画面のレイアウトが乱れる方へ


 

 EXTRAの第2回テーマとして展開した「紅茶のおはなし」の特別付録です。印象に残っているお茶、常飲しているお茶について、少しページを割いてみようと思います。
 お茶に関するコメントは、あくまでも個人の感想ですから、我が家のお気に入りが、イコール、お薦めというわけではありません。
 ただ、マリアージュだけでもお茶の種類は数百種! 参考情報として御覧下さい。本編の「紅茶、雑談、雑知識」もヨロシク!
 紅茶関連の全リストは右の専用ボタンからどうぞ。
                     01/03/10 

我が家の紅茶事情                 

 名前にひかれたトワイニング、缶が欲しかったコペンハーゲン、当時は稀少価値が魅力だったフォションやエディアール、マンゴーの香りに酔わされたウィッタード、その時々にお気に入りのティーブランドはありましたが、一番のお気に入りはと聞かれたら、わたしは迷うことなくマリア−ジュフレールと答えます。
 マリア−ジュに出会う以前、紅茶は時々、気分を変える為に飲むものでした。噂に聞くアフタヌーンティーや綺麗なティーカップへの憧れも強くて(ティーバッグ擁護者の母に対抗して)飲むと言う行為にこだわっていたようにも思えます。
 マリアージュの存在がなければ、わたしたちにとっての日常の飲み物は、今でもコ−ヒーだったに違いありません。いつだったか、主人が街角アンケ−トにつかまって、「紅茶を良く飲むようになった切っ掛けは?」という問いに「おいしい紅茶に出会ったから。」と答えたことがありましたが、まさに、それが実感です。
 もちろん、まだ、出会っていないティ−ブランドの中にもっとおいしいお茶はあるかもしれませんんし、既に出会っていても、タイミングが合わなくておつき合いができなかった場合もあります。
 好みや条件は人それぞれですから、ここで紹介していくのは我が家の紅茶事情であって、お薦めとは言えません。
 マリアージュと、そして95年のオープンからのおつき合いになるレピシエのお茶が中心になりますが....。それぞれのティーリストの説明以上に、イメージを伝えられるかどうか、じっくりまいりましょう。
価格は基本的にコメントの掲載時点でもっとも新しいリストからの紹介です。マリアージュのパリ価格は、フランからユーロへの切り替えを機に、2002年のリスト記載の価格に改めました。今後も多少の変動はあるかもしれませんが、パリへお出かけ予定の方は参考になさってください。赤字はカタログ等からの引用です。
 産地、農園特定のお茶
   クラッシックブレンド
   ミックスフレーバードティー
   シングルフレーバードティー
   古典のフレーバードティー 
   
その他
  
                            03/02/03(一部改稿)  


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 ナムリング ゴールド アッパー
        (マリアージュ・フレール T1005222 NAMRING-GOLD UPPER FTGFOP1 EX-2/2022 )

 2022年5月上旬に取り寄せた、春摘みダージリン。パリからの茶葉取り寄せが可能になってからちょうど5年目。時期的にはいつもと変わらない頃ですが、2022年はこれまでのように迷うほどに新茶が出揃っていません。同時期に入荷していた新茶はナムリングキングアッパーとナムリングクイーンアッパーの3種のみ。オーダー後、到着までの間にピュッタボンが追加されましたが、なんとはなく不作の予感もつきまとう新茶シースンのスタートでした。

 記憶にある限りゴールドアッパーは初品種です。いつかのプーモングアッパーのように、これきりになる恐れもありますが、マリアージュではずいぶん前からナムリング系が安定定番のようになっていて、軽いタッチと花の香気は共通しているので、とりあえず(選ぶほど種類がない)入荷しているものを購入しました。

 茶葉は大きかったです。撚りはあまくはないのに膨らみがあり、銀針には産毛がいっぱい。見るからに美味しそうな春摘みでした。香気は春の風に乗って運ばれ混ざり合う草花のような...深呼吸して取り込みたくなるいい香りですが、包まれてると眠くなりそうな、優しい主張です。
 風味も限りなく優しく...最初はあまりに淡い水色に、白茶じゃないよね?と確認したほど...。茶葉が大きいので、十分に見えても意外と分量不足になりがちで、少々気合いを入れて多めに茶葉投入が良さそうです。
ほとんど渋みを感じないまろやかな風味は、インパクトにはかけますが、とろみを連想させる後味が控えめながらも長く続いて、飽きず、楽しめます。 
  バランスのいい春摘みの優等生茶葉と言うところでしょうか。
 

 日本国内の取扱に関しては未確認。

 パリ価格69€/100g
                              22/05/07 

 

 

 ダージリン マジック(マリアージュ・フレール T10387 DARJEELING MAGIQUE)

 2018年のオートクチュールシリーズのラインナップのひとつ。

 数年前に、オートクチュールシリーズの入荷を期待しないままに立ち寄った国内のショップで、50グラムほどのストックがあったものを購入したのがマジックだったような記憶もあり、もしかしたら我が家には再会の品種かもしれません。もう少し言えば、『あの時の品種』かもしれないと期待して、購入したものです。
 公式HPでのオートクチュール紹介イメージで判断すると、優先順位は中程...春摘み好みの我が家としては、より青みの強い他の品種にながれそうなところでしたが、『あの時の品種』だとしたら、 ちょっとクセのある香気がなつかしい...ということで、買い物かごに入れました。。

 届いた茶葉が右イメージ。
 撚りが甘めの葉に混じって大量にある銀針のけば立つ産毛が、全体をスモーキーグリーンに色付けているような
仕上がりで、やはり、青みは他の品種に譲った感じでしたが、霧の大地か朝露の森か....湿り気を帯びて目覚めたような新芽がまとうのは、干し草になる途中の草の香り...かなあ...。 
 
フレッシュなようでいて薫製臭をも含んだ、個性的な香気です。公式にはマロングラッセとピンクジャスミンの香りとのことですが...。
 水色は、淡い黄金色。 一見まろやかな口当たりのあとに、かすかに残る燻された植物を感じさせられる『焦げ感』が刺激的です。 
 比較すると全体的に優しくなっている気もしますが、記憶のなかで個性が熟成しているかもしれないことを考えれば、これは多分『あの時の品種』。初物の強烈さは、....多少の丸みをおびての再会でした。

  
 パリ価格66€/100g                          18/05/29 
 


 ダージリン ブロッサム(マリアージュ・フレール T1048 DARJEELING BLOSSAM)

 2017年、オートクチュールシリーズのラインナップのひとつ。

深緑色の茶葉に銀針のネズミ色と撚りの甘い葉のくすんだ若葉色が混じり合うグラデーションが、春摘みを思わせる品種です。(摘み取り気は未確認)茶葉は、昨今のマリアージュの取り扱い品種の中ではスリムで小ぶりな仕上がりで、100用の缶には,もはやあたりまえのごとく入りきりませんが、150g用缶煮なら、なんとか収まるかも...という体積です。
 blossomの名前にひかれて、購入を決めた茶葉の香気はもちろん花....よりも梢を揺らす薫風を連想させられる爽やか系...。

 森や、木々繋がりでいえば、我家の初春摘み、ブルームフィールドを連想しますが、風が運ぶ森の薫りは、芽吹きの迫力よりはひかえめながら、優美な広がりを感じさせられます。
 わずかな渋みがバランスを崩す風味は、未熟の魅力...でしょうか。

 
 ブルームフィールドの上位に在る感じの、春摘み好きには理想的な品種に思えます。

 パリ価格66€/100g                          17/06/03 


 ダージリン グローリー(マリアージュ・フレール T1046 DARJEELING GLORY)

 2017年のオートクチュールシリーズのラインナップのひとつ、ネーミングは栄光...かな?オートクチュールシリーズは、壮大な名を持つ品種が多いです。
 公式では少し黄色みを帯びた淡い色合いに見えた茶葉は、思いのほか『紅茶色』をしていて、銀針は茶葉全体に灰色のフィルターをのせる感じで、春摘みを見慣れてしまうと、幾分暗い印象がありました。撚りの甘い緑の葉も、くすみを帯びた色合いで、実際のところは分かりませんが、秋の茶葉を連想させられます。
 水色は、薄くはなく、淡い紅茶色...香気も淡く、ブーケと微量のスパイスが混ざり合ったような...『いろんな感じ』でしょうか。花の薫りor果実の薫りには振り分けにくい気がします。
 どちらかといえば、淡白に感じる風味には、デリエートな渋みが見え隠れして、余韻はスッキリ、飲み易さが特徴に思え増す。
 アイスティーにもむいているかもしれませんね。
 
 パリ価格64€/100g      
                    17/06/03 



 

 ダージリン エクセルシオール(マリアージュ・フレール T10388 DARJEELING EXCELSIOR )

 2017年のオートクチュールシリーズのラインナップのひとつ、エクセルシオールは、産毛で膨らんだような銀針が若葉色に彩りを添える美しい茶葉でしたNOUVEAUのマーク付きで発表されているシリースの中でも、茶葉の青さがきわだっている品種で、春摘み好きなら飛びつきたくなる見栄えです。

 
完全受注生産のオートクチュールシリーズは、継続性は薄い限定版、多分これきり...というのが,2015年発売時の国内スタッフの予想でしたが、予想に反して、シリースは定番化の傾向が見られます。国内HPではシリースの更新はありませんけど、パリ本国の公式サイトでは、2017年のNOUVEAUとして19種類が紹介されています。
 実は、15年にも17年にも紹介が無い品種が、国内店舗に突然入荷していたこともあって、個々の品種自体は、一期一会になる可能性が高いものの、唯一無二の品種との出会いが楽しみなシリースなんですよね。ただ、残念ながら入手困難、日本の店舗への入荷は...銀座本店はともかく、他店舗でオートクチュールシリーズが充実してあることは期待できないし...と言うことで、16年は公式HPで品種チェックをしなかったので....いつから....とは分かりませんが、現在はパリのマリアージュで、日本からのオーダー受付が解禁されているのです!ようやく、世界中の他の国と、日本も同じ扱いになったというわけで、半信半疑ながらもアカウントを取得し、取り寄せた茶葉のひとつが、この、エクセルシオールです。
 公式HPの紹介イメージほど、白みは強くない茶葉が左上イメージ。期待通りに、春摘みそのものの仕上がりに見える茶葉の香気は、若葉とスモーキーな花の薫りを漂わせる風の印象。爽やかさの中にツンとした刺激を持つような香りです。

 風味は、まったり感もあるまろやかな.....優等生的なおいしさのまとまりを、フルーツの酸味を思わせる余韻が乱す感じが個性的..といいましょうか。軽い口当りの柔らかな風味に、後味が適度な刺激をもたらしてくれます。
 
 パリ価格 88€/100g (日本国内価格は未確認)
 

                               17/05/25 

 

 ダージリン ビューティーマリアージュ・フレール T1036 DARJEELING BEAUTY )

 2015年夏に発表されたオートクチュールシリーズ、十数種類の内のひとつ。
 ヴィクトワール、フェシリティとともに、日本限定アイテムとして紹介されていますが、ビューティはパリ店でも取り扱われており、また公式サイト(フランス版)でも,オンラインショッピングが可能になっています。もっとも、日本への発送は不可という状況は相変わらずです。

 海外からの取り寄せも今や国内の通販と手間は同じ...となると、国内(主に関東地区に)数店舗の直営店があることで、本国へのオーダーが受け付けられない状況は、少ないメリット、大きなリスクに思えてなりませんが、特に、ビューティはに本価格が高すぎて、2015年10月にパリで買ってこなかった後悔を、わたしは長く引きずりました。

 オートクチュールは、摘み取り時期別のカテゴリーの設定はないものの、秋に新着として店頭に並べられたシリーズです。
 春摘みテイストのグレイスや白茶のスノーはわたしは強い興味を抱きましたが、ストックがある春摘みや入荷の期待が薄いヒマラヤシリースに比べて、青みが不足していたビューティは(現地で)優先順位をさげたのでしょうね。帰国後に、価格を見て驚き、ど〜せ完売しているだろうといいつつ立ち寄った銀座店で、まだあったために勢いづいて買ってしまった...高額茶葉です。

 茶葉は大きめで、最近では珍しくなくなりましたが、100グラムがマリアージュフレールの100グラム用の袋や缶には収まりません。さすがに綺麗な茶葉ですが色目は茶系...。たっぷりの銀針が全体色をやわらげて,これはこれで特色のある仕上りですが、春摘み好みとしてはすぐに食指が動く見栄えではありません。(公式サイトで紹介されているイメージよりは実物の茶色味は増しています。)
 おとなしめの香気にマイルドな風味...いえ、とてもバランスの取れた逸品というべきでしょうか。
 正直、価格が取り付いてしまって...素晴らしくおいしいのが大前提での第一印象は、期待を裏切る(越える)インパクトには乏しく、この値段で再購入するかと言われれば、悩むと言うところで落ち着きました。
 
 が....結局、京都店で50グラム少々のストックを見つけた時には、迷わず購入してしまいました。
 バランスのいいお茶というのは...あきないんですね。で、そのうちにクセになる感じ...。クセになっても簡単には補充がかなわないんですけど、その希少性がエッセンス効果を担っているのかもかもしれません。
 公式サイトでは、モクレンやハスの香りをベースにブラックベリー、ブルーベリーのフルーツ香を併せ持つという類の説明がありますが、なるほど!と嗅ぎ分けることが出来た、とは言えません。
 茶葉の仕上がりから想像したよりも、口当りは軽く、水色は淡く、渋みは隠し味程エレガントな風味。
 そして、香りは、乱暴に言えば、フルーティーではなくフラワリー! ベリーの香りにはたどり着けませんでした。
 角が取れて、大人びた春摘みダージリンと言うのが、判り易い気がします。

 大人価格で100グラム20000円。 パリ価格は88€。

                                    16/09/16 

 

 ホワイトヒマラヤマリアージュ・フレール T437 WHITE HIMALAYA)

 マリアージュフレール、ヒマラヤのお茶シリーズの白茶。シルバーチップスのみで仕上げられた茶葉は見事の一言!

 しっかりとスリムに撚られた大きめの茶葉は艶をおびたスモーキーグリーンで、チップスの産毛が粉状に舞うような迫力はないものの、透明感のある香しさを纏っています。
 秤売で購入した100グラムは、本来は300グラムか500グラム用の2重になった大きな袋に軽く詰めて提供されました。

 水色は淡い金色。
 意外にちゃんと、薄めの春摘みくらいには色づきます。全体的にはまろやかな味わいが、香りの効果を得て、スッキリしたクリアな印象を加味している気がします。
 ホットで和むか、水だし冷茶で酔うか....といえば、冷茶の方が『らしさ』は活きるかもしれません。茶葉のインパクトが強烈なので、期待値を越える味わいを実感するのは、容易ではないと言うのが正直なところで、何気においしいお茶が、ジワリジワリとパーヘクト茶に昇華する感じが楽しめます。

 100グラム100€。
 最新の日本国内価格リストでは、価格表示が空欄になっているので、量り売りの入荷は期待薄ですが、20グラム入りパックで入手の機会があると思います。

                                   16/01/08 




 ピュグリ アハーナ(ルピシア 1111 PHUGURI AHAANA 2015-DJ5)

 2015年のルピシアのグランマルシェで取り扱われていた、多くはない春摘みダージリンのひとつ、区分チャート(手書きだった)の位置づけでは確か右上,花のような香りの軽やかな味わいと言うことで、とりあえず購入してきたのが、ピュグリ アハーナ。我家では、...初めてではないものの、常備の習慣もない『その他』の枠にあった品種でした。...25グラム入りの袋の中から出てきた茶葉は、沢山の銀針でホワイトグレーのフィルターをかけられたたかのような、淡いグリーン色。春摘み茶葉になじんでいてさえ、ときめく美しさでした。こういう茶葉こそ、店頭で量り売り用お茶缶に入った状態で出会いたかった!蓋をあけて、少し揺すられるように見せられたら、感激して大量買い必至だったと考えると、袋詰めでの販売は、味気ない反面、我家の家計には結果オーライだったのかもしれません。

 花の香りが強いとの説明の通り、しっかりとした香気は淡い味わいにインパクトを添えて、印象的な味わいを作り出している気がします。
 甘い花の香り...ではない、ですね。ツンッと鼻孔をくすぐりスーっと立ち上っていくかのような清清すさを持った香りです。
 
 25g袋入り 2250円。

 ちなみに、手元に残っているデータでは2009年にピュグリを購入していました。小さい花の薫りにしっとりとした甘み...と言うことで、今回のピュグルアハーナは別物ですね。

                                   15/07/07 



 ナムリング キング アッパー
        (マリアージュ・フレール T1004 NAMRING KING UPPER -FTGFOP1 )

 2015年最初の春摘みはナムリング農園発、ナムリング キング アッパーでした。3月中旬に到着した、早摘みの若々しい茶葉は、日本国内には初入荷の、いわば新銘柄です。 
 ふっくらとした銀針と鮮やかにも見える緑色の葉は、春摘みの王道とも言うべき完璧な美しさで、迷わずオーダーしてしまったわたしは、帰宅後に(レシートで)価格を知りましたが、...グラム8000円(税抜き)は、意外に、と言いましょうか、予想よりは安価な気がします。

 一昨年のプーモング アッパーのような強烈な迫力には欠けるものの、チップスの産毛が煙り立つような香気は健在で、春摘みらしい瑞々しさはエレガントながらも、強い『青み』に溢れています。

 水色は、クリアで淡い金色。舌にとろみが残るかのようなまろやかな口当りは、やさしい甘みをかもしだす感じで、正直なところ、最初の一口は、おとなしすぎる印象もありましたが、飽きのこない飲み易さにまとまっている気がします。
 ナムリング茶園のプーモングとジンランエリアに限定された収穫ということで、プーモング アッパーに似た特色の有しているのかもしれません。印象的な香気とまろやかな味わいの組み合わせですね。仏本国のサイトでは、同時にナムリングの新茶も紹介されていますが..かつてはダージリン一括りにされていた茶葉が....農園別の特色が重視されるようになってはや**年.....、農園内収穫エリア別に『銘柄』が生み出される時代がきたのかもしれませんね。(種類がどんどん増えて行きますね。)
 できることなら、ナムリング農園、収穫エリア別の4種を一度に飲み比べてみたいものですが...叶わないからこそ高まる希少価値!春摘み好きは店に急ぎましょう。2016年も届くかどうかは分からない茶葉です。

 パリ価格は45€
 
                                15/03/19 
   
                             


 チョントン - プレミアム ティー エステート- スプリング フラッシュ
        (マリアージュ・フレール T1028 CHONGTONG PREMIUM TEA ESTATE -FTGFOP1 )

 2014年4月、マリアージュ・フレールからノースタクヴァー入荷のお知らせが届きました。

 この数年間の定番とも言うべきアンブーシアでも,ハッピーバレーでも、ナムリングでもなく、ノースタクヴァー...。記憶が正しければ、マリアージュでノースタクヴァーを購入するのは2002年以来というわけで、今季はまた珍しい茶葉が...と驚かされた春摘み情報でした。そして、続報がイメージのチョントンの入荷でした。神戸店で初銘柄ということでしたが、パリ本店のリストでも見かけた記憶はありませんし、おそらく、マリアージュ・フレールにとってもニューフェイスなのじゃないかと思います。
 オーガニックの茶葉は美しい緑色を残していて、緑茶に近い仕上がりでした。公式HPでは“均整が取れ、わずかに発酵した茶葉”との説明がありました。???.....発酵の度合いによる分類に当てはめれば、紅茶と言っていいのかどうかという(茶殻はほぼ緑茶です。)疑問が今頃になって浮上しかかりましたが、気にするのはやめましょうか。
 茶摘みの時期とともに、浅めの発酵もまた、ファーストフラッシュに共通項なんでしょうね。だって、いわゆる紅茶色じゃないですもんね。(今更ですが...。)
 
 茶葉の見栄え程には、香気は強くはありません。ナデシコやユーカリを思わせる香り(らしい)と言うことで、う〜ん、あんまり馴染みが無いせいか、“いい香り”止まりの香気でした。で、口あたりのいいトロンとした印象の風味は、フローラルじゃなくてフルーティー系のようで、余韻のあるまろやかさは、完成度は高く大変においしい...けれども、我家の好みから言えば、ちょっとパワー不足かも....。
 少し香ばしさ(主人は焦げた感じと評しました)を感じさせられるあと口が、いい意味で、わずかにバランスを崩していて、若干の物足りなさ(我家にとって。一般的には飲み易く、まろやか)をおぎなって、個性を加味している気がします。和三盆の干菓子や松露などをあてに、たっぷりと味わいたいお茶です。

 パリ価格はナムリング プーモング アッパーNAMRING POOMONG UPPER)を越える40€の最高値....グラム7580円は『ありがたい設定』と思いましょうか。

                                     14/04/17 

 
 

 ナムリング ダージリン ウーロン インペリアル
         (マリアージュ・フレール 
T
1145 NAMRING DARJEELING OOLONG IMPERIAL)

 2013年11月、パリで在庫のあった春摘みダージリンを買い込んで来てからまもなく、マリアージュ・フレール神戸店のスタッフから、常備品種ではない茶葉入荷の連絡がありました。

 そのうちの一種が、ダージリン茶で作られた台湾風烏龍茶、ナムリング ダージリン ウーロン インペリアルでした。タッチは軽く、個性は強い春摘み系の消費が多い我家の事情を博したスタッフからのお薦めと言うことで、購入した茶葉が左のイメージです。
銀針が目立つ大きめの茶葉は心持ちつややかで、白茶をブレンドした凍頂烏龍茶の様相でした。
 蘭やマスカットを思わせる香り...と言うことですが、ナムリング プーモング アッパーの香気を控えめにしたようなクセもあって、おなじみの烏龍茶とは別物の個性を主張していました。まろやか系の風味はバランスよく、あと口は爽やかです。香りでリフレッシュして、味わいでリラックスすると言いましょうか...しっかり風味の白茶のような印象も受けました。暑い時期にアイスティーで飲んでみたい!とはいえ、それまで持ちそうも無いので、すぐに追加で100グラム取り寄せました。店のストックは300グラムという話でしたが、パリ帰りの我家には茶葉は多し、資金は少なしの事情があって、残り300グラム全部とは言えませんでしたが、別に時期だったら、おそらくもらっていただろうなと思うおいしさでした。
 
ナムリング茶園で作られたマリアージュフレールのみのオリジナルティーという希少性にとどまらず、飽きない風味にインパクトを添える香りが魅力的な茶葉だと思います。ティーリストには記載の茶葉ですが、安定した入荷は期待できない感じが残念です。一期一会に終わらないことを願いましょう。

 100グラム7560円

                                14/02/12 

 ナムリング プーモング アッパー マリアージュ・フレール T1025 NAMRING POOMONG UPPER)

 2013年春、大変美しい茶葉との出会いが叶いました。

 情報源は当掲示版へのdoggyさんからの投稿でして、ナムリング プーモング アッパーという、初めて聞く名前の茶葉は、マリアージュ・フレール・ジャポンでは東京エリアにしか入荷しなかった限定茶葉でした。大阪在住の我家とは限りなく縁の薄い茶葉なわけで、縁なく終わるところを、TDRで合う予定があったTomokoさんにお使いを頼みました。
 東京駅から舞浜に向う電車の中で、茶葉を受け取り、折り畳まれた袋の口を開けてみた茶葉の香りが、何とも印象的でした。一言で言えば良い香りなんですけどね....。
 しつこく言葉を並べると、
早春の、夜明け前、立ちこめた霧の中で、霜柱を割ってうごめく若い草花が醸し出すような、青く、力強く、けぶるような印象の薫りです。ポンポンと袋をゆらすと煙がたつ感じ。大きめの茶葉、太いチップスの産毛は銀ネズミ色。青茶に通じるスモーキーさも見え隠れして、個性豊かな茶葉が放つ香気は、複雑でパワフルでした。
 でも、味はトロリとまろやかなんですよね。
甘みのある上品なトロリで、まとまっています
 春摘みダージリンのまとまりのなさ、一つ、二つとトゲが飛び出たようなアンバランスさが好みの我家にとっては、面白みにかけると感じるバランスの良さですが....強烈な薫りが風味のバランスを崩しているからでしょうか、とても面白く、おいしく思えました。

 100グラム9000円、安くはない価格にもかかわらず、都内の在庫は底を尽きかけ、入手困難なレアアイテムなのが残念ですが、1月に摘み取られたというフレッシュな茶葉,ナムリング プーモング アッパーは、パリ本国のマリアージュフレールではその他の多くの2013年新茶と一緒に紹介されています。渡仏の予定がある方は、機会を逃すなかれの気合いで、とりあえずの購入をお勧めしたい逸品です。100グラム37€。まるで、激安セールに思えてきますね。

                                13/05/29   



 ブルーヒマラヤ マリアージュ・フレール  T434  BLUE HIMARAYA)

 2010年にパリ本店で購入した、ネパール、ヒマラヤシリーズの一つ。夏積みの青茶ですが、農園別、季節別に紅茶にも様々な形状が見られる昨今、ブルーヒマラヤも、ちょっと見は紅茶と言われても違和感は無いかもしれません。でも、大きめのヨリの甘い葉っぱの中には先を丸めて固まったものもすくなくなく、全体的にガシっとした仕上がりや、灰色のフィルターがかかったようなマットな色合いは、半発酵茶の特色でしょうか。もちろん、沢山のゴールドチップスが異なる色を目立たせて、マリアージュ・フレールのオリジナリティーを印象づけ、希少価値を高めています。煙をたたせるような産毛が見当たらないのは、紅茶とは違う加工の結果かと理解しつつ、繊細さには物足りない印象も否めません。
 
 でも、味は繊細です。
 水色も風味も、夏摘みらしくしっかりと、安定したところに、フルーティーな香りがお茶の甘みを増長して、もとより渋みと無縁のお茶を一層まろやかに仕上げる感じです。リフレッシュではなくリラックスタイムに愛飲したいお茶ですが.....最新の日本語リストでは価格が未記入なので、常備するにはハードルが高そうです。

 2010年のパリ価格は50グラム17ユーロ。
 
 
 

 ブルームフィールド・2009マリアージュ・フレール T1000 BLOOMFIELD, SFTGFOP1)

 リストには定番商品としてあるものの、ひょっとしたら10年近く(日本には)未入荷状態が続いているブルームフィールドの入手が、ようやくパリで叶いました。

 4月上旬では、まだ2010年の新茶は揃っておらず、昨年の春摘みですが、本店の棚に並んだ沢山のお茶缶のなかで、DARJEELING NOUVEAU 2009のラベルが貼られていた数種類の内の一つです。前回店を訪れた時には、この種のラベルを見ることはありませんでしたから、数年の間にマリアージュでも『新茶』のカテゴリーが定着したと推すべきでしょうか....。
 わたしにとって思い入れのある(なんと言っても初めての春摘み紅茶!)ブルームフィールドを、スタッフはまだ“充分にフレッシュ”だという説明しながら見せてくれました。

 懐かしい香気...といいたいところですが、1年中春摘みを愛飲している今となっては、馴染んだ香り...でした。 でも、銀ネズミ色のチップスよりも目につく鮮やかなグリーンが、茶葉全体を若々しく仕上げて、かつて魅了されたハリのある風味への期待が高まりました。繊細さよりも、やっぱり力強さが印象的な春摘み....新茶でなくても常備していたい品種ですが、日本未入荷が続いているのが残念なりません。
 
 価格はまとめ買いのため未確認ですが、2010年の新茶は100グラム30ユーロ。

                                      10/05/01  
 

 キャラメルマキアートルピシア 5545 CARAMEL MACCHIATO )

 ..........紅茶です。
 昨年のグランマルシェで、季節柄ミルクティーコーナー用に何か、我家に常備していないフレーバーをと思って試飲しました。

 残念ながら試飲のミルクティーは、冷め易いし(冷めてた)、やはりミルクが.....ということで、すぐに食指が動くものはありませんでしたが、当日(それからしばらくの間、ショップや通販ででも)完売だったクッキー(5537 COOKIE)とともに、キャラメルマキアートも変わり種の印象とともに記憶に留めた品番のひとつでした。
 
 茶葉はCTCのお団子茶葉をベースにとしっかりと黒いリーフもミックスされています。
 だた豆の状態での珈琲そのものよりもこちらの茶葉のほうがコーヒーの匂いがします。強い香りは別付けで、ブラウンシュガーとともにゴロゴロと配合された豆は、風味よりも視覚的な効果かなと感じました。水色はCTCらしく濃いめで、理想的なキャラメル色のミルクティーが....といいたいところですが、香りの影響は大きいですね。カフェオレに見えて....で、風味もやっぱりライトなカフェオレ......?? 
  「紅茶をどうぞ。」と誰かに勧めたら「...??うそだあ〜。」という反応は確実!
珈琲のような紅茶は、意外性を楽しみましょうか。
 ただ、困ったことに、残り香も強烈です。フィルターはもちろん、ポットも、しばらく使えません。愛飲するなら、専用のポットをひとつ決めるのが理想ですが、たまに飲むなら....ティーポットの代わりに珈琲ポットの利用が無難かもしれません。

 50グラム袋入り650円
 
                               09/11/10  

 

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