルの酷似性も、納得です。
『コンセプトはマリアージュ・フレール』...一言謳って欲しかったです。
右上ポットのイメージは公式からお借りしたもの。
左は我が家がマリアージュ・フレールで購入したもの。カバーを閉めてとめると、右上のイメージと同じになります。
それぞれのロゴ刻印はカバーの側面。生まれは、おなじ場所でしょうね。
23/07/29 
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春摘みダージリンの茶葉の色合い
2024年5月連休明け、ワールドティーフェスティバルなる百貨店の催事場で、わたしは和紅茶のファーストフラッシュを購入しました。
ファーストフラッシュ、春摘みの紅茶ですね。
紅茶にも摘み取り時期による風味の違いがあるんだと知るきっかけは、マリアージュ・フレールの【ブルームフィールド】で、かれこれ30年前の話になります。
当時のスタッフから強く勧められて購入した品種の、若草色のグラデーションに仕上げられた茶葉の色合いに受けた衝撃は強烈でした。 これが...紅茶?という驚きは、こんな紅茶があったんだとの感激にかわって、我が家は今日まで、常時春摘みダージリンを愛用しています。
ただ、日本国内においては“新茶”の付加価値を持って取り扱われた春摘みダージリンが、毎年5月頃に各店が入荷をアピールする“風物”アイテムに定着したのは、それから5年あまり後のこと。ダージリンの春摘みを知らしめたマリアージュ・フレールのリストには多くの春摘みダージリンのが記載されてはいましたが、それは摘み取り時期別分類に留まっていたため、初【ブルームフィールド】以降、『今年の春摘みダージリン』は、選択肢の少ないレアアイテムでした。

日本国内でブームと言ってもいいと思える需要の高まりを経て、いつからかマリアージュ・フレールの店頭にも色ラベルに収穫年を明記した“新茶”の缶がいくつか並ぶようになりました。紆余曲折をへて、利用が可能になったパリ本国のオンラインショップでは、農園別の春積みダージリンの全てに、収穫年度が明記されていて、マリアージュ・フレール日本上陸の頃をふりかえると、こだわりポイントの変化に驚かされます。
数十年の付き合いになる春摘みダージリンは、農園の違いや、取り扱い店の違いにかかわらず共通していたのが、若草色を残した茶葉の色合いでした。
シルバーチップスの割合や捻りの加減などで、全体の色味は、緑茶とみまがう色合いから灰色を帯びたモスグリーンだったりと、程度のさはあるものの、ベースは緑色でした。それが春摘み故と思い込んでいたわたしは、摘みたての香の良さを勧められて買ってきた春摘み和紅茶の袋を開けて、中の葉っぱが、黒に近い焦茶色だったことに驚かされたのでした。
春摘みらしさが全く感じられない...和紅茶の春摘み。
何を“良い”とするかは個人の好みとさせてもらえば、スタッフおすすめの良い香にも、期待は裏切られました。
お茶の品種の違いか、産地の違いか...。
若葉色を全く残していない春積み紅茶を目の前にして、そういえば.. ダージリン以外の春摘みを購入したことがない(多分)ことに思い至りました。
30年間の飲み比べは、ダージリンの農園別茶葉に限られていた身としては、『春摘み茶葉=紅茶らしくない緑っぽい色』という法則は正しくはないことを、黒々とした和紅茶の春摘み(左イメージ)によって突きつけられた感じです。
まさか30年目にして、茶葉の色合いに疑問符を点滅させることになるとは、今更?の話ですが、少し検索したところ、茶葉の色合いは発酵の度合いに比例するらしいとわかりました。
乱暴な言い方をすれば、春摘みダージリンの茶葉は、発酵という点では未熟なんでしょうね。萎凋、揉捻、発酵という紅茶の製造過程は変わらずのようですが、春摘み時期の(ダージリン地方の)低温環境や、香の生成を目的とした長時間の萎凋で茶葉の水分量が減るなど結果、発酵が進みにくいそうで...。
春というには寒い季節に摘み取られた若葉は『紅茶』にはなりきってってなかったということかもしれませんね。
十分ではない発酵と引き換えに、繊細で美しい茶葉の色合いがのこされて、けぶり立つような香気を得たのなら、むしろ未熟でよかったねという思いです。
茶葉の仕上がりを見る限りは、和紅茶の春摘みは、発酵がキチンと進んで『紅茶』に仕上がっているということでしょうか。
春摘みらしさを、“味”で感じとるには、我が家の味覚は“未熟”故、今後は今まで以上に茶葉の色合いへのこだわりが強まりそうです。
(右上イメージは2024年ナムリングスターアッパーの茶葉。たくさんのシルバーチップスの中に鮮やかな若草色が見え隠れする、春摘み。)
24/05/14 
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