画面のレイアウトが乱れる方へ


 

 EXTRAの第2回テーマとして展開した「紅茶のおはなし」の特別付録です。印象に残っているお茶、常飲しているお茶について、少しページを割いてみようと思います。
 お茶に関するコメントは、あくまでも個人の感想ですから、我が家のお気に入りが、イコール、お薦めというわけではありません。
 ただ、マリアージュだけでもお茶の種類は数百種! 参考情報として御覧下さい。本編の「紅茶、雑談、雑知識」もヨロシク!
 紅茶関連の全リストは右の専用ボタンからどうぞ。
                     01/03/10 

我が家の紅茶事情                 

 名前にひかれたトワイニング、缶が欲しかったコペンハーゲン、当時は稀少価値が魅力だったフォションやエディアール、マンゴーの香りに酔わされたウィッタード、その時々にお気に入りのティーブランドはありましたが、一番のお気に入りはと聞かれたら、わたしは迷うことなくマリア−ジュフレールと答えます。
 マリア−ジュに出会う以前、紅茶は時々、気分を変える為に飲むものでした。噂に聞くアフタヌーンティーや綺麗なティーカップへの憧れも強くて(ティーバッグ擁護者の母に対抗して)飲むと言う行為にこだわっていたようにも思えます。
 マリアージュの存在がなければ、わたしたちにとっての日常の飲み物は、今でもコ−ヒーだったに違いありません。いつだったか、主人が街角アンケ−トにつかまって、「紅茶を良く飲むようになった切っ掛けは?」という問いに「おいしい紅茶に出会ったから。」と答えたことがありましたが、まさに、それが実感です。
 もちろん、まだ、出会っていないティ−ブランドの中にもっとおいしいお茶はあるかもしれませんんし、既に出会っていても、タイミングが合わなくておつき合いができなかった場合もあります。
 好みや条件は人それぞれですから、ここで紹介していくのは我が家の紅茶事情であって、お薦めとは言えません。
 マリアージュと、そして95年のオープンからのおつき合いになるレピシエのお茶が中心になりますが....。それぞれのティーリストの説明以上に、イメージを伝えられるかどうか、じっくりまいりましょう。
価格は基本的にコメントの掲載時点でもっとも新しいリストからの紹介です。マリアージュのパリ価格は、フランからユーロへの切り替えを機に、2002年のリスト記載の価格に改めました。今後も多少の変動はあるかもしれませんが、パリへお出かけ予定の方は参考になさってください。赤字はカタログ等からの引用です。
   産地、農園特定のお茶
   クラッシックブレンド
   ミックスフレーバードティー
   シングルフレーバードティー

   古典のフレーバードティー 
   
その他
  
                                 03/02/03(一部改稿)  


前のページへ                                     次のページへ

 フォーリンラブ
マリアージュ・フレール  T930 FALL in LOVE)

 お待ちください。





 スウィートハートティー:ハートの工芸白茶マリアージュ・フレール TJ8332)

 マリアージュフレ−ル初(おそらく)の工芸茶は、ハートの型値がキュートな、その名もスウィートハートティー。
 前から欲しいと思いつつ、密封性が気になって保留にしていたお茶缶入りということで、衝動買いしてきました。70グラムいり、6300円。
 数年前に6色缶展開された白茶コレクションとくらべるとのと比べると、お安い..かもしれませんね。容器も店頭販売されているので希少性はありませんけど、美しいフォルムと広い口径の使い易さが、いい買い物をしたと思わせてくれます。内蓋が以外にしっかりと密着して、密閉性にも格別の問題はありませんでした。
 茶葉の産地は中国、加工はマリアージュ・フレール・ジャポンとなっていますが、公式サイト仏版でもピックアプされているので、日本限定ということでもなさそうです。(仏版にあって、日本版にないものは多い...。)
 
 この細工茶を楽しむ為には、ガラスポットの出番となるのですが、お湯の目安が500ml....たっぷりです!予定していたポットではちょっと『手狭』な感じがしたので、しまい込んでいたコーヒーメーカーのガラスポットを引っ張りだしました。右イメージは上部から撮影したもので、まん中に菊、ジャスミンのリングの先端に薔薇の蕾が現れました。商品ラベルには“わかしたてのお湯”を注ぐようにとの記載があって、それ故でしょうか、白茶にしてはわりとしっかりとした水色になりました。
 花の香りはほのか...いわゆるジャスミン茶ほどの主張もありませんが、お茶自体はツンと鼻に抜けるようなパンチを隠し持っている気がします。
 誘惑にかられて、水だしを試したところ、柔らかな甘みに特出したキレ味が加わって、贅沢な風味が楽しめました。
 工芸茶のシリーズ化は(いまのところ)無いという話で、これきりの可能性が大きいのが残念です。
 茶葉だけならもう少し欲しいところですが、気に入ったとはいえ容器はひとつで充分。なまじ立派な容器だけに...複数買いにはブレーキがかかってしまいました。多色展開されている容器なので、(容器の)色を選べれば、ブレーキではなくアクセルを踏んだのでしょうけどね。
 ちなみに仏版では白色容器入りの白茶も販売。日本への発送は出来ないという但し書きが恨めしい。

 70グラム容器入り6300円

                                       09/08/19  

 



 ジュエリーボックスルピシア 5544 Jewelry Box )

 
ローズの花びら、白とピンクのアザラシがキュートなジュエリーボックスは、イクスピアリ店限定販売のフレーバードティーです。香り付けはホワイトチョコレートとラズベリーとのことで、 ホワイトクリスマス(5524)ほど刺激のない、軽い甘さが、なかなかいい感じのお茶です。
 いかにも紅茶らしい濃茶のリーフは幾分大きめ、水色はミルクティーにも向いているというには、ちょっと物足りない濃さでしょうか。ホワイトチョコレートつながりではミルクにも合うんでしょうけど、わたしの好みで言えば、ミルクを迎えるにはやっぱりパンチ不足。ノンホモミルクで試しはしましたが、言葉を選べばクリアさを残した....判り易い表現ではボヤけた印象の残念な仕上がりになりました。
  薔薇の花びらやアザラシはさほど風味に影響はないのか、見た感じよりは風味はシンプルなので、まずはブラックで、ホワイトチョコレートの控えめな甘さを感じるのがいい気がします。
  渋みも無く飲み易いお茶で、強烈な印象はありません。が、やはりバニラともチョコレートとも異なる香りは、ありそうでなさそうな、馴染んでいる気がするけど具体的には思い起こせないような『個性』があって、常用していて飽きないお茶のように思えます。
 イクスピアリ店スタッフの話では、販売は店頭でのみ、発送の依頼は受けていないとのことですが、ルピシアのお茶イベントも定着しつつある今日、入手の機会が増える事を期待しましょうか。

 50グラム袋入り700円

                                       09/04/12  

 



 伊達いちごルピシア 5235 Date Ichigo)

 
仙台地区限定販売のフレーバードティー。大半がミックスフレーバードティーの限定茶の中では珍しいシングルフレーバーです。
 ルピシアでは定番商品でいちご(5227 STRAWBERRY)がありますし、他のメーカーでもフルーツのシングルフレーバードティーは基本のラインナップのひとつです。フォションのアップルティーに衝撃だったン十年前ならともかく、今はさして珍しいとも思えない苺単体での限定茶....。香りがイメージできてしまうだけに、面白みがなくて優先順位は低いはずと思いきや、イメージし易い安心感からか、一番最初に購入を決めた限定茶が伊達いちごでした。(ルピシア主催 グランマルシェにて)
 もちろん、定番いちごとの違いが無ければ 限定茶の意味がないわけで、仙台いちご使用の仕上がりへの興味と期待はありました。
 CTC製法の茶葉にたくさんの苺のドライリーフと、アクセント的バランスでのピンク色の乾燥いちご...キュートなピンク色は、多くなくてもインパクトがあります。
 香りは、期待を上回る『いちご』でした。
 冷やした苺をかじってみたら、意外にもたっぷりの果汁に口腔を潤された感じの香りです。
 果汁というのがポイントでして、ダイレクトに味覚を刺激されて、イメージはフレッシュなおいしい苺そのものに繋がります。苺好きにはたまりませんが、一方CTC製法の茶葉はほとんど主張無く、紅茶としても風味も...どうなんだろう??と思える仕上がりは、好みが分かれるかもしれません。
  ただ、抽出すると、濃い水色から立ついちごの香気は控えめに、ほんのりとした甘みを連想させるものに変化します。香りが勝ち過ぎているということはありません。
 まろやかで飲み易いお茶はブラックでもいいのでしょうけど、わたしはすぐにミルクティーへの誘惑に駆られました。せっかくの CTCですしね。シロニバリ(本編 ミルクティーへのこだわり参照)のようなキャラメル色ミルクティーではなく、コクのある甘さともちがいましたが、小春日和の屋外が似合いそうな、可憐なミルクティーが楽しめます。
 
 ルピシエダイヤルでの通信販売対象外商品なので、購入は店舗から直接となります。
 50グラム袋入り650円
 
                                      08/11/19  

 





 トライアングルルピシア 5514 TRAIANGLE)

 久々のフレーバードティーはルピシアオリジナルののトライアングル。矢車草の青、マリーゴールドの黄色、ローズヒップの赤が綺麗な、オリジナルミックスフレーバーです。フルーツの甘みとやわらかな花の香りがしっかりとした味わいの紅茶とマッチしたアイスティー向きのお茶ということですが、ホットで飲むと個性が活かされないのか、味わいはそこそこ....。春摘みに慣れていると濃すぎませんか?と思えるくらいに茶葉の色も水色もしっかりとした“紅茶色”なのに、風味はわりと控えめでした。
 たまたま(原材料の含有バランスは均一ではないので)だったかもしれませんが、ローズヒップが効いている気がする一方、おとなしいオアシスという感じもします。
 やわらかな花の香りが、ヴェールの働きをしてるのかもしれませんね。印象は物足りないですが、クセが無く飲み易いフレーバーだと思います。

 50グラム袋入り600円

                                      08/09/11  






 ナムリング2008 (マリアージュ・フレール T1018  NAMRING SFTGFOP1)
       『ナムリング』の名称はティーリストの表記に倣いました。 一般的には『ナムリン』でお馴染み

 購入は2008年3月、他農園に先立っての入荷したての新茶...、ナムリン2008では?と思うのですが、帰宅して見ると、パッケージの手書き表示には2007と記載されていました。春摘みとしては時期は確かに早いですけど、マリアージュはオークションとは関係なく農園との契約出商品を確保しているとのことで、店頭でのスタッフの話からも、これは今年の春摘みと理解していいと考えます。2007はスタッフの記載ミスと判断しましょう。(ちょっと、びっくりした。)

 マリアージュ・フレールのリストには春摘みのナムリングが記載されていますが、定番のこちらは品番、グレード、価格も異なるべつものですね。
 現時点で最も新しい春摘みダージリン、T1018のナムリングは、うぶ毛に覆われた肉厚のシルバーグレイの茶葉と、厚みの無い緑色の茶葉がまざりあう、見事なまでの春摘み色で全体的にふんわりとした仕上がりです。ゴールドヒマラヤ同様、こちらも100グラムが100グラム用の袋におさまらず、200グラム用の大きなに入れられましたが、それで全く違和感がありません。通常の100グラム缶に100グラム入っていないのもうなづけます。
 霧の森を連想させられるような青い香りはなかなかに刺激的で、春摘みならではのアンバランスな面白さをを期待させられます。が、サロンでのんだお茶は意外に穏やかで優しい風味...。
  我が家の好みのカドがとれた感じで、正直ちょっと物足りなかったので、自宅では茶葉を多めにして少し濃いめの抽出を心がけています。
 春摘みの濃いめは飲むに耐えない結果を招くこともありますが(ま、限度ものです。)...ナムリングの新茶は、 甘みに渋みが見え隠れした、おいしい春摘みです。

 2008年3月店頭価格は100グラム6510円。

                                      08/04/02  





 ゴールド ヒマラヤマリアージュ・フレール T4202N  GOLD HIMALAYA2007 )
       
 注:2007年のティーリストに記載有り 品番は T4302 Nepal Goid Himalaya 価格未掲載 

 2007年6月、新たに入荷した品種ということで見せてもらったのが、ゴールド ヒマラヤ、左イメージの向かって右側の茶葉です。ちなみに左側が春摘みのバラサンで、こちらが一般的な茶葉のサイズ。ゴールド ヒマラヤの茶葉の大きさがお分かりいただけるかと思います。

マリアージュでは昨年、ブルー ヒマラヤ、レッド ヒマラヤというネパールのお茶を限定アイテムとして販売していますが、ゴールド ヒマラヤもそのカテゴリーに属するネパール産のレアものかと思います。“思います”というのも、最新(2006年)のティーリストにも記載がないのです...。ネパールのお茶として、ブルー ヒマラヤやシルバー ヒマラヤの記載があるものの、価格表示はありません。マリアージュのためにだけ摘み取られたという...いはば、契約商品のようですから、十分な供給量はまだないというところかもしれません。ただこの数年、マリアージュでは名前にヒマラヤのつく茶葉が増えてきました。いづれもが、インド、ダージリンかネパールのお茶に分類されているのでインド、ダージリン、ネパール、ヒマラヤがわたしの中ではごちゃ混ぜ(地理に弱い)状態でしたが、ゴールド ヒマラヤの購入を機に、ようやく地図上の位置関係を確認しました。

 ネパールのお茶、あるいはヒマラヤの名前を持ついくつかのお茶は、より標高の高い地域で採取されたものといえそうです。
 銘茶園が連なるダージリン地方が隣接しているのに、どうしていま、ヒマラヤなのか....ブランドのオリジナリティーへのこだわりか、ダージリン地方での茶葉の供給に限界が出てきているのか..はわかりませんが、ネパール、ヒマラヤ産の茶葉は,やはり、独特の風味に仕上がるようです。

ゴールド ヒマラヤの、銀針をたっぷりと含んだ肉厚の大きな茶葉は、パリパリの手触りで、全体の色合いもヒマラヤの露とは全く違っていますけど、ブーケの香りとまろやかな口あたりは似通っています。ダージリン種が強く持つ、渋みがほとんどなく、香気の割に、味の印象は控えめ。ただし、香りにつられて後味が長く残る感じがあります。

興味深かったのは、ミスで(抽出時間を)長く置きすぎた時の、失敗作の風味です。渋くて飲めないだろうとは思いつつ、そのまま処分ももったいないので、試してみたところ、渋みよりも舌を刺激したのは、わずかな酸味でした。

右上イメージは、ともに100グラムの袋入りのゴールド ヒマラヤとスプリングサイド。茶葉のサイズが袋のサイズにも反映されます。通常は200グラム入る袋でわたされたので、間違えて、200グラム買っちゃったかな...と思い、自宅で計りましたが、これが100グラム。
 2007年6月の店頭価格は、12600円(100グラム。50グラム単位で購入可能。) でした。

                                      07/06/28  

 





 ブルーム ディマラヤ“ヒマラヤの霧”(マリアージュ・フレール TA1109 BRUMES DHIMALAYA SFTGFOP1)

 マリアージュ・フレールのために特別に作られた...と言うブルーム ディマラヤ、初お目見えは2003年に発売されたプレシャスティー(白缶シリーズ)での限定販売でした。
 
 アンブーシアで産出され、銀色に輝く新芽のみを厳選して作られたという紅茶です。
  繊細な葉の摘み取りは月明かりのもと、涼しさのうちにのみ、巧みな揉捻は夜、乾燥は、早朝に差し込む日の光だけで...と、こだわりの行程を、マリアージュのお茶の本では詩的に表現されています。産毛に覆われた茶葉は、艶やかな黄金にプラチナの輝きが混ざり合ったような、セカンドフラッシュとしては淡い色合いです。ふんわりと柔らかで、触れると軽い弾力を感じることができます。 実は、プレシャスティーシリーズで購入した後、消費の踏ん切りがつかず賞味期限間近まで置いていたのですが、開封した時に、最初に感じたのが質感の特異性でした。正直、保存状態が悪くて湿気を含んでしまったかと危ぶんだくらいです。『真相』を確かめるべく、2006年末に購入したものは、その日のうちにチェックしました。しなやかな仕上がりは、この特別なお茶の特性のようです。
 
 お茶の風味も、その質感に似てまろやかです。
  とろんとし口当たりに、控えめな渋みが隠れているという印象です。
 クリスタルゴールドの水色から立ち上る香気は、マリアージュの説明によるとマスカットとヘーゼルナッツのような...となるのですが、 本音を言うと、ヘーゼルナッツの香りは...わかりません。摘みたての花のブーケを添えて届けられたマスカットのような香りです。ちょっと....複雑。

 一期一会かもしれない希少なお茶として紹介されたプレシャスティーシリーズでしたけど、ブルーム ディマラヤはマリアージュの2002年のティーリストに新しい銘柄として表記されています。もっとも未入荷状態が続いていて、最新のリストでも新しい銘柄のマーク付きですが....。量り売りで購入する機会に恵まれないうちに、リストの上で値上がりしました。他の多くのお茶の価格がが、10数年前とほとんど変わらないのに対して...こちらも特別扱いでしょうか。
 お茶の本と12の銘柄がセットになったコフレアンリの中にも組み込まれています。
 浅い小さな丸缶( 左上イメージ、側面にミル打ち。開閉はねじりタイプ。)におさめられた茶葉は少量ですが、コフレアンリも限定ものです。機会をお見逃しなく!

 50グラム 10500円(2006年、ティーリスト)

                                     07/01/19 






ホワイトクリスマスルピシア 5524 WHITE CHRISTMAS)

 数年振りに購入した我が家にとってはニューフェイスのフレーバードティーです。
 このところ、あまりまじめにルピシアだよりを読んでいないので 未確認ですが、クリスマス時期の限定フレーバーでしょうね。購入した、仙台のルピシア路面店では、他のいくつかのクリスマス用フレーバードティーとともに、限定ラベル缶もディスプレイされていました。

 ホワイトチョコレートの焼き菓子をイメージしたフレーバードティーということで...水分の少ない食物と紅茶の組み合わせ...、わたしの苦手な範疇になるので、お茶の情報を先に見ていたら、おそらくは買わずに終わったアイテムです。(もっとも、11月12日到着のルピシアだよりに同梱のティーサンプルがホワイトクリスマスでしたから、縁のあるべきお茶だったのかもしれません。)
 旅先で立ち寄ったルピシアの仙台店で、入店するなり「どうぞ」と試飲を勧められたホワイトクリスマスは、甘い香りが刺激的(印象的ではなくて、刺激的!)な紅茶でした。馴染みがある香りを濃縮した感じで、ちょっと、香料が強すぎという気がしないでもありません。ルピシアのティーカタログではミルクティー向きのマークがつけられていますが、ミルクの風味を加えて複雑な香りを演出するより、ブラックティーで、ホワイトチョコレートの焼き菓子の刺激を楽しむことを、わたしはお勧めします。気分転換に最適です。

 茶葉の状態よりもお茶になった時の香りの方が素直で、最初、わたしは濃厚なソフトクリームに通じるものを連想しました。喉が浸かるような違和感我なく、試飲できたのはそのお陰だったと思います。先入観を持たずに試してみると,案外,受け入れられる面白い出会いがあることがわかりました。

 茶葉は、CTC形状のものが多め。水色はしっかりとした紅茶色になります。ただ、味には特色はみられません。
 強いて言えば,試飲の際には、最後にかすかな苦み(渋みではなく苦み)が残ったのが気になりましたが、これは誤差の範囲かと考えます。
  50グラム 700円。

                                      05/11/24 








 スカーレットグレースマリアージュ・フレール  T4061 SCARLET GRACE)

 イメージの茶葉は、スカーレットグレース。2003年に発売されたマリアージュ・フレールの白缶シリーズのひとつです。
 お馴染みのロゴマーク入りの黒いクラシック缶とはステージを別にする12種のラインナップは“THE FRANCAIS(テフランセ)”のロゴも誇らし気な白い缶に詰め合わされていて、プレシャスティーという独立したカテゴリーに属しているようです。

 白い缶を最初に見たのは、2003年1月2日、マリアージュのパリ本店でのことでした。イヤーズティーだと解釈したわたしは、(こちらがリクエストした)茶葉を袋に詰めてくれているスタッフのすぐそばに積まれていた白い缶をひとつ、ついでに購入したのでした。
 ところがあけてびっくり...中見は白茶がわずかに20グラム。(グラム数は缶に明記されていました。こういう事態を想像していなかったのでチェックもしませんでしたけど....こういう事もあるのですね。)そうなると、これはいったいど〜いう茶葉なのだろうと正体が知りたくなるわけで、帰国後しばらくしてからマリアージュの京都店に出向いた折りに尋ねました。
 でも、店頭に白缶はなく、店のスタッフにもその種の茶葉の情報は持っていませんでした。
 正体不明のまま、稀少価値だけがアップした白い缶を、ひとつしか買ってこなかったのを悔やんだのはいうまでもありませんが、それが、マリアージュの新宿店のオープンに合わせて日本に上陸したのが8月のことです。
 
もっとも、新宿店のみの先行販売とはいいながら、その後の展開は未知数...。7月の時点では京都店への入荷予定は白紙状態でした。いづれにしても稀少価値には変わりはありませんね。

 12種の茶葉は、種類も量もお値段もまちまちで、共通しているのは、白い缶と世界の名だたる産地より選りすぐった希少な味わい....。
 希少すぎて..本音を言えば、自分が何に感動しているのか分からないのですけど、スカーレットグレースは、撚りがあまい(あるいは、ない)茶葉が目立つ、紅茶らしからぬ外観をしています。紅茶を抽出した後の、ひらいた茶葉をフリーズドライ乾燥したような...パリパリの薄い葉っぱです。重さのわりに体積があるので、30グラムでも缶葉一杯になっていました。
  上のイメージは開封直後のものですが、青みのある茶葉が多くて、春摘みを連想させられましが、変色も激しく、すぐに灰褐色と黄土色になってしまいました。デリケートな茶葉...なのでしょうか?
 香しい匂いは、焙じ茶を思わせられるもので、紅茶のイメージからははみでますね。
 渋みもなくまろやかで、ひとつ間違えば面白みのない味になるところを、印象的な香りが引き締めているように感じます。
 原産国はタイということ以外は品種も未だに不明ですが、五感に従えば(一昨年縁のあった)“国産紅茶”に似ているなあ...と言うのが正直なところです。
  ひと缶3500円。NETは30グラムです。シリーズの中ではこなれたお値段といえそうですが、安くはないですね。パリ価格は未確認ですけど(20グラムしか入っていなかったことに驚いた白茶は)“ついで”に買っても、合計の請求額に驚いて固まる...と言うことはありませんでした。

                                     03/09/08 

  茶葉の形態から、ブレンドティーかと推察しましたが、プレシャスティーシリーズは農園特定茶ということで、色表示を変更しました。
 酸化発酵後に乾燥という工程で作られたお茶だそうで、どうやら一般的な紅茶製造の工程にある“揉捻”が省かれている可能性を感じます。ひらいた状態でパリパリになった茶葉は、非常にデリケートで、輸送に伴う衝撃も懸念されるという話でした。色変わりは想定されたものだそうです。
 気のせいか、茶色が濃くなるにつれて、香ばしさが強くなりました。一応賞味期限は2004年4月までなのですが....。(空気に触れたらお早めに...というただし書きはありません。)

                                     03/09/24 


 





 セイロン・オレンジ・ペコエディアール CEYLAN ORANGE PEKCO)

 伊勢丹新宿店にブティックができた頃に、目新しさに引かれて幾度かは飲んだことがあるエディアールですが、マリアージュとの出会い以降では初めて購入した茶葉のひとつが、オレンジペコでした。
 日本語シールの品名欄には単にオレンジペコとなっていますが、缶にはCEYLAN ORANGE PEKCOと記載されています。フランスメーカーでもこの名称が使われていることに興味を覚えて手に取りました。エディアールのブティックではなくて、各メーカーが混在する紅茶売り場でのことでしたが、名前以上に気になったのが“秋摘み”という一言説明でした。販売店が気を聞かせたのでしょうね。売り場の紅茶の幾つかに、簡単な説明が添えられていました。
 ひと昔前なら「なんのこっちゃ?」というところですが、春摘みがすっかり定着した我が家にとって、秋摘みは未開拓の分野なんですね。100グラムなら二の足を踏むところですが、ありがたいことにエディアールではミニ缶が健在でした。(マリアージュでは廃止されたようです。)25グラム程度なら口にあわなくてもということで、パリ仕様のオレンジペコを試してみたくなりました。
 茶葉は、愛用のブルームフィールド(フラワリーオレンジペコ)等よりもひとまわり大きめの、文字どおりオレンジペコサイズ。表面には艶がなく、灰色を帯びた褐色は国産紅茶のムーンロックを思い出しました。つまり、ここ10年を振り返ってみても、我が家では馴染みがなかった色合いです。葉のサイズのわりには水色は濃く、キャラメル色のミルクティーが楽しめそうにも見えましたが....。
  深みのある香りからは連想させられた渋みはほとんどなく、まろやかと言っていい味で、水色ほどには風味は濃くありません。しいて言えば、香ばしさが特徴...と言う感じの癖のないお茶で、印象は薄めでした。ミルクは、入れない方がいいような気がします。

                                     03/04/21 




 サムライマリアージュ・フレール  T930 SAMORAI)

 初めての購入は2001年の12月でした。
 ベルガモットの香りと他の珍しいエッセンスを組み合わせたすばらしい芳香のお茶ということで、イメージしたのはアールグレイ・フレンチブルーやトワイニングのレディ・グレイでした。伝統的なフレーバードティーのアールグレイに何かを加えることで生み出されたニューフェイスが登場した昨年、サムライもその一環かなと思ったのですけど、なんと、90年のマリアージュ日本上陸当時にはすでにカタログに記載されている“お馴染みさん”でした。
 フレンチブルーが伝統のフレーバードティー、アールグレイとして扱われているのに対して、サムライはミックスフレーバードティーのカテゴリーに入れられています。かなり複雑な香りの組み合わせということでしょうか。

 でも、印象はやはりアールグレイの一種です。優しく和らいだ香りにはなっていますが、ベルガモットは珍しいエッセンスに負けていませんね。アールグレイが好きではない人は、パスしたくなるくらいにはベルガモットががんばっています。ただ、アールグレイ好きにとっては、ヴェールがかかったようなぼやけた香りは物足りないかしれません。どちらかと言えば好きなわたしは、敢えてサムライを選ぶ必要はないかなあ....というのがj正直なところです。
 うっかりしていて、多少濃いめになっても、渋みはあまり出ないお茶ようですが、微妙な酸味をわたしは感じました。あまりクセのない茶葉に対して、香り付けの何かが影響しているのかもれません。
 花びらよりも、ほとんど色の抜けたがく付きの小花が目立ちます。
 日本流の侘びを意識したわけでもないのでしょうけど、見た目も風味も華やかさとは対極にあるような仕上がりに思えます。
 100グラム1300円。本国では5ユーロです。
 100g 1995円(2008年9月価格改定)
                                    03/02/03 





オランジュショコラレシピエ 873 ORANGE CHOCOLAT ルピシア 5505)

 レピシエだよりについてくるサンプルがたまりにたまってきたので、気合いをいれて試飲してみた新作です。
 ヨーロッパではポピュラーな組み合わせとされるオレンジとチョコレートのミックスフレーバードティーですね。試行錯誤の後に、カルダモンシードを加えることによって清涼感とパンチを生み出したということで、レピシエではゴージャスな新作として紹介しています。
 ただ、正直なところ、どうしてこうもややこしい香りにするのかなあ、という印象です。
 もともと、わたしは水分を感じないものの香りと紅茶の組み合わせは好きになれないのですけど、オランジュショコラなら...まだチョコレートの方が許せるかもしれません。オレンジの爽やかさを感じながらチョコレートを味わうのは好きですけど、紅茶に溶け込んだオレンジクリームチョコを連想してしまって、お茶の方はいただけませんでした。(もちろん、好みの問題です。)

 ミルクにもピッタリと言うだけあって、水色は褐色に近い濃い色で、味も強めでした。今のレピシエが推賞する茶葉とお湯の分量(オープン当初から比べると、お湯の分量は2分の1になってます。)が、わたしには合わないのかもしれません。自己流で入れたとしたら、もう少し飲みやすかったかもしれませんけど、ポットからカップに注いだ後、3口目くらいから苦味を感じました。渋みでは無く、苦味です。オレンジの果皮のからでる苦味かと思いますけど、お茶の味としては、わたしにとってのワースト3に並びそうです。ティーカップ1杯、飲み切ることができませんでした。
 自分の好みでないことがハッキリしたという点では、意義のあったサンプルでした。

                                   02/11/12 




 白桃レシピエ 813 MOMO ルピシア 5215)

 レピシエでは古典(アールグレイやジャスミンなど)に対して現代のフレーバードティーというグル−プ分けをしていますが、 その現代のフレーバードティーの中のシングル・フレーバードティーのカテドリーに白桃は属しています。
 オリジナリティーが“売り”のミックス・フレーバードティーと違って、各メーカーから同じ名称の茶葉が販売されているシングル・フレーバードティーは、アピールが難しいところですが、レピシエでは国産の白桃へのこだわりがポイントのようですね。当初、つまりレピシエのオープン時の1995年には、品番813はPECHE、桃となっています。おもしろいことにこの頃はフランス語表記のアルファベットがメインで、日本語訳が付いているという印象でした。シングルフレーバードティーには特に説明もなかったので、興味をそそられることなく数年が経過して.....気が付いたら桃は白桃となりPECHEはMOMOに変わっていました。
 わたしが白桃を意識したのはいつだったかは不確かなのですが、チェックできるところでは、レピシエだより99年7-8合併号のおまけが813白桃だったようですから、おそらくはこのサンプルがきっかけだったのではないかと考えます。みずみずしい果肉のイメージそのままの、爽やかで甘い香りがよく効いた茶葉で、PECHEではなくMOMOと改名したこだわりが、風味を通して伝わるような気がしました。
 水色はしっかりしていますが、渋みは少なく、香りが錯覚をよぶのか、甘味を感じる仕上がりです。

 シングルフレーバードティーの中では我が家でも季節を問わず利用頻度が高いお茶ですが、レピシエではアイスティー向きとして進めているようです。いわゆる香りが際立つ“水だし”で試してみたい茶葉かもしれませんね。
 100グラム900円。

                                   02/10/26  

 



 リンジアマリアージュ・フレール T1001 LINGIA, SFTGFOP1)
 
 2002年、国内メーカーの店頭が春摘みダージリンで賑わすよりも少し前、京都のマリアージュ・フレールで購入したものです。
 驚いたことに、ダージリン・ヌーボー、新茶として販売されていました。
 20種類以上の春摘みダージリンを扱うマリアージュですが、新茶に関しては他の国内メーカーに“季節感”を譲っていた感がありましたから、今年はマリアージュが日本に上陸して以来の画期的な取り組みがなされた様ですね。例年なら、他社に遅れて2〜3種類が並ぶ程度で、並ばない年もあるくらいでしたが、今年はとにかく早かったです。しかも2002年春摘みダージリンとして、専用の案内シートまで用意されていました。春摘み好きの日本人の新茶信奉に、ついにマリアージュも反応したということでしょうか?
 新茶としてのラインナップは6種類で、そのうちふたつは缶入りのみでの販売でした。
 リンジアは100グラム4800円で計り売りされていたものです。価格も、品番も1年を通じて販売されている春摘みのリンジアと同じですけど、春一番のリンジアと、秋風が吹く頃に買うリンジアではロットの違いが生じているかもしれませんね。
 新茶、リンジアは春摘みダージリンの見事なお手本として紹介されていて、お茶の本(に記載の説明)よりも少し丁寧なコメントが添えられています。味わいはニワトコの花、アーモンド、若いマスカットの洗練された感じを持ち合わせた...ということですが、複雑すぎて実感できません。お茶の本の中では、トロピカルフルーツのかすかな香り異国の花の香り(旧、お茶の本)に注目しているので、本当に“複雑”なのでしょうね。
 印象に残ったのは、優しい甘味と肉厚の茶葉でしょうか。
 渋みが甘さのベールに包まれたような感じで、刺激は柔らかで飲み易いお茶でした。産毛に覆われた茶葉が膨らみを持っているせいか、100グラム入りの缶に移し替えた時に、入りきらずに溢れた茶葉が多かったので驚きました。(同じ店で同じ時に買った、バラサンは、缶のスペースがあまりましたが....。)
 スタッフが、おまけをしてくれたのでなければ...かなりふんわりと仕上がった茶葉と言えそうです。
 18.50ユーロ。
 100g 5250円(2008年9月価格改定)

                                     02/09/18 



 


 バラサンマリアージュ・フレール T123 BARASUN, TGFOP)

 摘み取り時期別、農園別の茶葉の存在を知りはじめたひと昔前、(その種の)紅茶の購入は通販に頼っていたわたしは、春摘みは春にしか手に入らない茶葉と思っていました。今でも国内の実態はそうですね。日本で非常に人気があると言われる春のお茶は、季節物“新茶”として取り扱われていますから、よほど買い占めない限りは1年を通じて味わうことは叶いません。
 バラサンは、“新茶”は完売と言われる季節に、夏摘みのジュンパナやキャッスルトンばかりは買えないわということで、おまけで購入したのが最初でした。グレード表示はご覧のように、S(スペシャル)とF(ファイネスト)がありませんが、そのかわりにお値段は嬉しい安さでした。代理店時代のマリアージュのティーリストが見当たらないので、ハッキリとは言えませんけど、少なくても1997年以降はグラム1600円で、これは現在マリアージュが扱う夏摘みダージリンの最低価格です。
 茶葉はさすがに、4桁に迫ろうかという銘茶の外観と同じように、というわけにはいかなくて、大きさや撚り(捻り)加減はいくぶん不揃いです。銀針を多く含むということですが、今年購入したものに限っては、 分かりにくいです。

 ただ、かつて安さに目が眩んで購入したこのお茶は、心地よい甘さが印象的で、非常にお買得な茶葉として、わたしの記憶に残っています。“新茶”にこだわらなければ、実は(マリアージュでは)春摘みも1年中手に入ると理解してからの数年間、何となく購入の機会を逸していたバラサンは、春のお茶に慣れた目には深みのある水色で、適度な重さも感じさせられました。渋みもなかなか効いています。が、その渋みを包み込むような柔らかな甘味が、今回は控えめでした。思わず自分の記憶を疑ってしまいましたけど....同じ茶園で同じ時期に摘み取られたものでも、ロットが違えば、それぞれに違うお茶と言われるくらいですから、ひと昔前のバラサンと同じものを期待はできないということですね。お茶は、本当に一期一会なのだなあと感じます。
 8.5ユーロ。
 100g 3150円(2008年9月価格改定)

                                     02/08/02 


                               


リッシーハットマリナ・ド・ブルボン RISHEEHAT, SFTGFOP1)

 わたしにとっては初めての品種です。
 マリナ・ド・ブルボンで、春摘みダージリンお試しセットという形で販売されていたものの中に組み込まれていました。お試し、とはいえ5品種20gづつのセットもので、なかなか楽しめます。定番のピュッタボン、アリヤ、スプリングサイドに加えて、今年も2品種が我が家にとっての新品種でした。
 ダージリンの命ともいうべきシルバーチップスを多く含んだお茶、というだけあって、灰色の太い茶葉が目立ちます。産毛に覆われている灰色の茶葉はビロードのような手触りで、興味深いものがあります。水色はごく薄い金色でした。
 透明感のあるスッキリとした味ということでしたが、まろやかで、どことなくトロリとした甘さを感じました。飲み易く、気分はONよりもOFFに切り替わって、くつろいでしまいそうな風味です。後味スッキリという印象ではありません。
 手許のカタログを見ると、マリアージュでは、リッシーハットは夏摘みのみを取り扱っている様です。いっさいの苦みを感じさせないという特徴が、春の茶葉にも通じる気がします。
 マリナ・ド・ブルボンでの春摘みはグラム2200円。お手頃な価格といえそうです。
 マリアージュ扱いの夏摘みは5000円。マリアージュのお値段は感心なことに長く変わりませんね。

                                     02/07/12   

 


 ノースタクヴァーマリアージュ・フレール T1013 NORTH TUKVAR, SETGFOP1)

 早々と登場した2002年度の春摘みダージリン第1号です。
 今年は順調な滑り出し...とはいえ、これから各農園の「新茶」がマリアージュの店頭を賑わすという期待は、あまりできそうにもないので、初めての茶葉ですが、購入してみました。ここは、ダージリン地方でも北に位置する農園だそうです。
 シルバーチップスを多く含んで、大きさも揃った茶葉は、全体的には灰緑がかって見えますが、鮮やかな若草色をした葉もかなり混ざっています。彩り豊かな茶葉という感じでしょうか。
 非常に青い、という印象の薫りは爽やかと表現するには少し強い気がします。春摘みならではのアンバランスさ故に、角を感じる薫りです。
 味にもメリハリがあって、渋みもしっかりしていました。
 店では、主人がオーダーした夏摘みのジエルとこれを飲み比べましたが、落ち着きはないけどエネルギッシュで...やっぱり春の茶葉にはインパクトがありますね。
 お値段はグラム6500円。マリアージュが取り扱うダージリンの春摘みの中でも高い方の部類です。新登場の茶葉なので、パリでの価格はわかりませんが、多くの農園の茶葉が他店でより安く(直輸入価格?)手に入るようになった昨今、(パリ経由の手間賃と関税を上乗せされた高め価格の)マリアージュで買うなら、珍しさに価値を認めて、ノースタクヴァーはお薦めアイテムのひとつと言えそうです。
 パリ、日本ともに、2002年度のリストには未記載です。

 ※ カタカナ表記は不確かな部分があります。品番で御確認ください。

                                     02/04/10  


 ベニオガタ緒方茶工房
 
 鹿児島に残っていたアッサム系茶畑で、国産の紅茶作りに努力しているという茶工房から販売されている、国産紅茶です。
 パケージには、多くの輸入農作物には国内で禁止されている農薬が使用されていて、紅茶もその例外ではないこと、化学肥料や農薬等を一切使わずに、安心して飲める紅茶を育てることへの信念のようなものが記載されています。そのこだわりには、何世紀にもわたって世界中の大勢の人間が、日本以外で栽培された紅茶を飲んでいるんだけどな、というひねくれた気分が少し顔を出しかかりました。
 わたしは、果物も野菜も、牛肉も国産の物を選びますけど、それは味が好きだからで、他の国のものよりも日本の基準が安全だとは思えない人間です。

 ベニオガタの味は、というと、悪くはないけど、という感じでしょうか。やはりアッサム種なのでしょうね。癖のない飲みやすいお茶とも言えますが、紅茶と思って飲むと、渋みがなさすぎる気がします。残念ながらおいしいミルクティーにはなりませんね。
 ただ、香りには特徴があって、主人の言葉を借りれば、ほうじ茶を連想させられました。これが、国産紅茶だよと言われれば、なるほど、馴染んだ紅茶とは違うかな、と納得できそうです。あと味はスッキリで、長引く自己主張はありません。気分転換よりは、リラックスタイムに向きそうです。
 水色は濃くて、透明感は今ひとつ...。(色だけならミルクティーにしたくなります。)ブロークンに近い細かい茶葉の中には、茎も混ぜられていました。

                                     01/12/30  


 ムーンロック月ヶ瀬健康茶園 MOON ROCK)

 奈良にある茶園から最近販売され始めたらしい国産紅茶です。

 茶葉は比較的大きくて、深い黒に薄く灰をまぶしたような(あまりいい表現ではないですけど...)独特の色をしています。葉に艶がないと言ったら分かりやすいでしょうか?
 で、その茶葉の中に混ざっている明るい色のものは、ゴールデンチップス?と思いきや、これが茎なので、少し驚きました。日本茶では、雁が音のように茎を使うお茶も珍しくはありませんけど、細い藁のような形態の茎を紅茶でこれほどハッキリと見かけたのは初めてかもしれません。茎の使われ方はけっこう、大胆です。
 大きさや厚みからすると、茶葉の部位はペコ・ーチョンかスーションをイメージさせられるムーンロックは、一見、紅茶というより中国茶に近いような気がします。
 水色はいわゆるしっかりした紅茶色ですが、渋みはほとんど感じられず、まろやかな口当たりでした。飲みやすいという反面、少しメリハリには欠けていると言えるかもしれません。お茶そのものを楽しむよりも、和、洋、中のお菓子のお伴としての方が活躍できそうな、調和の取れた味だと思います。飲茶...にでもよさそう。
 パッケージに記載されている原材料名が「有機栽培緑茶」となっているのがなんとなく気になります。
 摘み取られた直後に高温に晒さらすことで発酵を止めて仕上げられるという緑茶.....その緑茶をまた人為的に発酵させて、ムーンロックが出来上がっているのだとしたら、見た目だけではなく、作られ方も独特ということになるのかな...。
 いただきものなので、お値段は不明。

                                     01/12/16 

 ※ 2002年4月14日、ムーンロックの生産者の方から、メールをいただきました。
   原材料名が「緑茶」となっているのは、緑茶品種の茶葉を使っているからだそうで....。
   緑茶になった茶葉を強制発酵させて...?というのは考え過ぎでしたね。
   ちなみにムーンロックの名前の由来も分かりました。茶園名と生産者のお名前を合わせたもとのこと。

   命名は関西テレビのZIP探偵団という番組だとか...。

                                     02/04/14  


 


 タルボレピシエ 050 THURBO, FTGFOP1 01-1 ルピシア 品番なし)

 レピシエが2001年に初めて取り扱ったという夏摘みのダージリンです。
 一般に夏摘みのダージリンのフルーティーな香りがマスカットに例えられる中で、わたしも初めてその名前を目にしたタルボは、ばらの花を思わせる芳香を持っている様子...。
 レピシエの夏摘みダージリンのラインナップの中で、我が家の定番になっているジュンパナとキャッスルトンの対極に位置するような茶葉です。
 興味を持って尋ねたところ、レピシエのスタッフの間でも相当評価が高かったお茶ということで、薦められるままに購入しました。
 最も印象的だったのは、茶葉の色合い、でしょうか。日光を十分に浴びて、黄金色に成熟した夏摘みのダージリンは、いはばゴールデンチップスがいっぱい、のはずですが....金色とは言っても、茶葉の茶色、褐色煮馴染んでしまって、チップスの含有量は比較しにくいものです。ところが、このタルボはシルバーチップスの多さに驚かされました。クリアな鼠色の新芽を、夏摘みのダージリンでこれほど見るのは初めてでした。同時にかなり淡い銅色の茶葉(これが、タルボのゴールデンチップスのようです。)も盛り沢山なので、色が混ざり合った茶葉の見た目は、全く他の農園のものと異なっています。もう少し、青みが残っていれば、春摘みと言われても分からないかもしれません。
 水色に特色はありませんが、味は軽めでまろやかでした。しっかりとした春摘みを連想させられたのは、茶葉の色の影響かもしれません。渋みは少なく爽やかな後味で、何杯でもおいしく飲める気がしますが“夏摘みらしさ”という点では、少し迫力不足という仕上がりでしょうか。ただ、春摘み大消費国の日本では、支持が期待できそうな気がします。我が家にとっては、いい出会いと思える茶葉で、来シ−ズン以降も定番にしたいニューフェイスでした。
 グラム3600円。

                                     01/11/26 


 

 ショ−レマロンレピシエ 862 CHAUD LES MARRONS !  ルピシア 5518)

 2000年の秋に巨峰(861 BUDOU)と並んでデビューしたレピシエの新作フレーバーです。冬のパリの名物、焼き栗売りの掛け声が名前の由来ということで、!マークがユニークですね。

 観光旅行で数日を過ごしたパリの街角では、クレープと、そして焼き栗のワゴンが確かに目につきましたが、その時は掛け声もなく、いたって静かな売り方で...むしろ買うきっかけを掴みにくかったのを覚えています。後半になって、クレープは毎日食べていたものの、結局パリで焼き栗は買わずじまいでした。この無念をわたしはローマではらして、大きな栗の、香ばしさとホクホクとした食感と、控えめながら印象深い甘さを堪能しました。でも、それとお茶の香りとは結びつかなくて、昨年はパスしたフレーバードティーです。
 栗に限らず、チョコレート、パタータ(さつまいも)、今年の新作マンマミ−ヤ(パンプキン)など、水分をイメ−ジできない類のものは、わたしにとってはお茶の香りとしては不自然なもので、ほとんど試したことがありません。
 ただ、ショーレマロンは昨年来、チョコレートやパタータよりも話題にのぼることが多かったように思えるお茶で、ケーキも和菓子もアイスクリームも栗で染まるこの季節、興味が優先して、オーダーしてみました。

 率直にいうと、栗はやはり食べた方がいいでしょう、と言う印象は否めません。お茶の香りとしては、わたしには重く感じられます。渋みも少なく、想像していたよりも味がまろやか(スタッフからは、サッパリとした仕上がりと説明がありました。)な分、香りの主張が気になります。ただ、これは、毎日、そして何杯も飲むお茶としては...ということで、栗風味の飲み物として割り切れば、やはりおいしいし、インパクトもあります。寒さとともに紅茶にもボリュームを求めたくなることがありますが、ショーレマロンのミルクティー1杯で、必要なエネルギーが補充できそうな気分になります。アクセント的なお茶としては、最適かもしれませんね。
 栗のシングルフレーバーかとも思ったのですが、レピシエではオリジナル性を強調していることを考えると、何か、栗以外の隠しフレーバーも使われているかもしれません。
 グラム1100円。

                                      01/11/12 


 


 クィーン アンフォートナム・メイソン QUEEN ANNE)

 久しぶりのフォートナム・メイソンです。
 最近では、オケージョンティーやフレーバーティーも多く目につくようになりましたけど、あと数年で300年の歴史を刻もうかというフォートナムの紅茶を飲むなら、やはりブレンドでしょうか。
 クィーン アンは入手しやすい定番の8つの紅茶の中でもミルクを入れてどうぞという記載がないお茶で、優雅な香りと風味が特徴と言われる、アッサム、ダージリン、セイロンのブレンドです。この際、ダージリンと言ってもいろいろあるのに...という細かい事にはこだわらずに卓越のブレンドを楽しみました。
 ただ、やはり、わたしにとっては、飲み続けるには重さを感じる風味でした。茶葉の等級だの、農園別のお茶の存在などを知らずに、ロイヤルミルクティーを英国の味だと疑いもしなかった(これは、日本オリジナルですね)頃に、飲んでいた紅茶を思い起こします。紅茶らしい紅茶の香りなのかもしれませんが、かつて、フォートナム・メイソンの紅茶を飲んでも紅茶にはまるほどにはならなかった事実が示すように、我が家との相性はかならずしもよくはないようです。
 でも、以前と違って、手許にはノンホモミルクがありますから、試しにミルクティーにしてみました。
 これが、ものすごくおいしかったです。
 ミルクティー用に常備しているシロニバリや、その他のミルクと合う茶葉と比べても、おいしかったので、ちょっとびっくりしました。シロニバリのようにまろやかなコクではなっくて、適度な渋みが隠し味になっているような、クセのあるコクがでます。英国紅茶、恐るべし、と、今時分になって思い知らされました。
 いわゆる、ミルクを入れてお飲みくださいの表示がある他のブレンドが、興味を抱かされました。

 ※ (フレーバードティーではなく)フレーバーティーの表記はカタログに倣いました。

                                      02/01/25 



 アールグレイ フレンチ ブルーマリアージュ・フレール T8005 EARL GREY FRENCH BLUE)

 2001年のマリアージュ・フレールの新製品です。
 古典のフレーバードティーとしてポピュラーなアールグレイは、マリアージュでも10種類以上の品揃えですが、そこにまたひとつ、ニューフェイスが加わったことになります。お茶に香料を加えた最もよい成功例としてポピュラーなアールグレイは、中国生まれ。マリアージュでは、大英帝国の外務大臣だったアール・グレイ(グレイ伯爵)が、中国の古い文献から発見した方法で香り付けをしたという説明があります。
 10数種類のアールグレイの中にはダ−ジリン茶葉がベースのアールグレイ インペリアル(T8002)やセイロン、オレンジペコのグラン アールグレイ(T8004)など様々ですが、マリアージュで単にア−ルグレイと呼ばれているのは、中国茶に香り付けしたもので(T8185)、 ア−ルグレイ フレンチ ブルーも 同じく中国茶がベースのようなのですが.......茶葉に混ぜられた矢車草の花の青い色が、ブルーのいわれのようです。鮮やかな青色はボレロでもお馴染みですね。
 新商品の紹介文は、青いブーニエの花があしらわれたまさに最良のフランスの味わい、とあるのですが、結果的にはこの説明で、わたしは商品の風味を正しくイメ−ジできなくて、買い渋っていました。というのも、矢車草はトワイニングのレディ・グレイにも使われているので、この花がフランスの味わいの根拠だとは思えなかったんですね。説明から連想してしまったのが、珈琲豆のフレンチローストで.....。
 アールグレイ インペリアルの強い香りが印象に残っていたわたしは、フレンチとなると、その上をいくかも....と考えてしまいました。
 実際には、見た目に美しく、香りも柔らかな、口当たりのいいアール グレイに仕上がっていました。
 柔らかくても軽い香りではなくて、しっかりとした主張があるのですが、インペリアルのように尖った強さは緩和されています。香りの元は、もしかしたらベルガモットだけではなくて、何か隠し香りがあるのかもしれませんね。ブラックで飲むアール グレイとしては、ランキングの上位に食い込む秀品だと思いますが、カタログではダ−ジリン ヒマラヤとのギフトセットで3500円という表示しかありません。単品、グラム当たりのお値段は未確認です。

  ※ 日本語表記は、マリアージュの2001年度ティーリストに準じました。  
                                      01/09/21 

   アールグレイ フレンチブルーは2002年のリストには量り売りのアイテムとして記載されました。
 100グラム1600円。パリ価格は5.20ユーロです。
 100g 2205円(2008年9月価格改定)
                                      03/02/03 






 シャモンレピシエ 013 CHAMONG, FTGEOP1 01-1)

 初めてのシャモンの春摘みは、96年の春、オ−プンしてから最初の春を迎えたレピシエから購入したものでした。
 この年にレピシエが取り扱った春摘みダージリンは、マリアージュでお馴染みだったキャッスルトンやピュッタボン以外にも、わたしにとって初めての茶葉もいくつかあって、シャモンはその内のひとつです。
 現地で直接買い付けることで、いいお茶を安価で、という通り、マリアージュの2分の1から3分の1の価格には驚かされましたが(思えば、あたりまえのことですね。 最近ではマリアージュのパリ価格を考えるともう少し安くできるでしょ? と言いたくなりますね。)その時にシャモンは唯一4千円をこえていた茶葉でした。直輸入でその値段ですから、かの名園キャッスルトンよりも高価な茶葉ということになります。
 お気に入りのブルームフィールドが手に入らなくなっていた時期で、わたしは支払う金額が同じくらいという理由で(パリ経由価格と直輸入価格を比べた自分の論理性を、後になって恥じました!)シャモンを選んだのですけど、正直なところ、最初のシャモンはあまり印象に残ってはいません。値段の割には...と思ったような気がします。翌年は、購入しなかったと記憶しています。
 マリアージュでもシャモンがティーリストに登場するのは後になってからですが、それも夏摘みのみで、いまでもシャモンの春摘みはありません。昨年はレピシエでも入荷しなかったので、久しぶりのシャモンの春摘みでしたが....簡単に言えば、春摘みらしくないのが特徴です。
 茶葉は、緑の色も美しい、というよりも一般的な紅茶に少し若葉が混ざったような色合いで、水色も、春摘みとしては安定した濃さですし、味もふくよかなまろみがあって、わたしの中の春摘みのイメージを基準にすると幾分思い感じがします。
 ココの夏摘みが気になるところですが、レピシエへの入荷はないようです。
 夏摘みしか取り扱いのないマリアージュの日本価格は、グラム2400円、パリ価格はF70、高価な茶葉ではありませんね。ただし、レピシエ販売の2001年度の春摘みシャモンはピュッタボンと並ぶ最高価格の4500円でした。セカンドフラッシュのような、という形容詞がつくだけあって、ピュッタボンの対局にある風味が楽しめます。

                                      01/08/26 

 


 マンゴ アマゾンマリアージュ・フレール T841 MANGUE AMAZONE)

 8年か、9年くらい前に小樽で初めてマンゴ−ティーと言うものを飲みました。マンゴーティーと説明されましたが、厳密にはマンゴーフレーバードティーですね。小樽の、オルゴール博物館でのことです。もしかしたら、違う館名だったかもしれません。時間を決めてオルゴールを聞かせてくれる博物館と違って、有料の場所でした。定員10名くらいだったでしょうか。館の奥の隔離された場所でいろいろなアンティーク・オルゴールの音色を楽しむというものでしたが、有料だけ合って、お茶付きだったのです。
 浅いティーカップに一杯だけのお茶は、春摘みかハーブティーかと思うような薄い水色でしたが、フル−ツフレ−バーと言えば、アップルという頃でしたから、マンゴーの香りは印象的でした。
 その、初めての香り以上に記憶に残ったのは、お茶を紹介してくれたスタッフの....テンションの高さとでもいいましょうか.....。なんでも、フランスのメーカーのお茶で、現地でファンになったスタッフが交渉に交渉を重ねて、ようやく分けてもらえることになった日本未輸入の珍しいものという話を聞かされました。
 ふ〜ん、それでこれっぽっちなのね、などと、ちょっと意地悪な感想もいだきましたが、帰宅した日にマリアージュに電話をして取り寄せたのが、マンゴ アマゾン(グラム1400円)でした。自己分析すると、小樽でのお茶は味も量も欲求不満に終わったのでしょうね。もっと、思う存分飲んでみたくなったんです。
 
 マリアージュにはこれとは別にマンゴ(グラム1300円)もありますが、100円の違いは香りの違いだそうで.....。アマゾンのマンゴーはふつうのマンゴーと何が違うのか、というわたしの質問に対して野生種なので香りに迫力があるというような答えをいただいたことを覚えています。
 茶葉を彩る鮮やかな黄色は、花びらで(舐めた感じでは味も香りもありませんでした。)マンゴーの果実は小さいキューブ状のものが、目立たない色になってブレンドされています。硬めのフルーツゼリーのような食感のドライマンゴーは、香りはもちろん、濃縮された甘さもなかなかのものですが、このドライマンゴーが同居しないまま入れた場合は、これ、何のお茶だったっけ?と、なりかねないのが難点ですね?
 1年に100〜200グラム程度消費する、クセのないお茶です。
 パリ価格は30F。 5.5ユーロ(2002年度 リスト)
 100g 1995円(2008年9月価格改定)

 ※ 「マンゴー」と「マンゴ」の表記の違いについて
        マリアージュのティーリストではマンゴーと延ばさずに表記しています。

                                      01/07/27 
 


 アリヤレピシエ 002 ARYA, FTGFOP1 01-1)

 レピシエから購入しました。2001年の春摘みの新茶です。
 アリヤを最初に紹介してくてたのはレピシエのスタッフで、確か96年、レピシエオープンの翌年のことだったと思います。それ以前、マリアージュでもアリヤの取り扱いはありませんでした。
 初めての紹介コメントは、中国系の茶葉で、まろやかな味というニュアンスだったでしょうか。

 春摘み独特の、茶葉の緑色は今年も健在です。アリヤの緑は、少し濃いめでクリアな気がするのは、ピュッタボンと比較するからかもしれません。
  蜂蜜にも似た独特の香りと、まろやかで上品な味が特徴で、渋みが控えめというのは、昨年のレシピエのティーリストにあるアリヤの説明です。霧に包まれたダージリンのはるかな大地を思わせる、豊潤な甘味、という今年のコメントより、分かりやすいですね。わたしの頭の中では、そもそもダージリン地方の基本情報が不足しているので、アリヤとはるかな大地は繋がりません。ただ、トロリとした甘味は、言われてみれば、静かに視界を遮る霧のイメージかな、と。
  気分転換よりも、リラックス効果に長けた、まろみのあるお茶のように思います。
 グラム3000円は、昨年と同じ価格です。
 マリアージュでも現在は取り扱われていて、グラム5600円。パリ価格は150F。手許にあるマリアージュのお茶の本にはアリヤはまだ登場していないので、コメントを見ることはできませんが、2001年のティーリストでもアリヤの夏摘みの取り扱いはありません。
 アリヤの緑茶などが 販売されていることを考えると、中国種と聞いたことを思い出します。

 ところで、このアリヤ、渋みが少ないはずなのに渋い、という話しがありましたが、昨日、わたしも自宅で渋いアリヤを作ってしまいました。いつもより(適当ですが)ベランダの洗濯物を入れる間だけ抽出時間が長かった結果です。ものすごく濃く入れた日本茶を連想される渋みでした。かなり、デリケートなお茶かもしれませんね。

  マリアージュでは今年の新茶としてアリヤが入荷したようですが、通販できるものは完売したそうです。
                                             (電話で直接問い合わせ)
   店鋪によっては、まだ在庫があるようで、 お値段はティーリストにある定番の春摘みアリヤよりも少し
   安い5000円とのこと。グレードが定番のものと同じかどうかは未確認です。
                                             (掲示板 MOONさんの情報)

                                      01/06/20   
 
 


 ピュッタボンレピシエ 001 PUTTABONG,SFTGTOP1)

 21世紀最初の春摘みのピュッタボンです。
 今年はオークションで高値がついた(スタッフのおはなし)ということで、レピシエの販売価格も昨年の3800円から700円アップの4500円。直輸入だからリーズナブル、という法則は成り立たなくなってしまいました。(もっとも、マリアージュの7000円よりは求め易いお値段ですが...。)
 我が家の初ピュッタボンはレピシエのスッタフに薦められたのがきっかけですが、その時から昨年までは、他の多くの農園のものから飛び抜けていたという印象はありません。ただ、人気のある農園のようで、紅茶の専門店のレジ付近に「ファーストフラシュ入荷しました。」というラベルと共に、見かけることの多い茶葉です。
  昨年は買い損ねてしまった我が家にとっては、希少価値が急上昇したピュッタボンですが、2年振りに見た茶葉は、全体が白っぽく見えるほどの豊富なシルバーチップスに驚かされました。高品質の証明といわれる新芽の細かい羽毛のような毛が、缶の側面に付着するのですが、その量が今年は特別多いような気がします。未熟な渋みは、この時期ならではの若々しさを主張して、個性的なお茶かと思います。
 水色は、一際薄く、清清しい香気に包まれれてもなお、繊細な水色には心もとなさを感じるかもしれません。
ピュッタボンを出し過ぎない為には、潔さが必要なようですね。
 マリアージュのパリ価格は120F。これがどうして7000円になってしまうのでしょう? パリと日本との価格差がもっとも激しい茶葉かもしれません。また、マリナ・ド・ブルボンでは、2001年の新茶、ピュッタボンは3800円で販売されていました。グレードはレピシエと同じですが、茶葉の美しさやシルバーチップスの量には差があるように見えました。
                                      01/06/01  




 ヴェガ『織り姫』マリナ・ド・ブルボン P-112 VEGA)

 昨年から幾度か名前を耳にすることがあって、気になっていたマリナ・ド・ブルボンのオリジナルフレーバードティーです。我が家では、初登場です。
 高原のベリーフルーツとキャラメルが織り姫のロマンスのような絶妙な甘さを奏でるというこのお茶は、人気があるようで、「一番人気のオリジナルティーは?」というわたしの問いに対して、スタッフの答えに迷いはありませんでした。 キャラメルやチョコレートなどの水分が少ない加工品の香りは、わたしにとっては飲み物とは結びつかなくて、苦手な部類のフレーバーです。が、初めての店で一番人気として薦められるものを拒否するほどの食べず嫌いではないので、 素直に100グラム購入してまいりました。
 店頭で茶葉を見せてもらいましたが、甘ったるい香りは確かにキャラメルのようですが、それ以外の何かが少々気になりました。(高原のフルーツでしょうか?)あまり素直な香りではありません。が、お茶になると、わりあいに単純なミルクキャラメルの香りになって、少し印象が変わる感じです。香りはミルクティー向きな気がしますが、それほど濃い味ではないので、ブラックがいいかもしれません。グラム1300円。 フレーバードティーとしての価格はマリアージュとレピシエの中間ですね。この、価格のバランスについては近い内に「おつき合いしたいティーブランド」で。
                                      01/05/17 

  戻る