画面のレイアウトが乱れる方へ

 

      
 
                               

 2015年10月、間もなく夏時間から冬時間へ切り替わるという,パリで6泊してきました。

 2年前よりは1ヶ月程早い季節...とはいえ、春摘みダージリンへの期待は高め過ぎずの心構えでの出発でした。
 飛行機とホテルは、白紙とまではいかないものの、極薄いグレイ状態で、再検討しました。
慣れとともに感動が薄れていることを自覚しつつ、フライトスケジュールの利便性と価格で、今回も選択したエミレーツは、ことごとく『慣れ』と異なる初体験とむきあわされ、今後の航空会社選びを本気で白紙からはじめなくてはと考えさせられました。

 一方、刺激的な感動は薄れても、慣れで増す親しみが快適さに直結するホテルは...より良い(我が家にマッチした)物件をもとめて、探索をくりかえし、前回までは対象外にしていたカテゴリーのホテルに挑戦してみました。

 日程の関係で、参加可能な未参加のオプショナルツアーは選択肢が狭まりました。
候補にあげていたシャルトルもランスも折り合いがつくツアーが無く、本当に久々に、自分たちで鉄道を利用して、郊外に足をのばして来ました。『いつものクレープ』に加え、評判のクレープリーで食べたガレットが、強烈に印象に残った6泊9日、焼き栗売り登場まであと何日?という季節、街路樹も色づき始めた住宅街、ようやくボワシエに立ち寄ることが叶いました。

                                  15/10/29 

  
 更新日  23/09/17    


1日目 チェックイン後 近くのティーショップでハイティー


 飛行機の到着は13時30分、トランクの引き取り、入国手続も、ピックアップサービスのドライバーさんとの遭遇も順調でしたが、ホテルまでの道のりは、渋滞の隙間を無謀にすり抜けつつ(時に抜けきれない)、アクセルとブレーキ多用のハードなドライブでした。
 パリ市内の大渋滞....ドライバーによれば毎度のことだそうですが...いわゆる“動かない”だけの渋滞ではなくて、動かない車の列の隙間(隙間です)に、果敢に突っ込んでくる車が後を断たずたず、クラクションが連呼する交差点は、車のおしくらまんじゅう状態で固まった渋滞です。
 突っ込んだって、動かないのはおなじなんですけど、動く時にはお行儀よく待っている車よりもひと足先に進めるという...わたしたちを乗せた車も、突っ込んだり、よけたり、よけさせられたりで、しばしば,目指す進行方向レーンからはみ出しながら、先を急ぐ気合をみなぎらせた走行でした。
 主人の好意的解釈によれば、はるばるやってきた旅人を早くホテルに送り届けてやろうという気合いだということになるのでしょうか...。ただ、実際には、ホテル到着までは2時間余りを要しました。

 上手くすればこの日の内にマリアージュに行くことができるかもとの予定は、無理をすれば行けないこともないとの時間になったので、無理はやめました。少しの時間、ホテル回りの様子見のつもりでちょいと出かけたところ、リュクサンブール公園や、クレープリー・ロードを確認する前に、もっと近くにあるらしいt紅茶専門店(お茶の専門店というべきでき?)のチェックに向い、入店して.......そのまま奥のサロンスペースでティータイムとなれば、時間が経つのはあっという間!
 初日は、ホテルとCANONというお茶店を往復したに留まりました。



2日目 シャルトル観光 市内公衆トイレの鍵はかからず...

 市内をブラブラして、ちょっと買い物をして、貸し出しや修復やらの事情で展示されていない時期に当たって見そこねていた名画観賞を目的に美術館を再訪したり...で、時間を持て余すことはないし、物足りないわけでもない....。
 いつもの...といっても数年振りなのですから、変わらない街並への懐かしささえ、充分な刺激です。

 だけど、経済的打撃を覚悟で(開き直ってとも言う)の海外旅行ですから、ちゃんとした観光もしてこなければとの『もったいない根性』を捨てきれない身には、ありがたいオプショナルツアー。自力では少々不便なパリ近郊経のショートトリップは、道中が休憩になりますし、今回も予定に入れました。
 ところが、未だ行っていないところで探すと、選択肢が殆ど残っていないんですよね。。
 ランスかシャルトルに絞ったものの、前者はシャンパーニュ地方を巡る(ワイナリー見学とか、シャンパンのティイスティンとか、ですね。)中に大聖堂見学も組み込まれている約12時間のプランで、シャンパンは要らないわたしには不向きでしたし、後者は、貸切チャータープランで日本語ドライバーがつくものの、大聖堂は英語オーディオガイド....う〜ん、それなら、自分たちで行った方良いかもという話になりわけです。わたしたちは、オプショナルツアーはエッフェル塔での晩ご飯と撚るのセーヌ川クルーズという体験ものでてを打ち、久々の列車利用で、シャルトルへのショートトリップを決めました。

 シャルトル行き発着のはモンパルナス駅発、宿泊ホテル近くなので、歩いて向いました。
 乗車時間は1時間程度だし、列車の本数も多いようなので、10時過ぎ頃の出発を一応目標にしつつも、具体的な決めごとはせずに、駅に到着しました。切符を買おうという段になって、主人が直行便と、乗り換え便があったことを思い出し、慎重に、乗り換えせずに済む便の時間を確認すると、間もなくの便があったので、券売機と向き合ったのですが...行き先にシャルトルがない。発券機違いらしいとの勘が働き、結局有人窓口で、シャルトルまでの往復チケットを購入しました。
 当然、間もなくの便よりも1本遅い列車になりましたけど、窓口のスタッフの指示に従いエスカレターで上階に移動して、あ、このフロアから出発するんだと気づいたわたしたちは、当初のフロアの発券機と格闘を続行していたとしても、シャルトル行きの切符は買えず、乗り場にも迷い、間もなくの便には間に合わなかったことは明らかなので、結果は同じでしたね。いえ、要はフロアが違っていたわけですから、窓口利用に切り替えなかったら、1本遅れではすまなかったかも...(上階の出発フロアの発券機には判り易くシャルトルの行き先も表示されまてした)。

 車内は通路を挟んでで2席×2席。1時間くらいなら良いけど、長旅には向かないコンパクト仕様でした。
 シャルトル駅について、まずトイレに...のつもりだったのですが、ホームから駅舎を通らず(駅舎横の柵から)外へ...。外から駅舎内にもどってみましたけど、一見トイレは見当たりません。コンビニらしきショップの奥とかに、おそらくはあるのでしょうけど、まあ、大聖堂回りにもあるんじゃないのと(観光客がくる場所なんだから)推して、駅でのトイレはパス。

 で、聖堂を目指して歩いて行く途中、道路の交差で出来たデッドスペースのようなところにキチンと建つ公衆トイレらしきものが目に留まりました。回りを囲むブロック塀は低く、四方からの視界がとどく建物は、近づいてみると、やはりトイレで、背中合わせに、男性、女性用に分かれて、それぞれ個室が4つありました。
 公衆トイレにしては、マトモそう...。 大聖堂回りにもっとマトモそうなトイレがある保障もないし...ココで手を打っとこうかということになりました。で、主人は左へ、わたしは右へ。縦に4つ並んでいる個室の...奥の方へ...はこのケースではやはり抵抗があったので、一番手前の個室を選択しました。
 ドアを開けると水のながれる音がしましたっけ。個室内部には手洗いの洗面台も設置されていて、マトモそうとの期待に、それなりには応えてくれる状態でした。基準をどこに置くかにもよりますけど、パリ観光中に我家が立ち寄るエリア内にある公衆トイレの中では、トップクラスかもと思えるレベルでした。...が、扉をロックできないじゃありませんか。ロックしなさいとアドバイスしているような図がはられてるんですけど、その図に書かれているモノが無いんです。
 隣は鍵がかかるのかと覗いてみたら、そこは内部の...造りは同じでも状態が悪かったので、利用を断念。手前の個室は、利用にはたえられるんだけど...鍵がない...と悩んでるうちに、主人が出てきたので、見張り番を頼みました。
 女性トイレの前に立ってたりしたら、よからぬ者とと間違えられないかとか、言葉がは通じないだろうにとか、問題はありましたけど、誰かが開けようとしたらドアの前に立って「入ってます!」といえば何とかなる...と。(少なくとも、わたしは緊急事態を察知出来ますから。)
 わずかな時間ですし、実際には何事も無く、用は足せましたが、今度は水が流れません...流し仕方が判りません。
 隣の個室...ほどひどくはないと言うのは自分の主観,他人にすれば似たりよったりには違いない状況のまま去るのは不本意でしたが、仕方がありません。手洗いの水も自動で出たまま止まらないのを気にしないこととして、外に出ました。最初にドアを開けた時に水のながれる音がしたし、もしかしたら出入りに反応するかもと考えないでもありませんでしたが、結果は判りません。(一応、一旦出た後開けてみましたが、状況変わらずでした。)

 帰国後にネットで見つけた2012年時の情報によれば、このトイレ、そもそもは有料の全自動トイレだったようで...半壊してたんでしょうね。少なくても、コインを提供する部分は無く、無料化が進んでいました。

 生理現象の不安も取り除いてスッキリと,余裕でシャルトル大聖堂へ。
 大聖堂については、公式、非公式の情報に不足することもありませんから、わたしが得た情報をここで繰り返す意味は無い気がします。

 異なるデザインの尖塔を、なるほどと眺め、シャルトルブルーで知られるステンドグラスの、さすがの美しさにため息を連発し、外国人が多く集まっている箇所にはとりあえず立ち止まりって見学のそぶりを見せ....配布されていたカイド紙に記載の見学ポイントをチェックしてまわるという、格別参考になりようもない行動の後、外部の見学ポイントを見るべく外を一回りして、裏庭(?)のベンチで,記憶が鮮明なうちに今見てきたポイントと購入したガイド本の解説を照らし合わせました。そこで一カ所、『ラビリンス』がなかったという話になりました。

 我家が購入した小型の日本語版ガイド本では、“身廊中央部の迷路”として写真が載せられているだけでしたが、大聖堂内外のショップではラビリンスをモチーフにしたグッズが沢山取り扱われていて、なんだかとても重要なシンボルのような印象だったんですよね。
 なのに、主人もわたしも記憶に無いのが気にかかるじゃありませんか。
 そこで、ラビリンスのある箇所を充分に絞り込んでから、再度、聖堂内に...。身廊中央部に直行するも、見当たりません。ガイドに紹介があっても、実際には..ということもあるし、無い、無いとウロウロする中、主人が先に発見しました。

 きっちりと並べられた椅子の下、床面模様だったんですね。
 しかもかなり大きいので、そこにあると判って入ればともかく、この辺にあるはずと探しても、見つけにくい模様です。 第一、パリのガイド本出紹介されているシャルトル大聖堂の案内にラビリンスの記載は、我家が今回利用した数冊にはいっさいありませんでしたしね。

 身廊中央部、床と付け加えて欲しかったと思いました。

 帰宅後、シャルトル大聖堂のラビリンスで検索すると、ラビリンスが現存しているのはランス、アミアン。シャルトルの3カ所のみとか、
1200年頃に作られて以降一度も修復されること無く現存しているとか、へええ〜と感じ入る情報を。得ることができました 。
 ...ガイド本だけで無く、ネット情報も活用してからでかけましょうということですね。

 パリへの帰路、到着したときにわざわざ確認したパリ行きの列車時刻を(1持間に2本の内のどちらかが、利用出来ない)二人揃って確証が持てなくなっており、結局、トイレの見当たらないシャルトル駅構内で予定以上の時間を無為に潰すハメになりました。

 記憶を過信せず、メモを取りましょうという教訓ですね。
  
                                               16/03/17 


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3日目 オルセー美術館に立ち寄り、マリアージュ・フレールとボワシエへ ヴァンブー蚤の市空振り

 
日曜日、お店が軒並み休みになるので買い物が出来ないと言われた時代もありましたが、昨今はそこまで不自由を感じることもなさそう...と思いつつ、一応、目的店の定休日をチェック。
 マリアージュ・フレールとボワシエは営業の確認が取れたので、オルセー美術館経由で、ボワシエまで足をのばすことになりました。
 何度か計画倒れになっているボワシエには、今回の予定も未定に終わらせないためにも早めに時間を費やすことにしました。後回しにすれば、それだけ、時間配分が窮屈になるんですよね。
 本来なら1日費やしても...のオルセー美術館には、前回展示されていなかった特定の絵画を見るだけでしたし、3日目はゆとりの時間配分で、ランチはマリアージュで、お茶はボワシエで...と思ったら、ガイド本ではボワシエのサロンは休業となっていたため、ボワシエの近くのラ・パティスリー・デ・レーヴの利用を予定に入れました。

 ただ、余裕があるとつい欲がでるもので、朝食中に、ヴァンブー蚤の市に行くなら今日しかないいという話が持ち上がりました。蚤の市にボタン屋さんを尋ねる予定は、今回は無かったんですけどね...ボタンも足りてるし、わざわざ時間を割いてまで行かなくても...と、思っていたんですが、時間があるならちょっとだけ寄り道してみようかと....。
 ところが、蚤の市は記憶に違わずでしたが、肝心のボタン屋さんが、みあたらないじゃありませんか。ネームカードを持参していなかったものの、あらかたの場所は覚えています。見当をつけていたあたりにボタン店の陰も形も無い状況に、わたしたちは困惑しました。出店場所が変わったとは考えにくい..にくいけど、もしかしたらの思いで、本来あるべき場所を通り過ぎ、市の先端までボタン店を探し、横道にも足を延ばして、結構な時間を費やしてしまいました。
 諦めの悪さが仇になったと言いましょうか、結果論ですが、(ボタン店は)いないということをもっと早く解るべきでした。撤退したのか、たまたまのお休みか...日本の催事出店に忙しくなって蚤の市に来られないんじゃないかという主人の理由付けが当たらずとも遠からずで、わたしたちがヴァンヴーの市で迷子さながらにウロついている時に、アンティークボタンの専門店は日本の催事に参加中だったということを、翌年の、これまた催事会場で再会した店主から聞かされました。(アンティークボタンはこれきり、これっきり参照)
 出店スケジュールを聞くにつけ、ヴァンヴーよりも日本国内催事場での再会の方が、そうとう確立が高い気がしました。
 ゆとりがあるからと言っても、目的達せずに終わった時間は『無駄に失った貴重なひととき』...マリアージュ・フレールとボワシエでの大量買いは、ヴァンヴーでの無収穫の反動があったかも,と言うのは午後の話。

 これで、オルセー美術館で目的物が無ければ、徒労の上塗りになるところでしたが、ありがたいことに、ようやく2枚対で観賞することが叶いました、ルノアールの“田舎のダンス”と“都会のダンス”。2枚一緒に紹介され、解説されることが多い作品なのに、最初に見た時には、“田舎のダンス”は貸し出し中で、“都会のダンス”の横にはバランスの悪い空間、改装後に訪れた前回は2枚ともが貸し出し中で、空間もみあたらず....何度も肩すかしを食らった作品です。
 余談ですが、今現在、この二つの作品は揃って8月下旬まで来日中....座して半年待てばオルセーに行かずとも観賞は叶ったということになりますが...観賞環境の違いを思えばね...オルセーで見られたことは幸いでした。何しろ、混んでいるといったって、2枚の画だけを切り取って見ることができるんですから...近寄って眺めて、離れて観て、正面から写真を撮って、角度を変えてまた撮って...をストレスなく出来る程度の混雑具合でした。
 ちなみに、館内作品の撮影は、前回は全面禁止で、持参したデジカメもビデオもただのお荷物になった経験上、今回は身軽にでかけたところ、禁止されていたのはフラッシュ撮影のみに変わっていました。館内あちらこちらでiPhonをかざす来館者多数....我家も倣いました。
 オルセーでの目的をクリアして一路、マリアージュでアフタヌーンティーではなくランチを...の予定でしたが、その前に、少々歩いて、ドラクロワ美術館に寄りました。
 4日間有効のミュージアムパス、利用出来るところがあるなら利用しておかなくちゃというノリでの入館でした。
 さほどの時間はかからないはずでしたが、入館してすぐ、コート類をロッカーにあづけるべく、受付前を奥に進み左に折れてロッカーの扉を開けたところで、主人が持っていたはずのミュージアムパスが無いと言い出し、探索に思わぬ時間を要しました。
 動いた距離はごくわずか、わたしたちの他は誰も通っていない通路で落としたらイヤでも目につくのか明らかなので、(最初はふざけてるのかと思ったくらい)どこか...コートのポケットにでも入れたんだろうと、常識的な推測に基づき、ロッカーに押し込んだコートを取りだしてチェックしましたが、見当たらず....。ショッピングバッグはもちろん、ショルダーバッグの...この短時間にそこにしまい込むだけの動作はしていない、つまりはあるはずは無いと思うところまで探しましたが見つからない....。コートのポケットに戻って、最初からもういちど...探しなおし...というとこに至ってトラブル感がつたわったのでしょう。最初に館内入り口で迎えてくれたスタッフに、様子見に来られちゃいました。
 展示室に上がるエレベーターは、受付の真ん前、手荷物をロッカーに置いたら戻ってくるはずの観光客二人....ロッカーを使うにしてはあまりに時間がかかりすぎるというわけです。
 で、ミュージアムパスが見当たらないので、探してることを伝えると、スタッフは問題ないと...。自分はちゃんと見たから見学したらいいというのですが、もちろん、問題はそこではありません。4日間有効のパスを、初日、2箇所目でなくしてちゃ、笑えません。まあ...ね、単なるミュージアムパス、買い直せばいいだけの話という考え方もアリでしたが、ただ、さっき提示したパスが数分後に無くなるなんてこと、ありえませんから、探すわけです。後回しにすればエリアも時間も広がって、本当に無くすリスクが高まります。

 探す範囲が狭いうちに... キチンと探せば、.....ありました。主人の、ズボンのポケットに! コートのポケットより何よりさきに、まずは最初に確認しているはずの、スボンの脇ポケット!
 そもそも無くなっていないモノを、範囲を拡げて探していたという、笑い話ですね。
 顛末を知ったスタッフにも、当然笑われました。で、ご苦労さんとばかりに「あげる」と差し出されたのが、その場では有益とは言いにくい仏語と英語の案内紙(右イメージ)でした。

 ササッと済むはずのドラクロワ美術館...展示室に上がる前に費やした時間よりも早く観賞を終えるのに気が引けて、展示室を繋ぐ中庭での休憩も追加。
 マリアージュでのランチは、ティータイムに、ボワシエでのお茶は...お茶以外のメニューは終了という時間にずれ込むこととなりました。(マリアージュ・フレールボワシエについては番外編レポートをご覧ください。)

                                               16/04/21 


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4日目 目的のクレープ店休日 専門店でエクレアを購入後 ひたすらの散策(マレ地区からエリゼ宮)
 
 
宿泊ホテルをきめる時に、立地と回りの環境をチェックしますが、今回のホテルのすぐ側にクレープ店が連なる通りがあったので、興味をそそられました。
 以前にノルマンディー地方のホテルで、朝食に提供されていたそば粉のクレープがおいしくて...ガレットが我家のプチブームになってい頃でしたから、すぐ傍にあるクレープロードをスルー出来ようはずもありません。店のオープンは11時〜11時半頃......それなりに遅くまで営業している様子でしたが、無難なのはランチで利用と判断し、ネットでの評判を参考にクレープ通りの1位と2位の店をピックアップ。どちらも日曜休日となっていた為(我家がチェックした資料)、“クレープ店訪問”は月曜に組み込みました。
 4日目、月曜日の午前中は近場の散策に止めて、一旦ホテルの部屋に戻り、夕方までの身支度に整え直して、クレープロードの一番人気店ジョスランに向いました。混雑必至の店なので、開店と同時に入店するべしとのアドバイスにしたがって、到着したのは開店10分前.....情報に反して特に開店待ちらしきゲストの姿はなく、店内にも明りはありませんでした 
 10分前です。普通なら開店準備の気配がないのはおかしいと思うところですが、「日本じゃないしね〜。」と物わかりのいい観光客になってしまって...待ちました。が、予定の時間を過ぎても扉はひらかれず、店内も暗いまま...。周りの店はといえば、開店しているところもあるし...さすがに、まさかの休業?を考えないわけにはいかなくなりました。日曜定休ってかいてたよね!と、当てにならない情報を嘆くよりも,決断をしなくては...。つまりは、他店で食うか、出直すか、です。
 出直すとなれば、チャンスは翌々日の一度だけ...ホテルの近くと言うのは、便利なようでいて、お昼過ぎまで界隈から離れにくい為、割と時間の無駄使いになるんですよね。そこで、もう一件の人気店で手をうとうとしたんですが、よりによってそこも休みじゃありませんか。というより、休みの店の割合が多いんですね。人気店休業日に営業している少数派の店で手を打てるかといえば......妥協は得策ではないとの結論に至り、4日目の午前中は、目的のクレープ店が休みだったことを確認して終わりました。
 
 この日のお昼は、それ故、少々遅めのテイクアウトクレープになりました。
 間もなく20年が過ぎる最初のパリ旅行の時から、必ず立ち寄っている店で、オーダーメニューも同じハムチーズ....複数回立ち寄った時にはマロンクリームかなにか,甘みのあるものをオーダーしたこともありましたけど、 我家の定番はハムチーズです。歩道に面して在る店は、カフェのテラス席スペースの端の一角にあって、店内でオーダーされたクレープも焼いているようでした。わたしたちの注文を聞きながら焼かれていたクレープはちゃんとプレートに乗っけられてギャルソンにわたされてましたっけ。

 テイクアウトの場合は右イメージのような感じ(イメージは2010年のもの)で、畳まれて畳まれて6層になった生地は、それ自体が結構なボリュームがあるところへ、とろとろにとけたチーズとハムを抱き込んでいるので、厚みを増して、重さを感じる仕上がりです。自らの重みでのけぞらんばかりのに危うさを見せるクレープの上部にかじりつきながら、わたしたちはすぐ側の教会の入り口前の階段に腰を下ろして、持参している水とともに2年振りの『いつものクレープ』を味わいました。
 日本でなら座る場所の選択肢には入らないパブリックスペースの石階段ですが、ヨーロッパの都市では、公園のベンチよりも座っている人が多いので...道路沿いの階段での休憩に抵抗も無くなりました。
 面白かったのは、その石階段で他の人たちが食べているのもクレープで(多分同じ店),そして、前を通り過ぎて戻ってきた二組が、やっぱり同じ店(多分)のクレープを持っていたこと....。店と階段はいい位置関係にあるということでしょうね。

 お腹をふくらませた後は、馴染んだ通りの見知った店と新たに出来ていた店をのぞきつつ、 オペラ大通りからサントノレ経由でフォーブルサントノレ通りへ、目指すはエリゼ宮..ではなくエリゼ宮の近くにあるはずのキャロンという香水店。バラの香りを基調としたアイテムがポピュラーという話だったので、何か購入するつもりで向いました。途中で、バラの看板に誘導されて、違う香水店にも立ち寄ることになりましたが...無事に到着したキャロンには、主人は入店したがらず外で待機...。
 単身入店のわたしも...香水は常用していないので、ビンを選んでの量り売りにまでの欲求は湧かず、スタッフには何か小さい土産を探していると伝えました。知人と、自分用に...勧められたのがバスパールとか言う粒状の、お風呂用のエッセンシャルオイルでした。
 .....入浴剤です。香りは3種類あって、スタッフはサンプルシートにアトナイザーで香りをふって、ひとつづつ説明してくれました。香りの元はバラのみにあらずでしたが...香りでピンク、見た目でホワイトの粒を選びました。
 入浴剤だよ、バス・エッセンシャルだよとくどくどと言わなけりゃ...下手すればバスタブじゃなく胃袋に入れられちゃいそうな美しさ。使い勝手が良いかどうかはともかく、手元にあることで満足度がアップする優れアイテムでした。
 現地価格は39ユーロ、当時は1ユーロ13*円でしたから、5000円前後... 現在正規販売店での通販価格が4500円(入荷待ち)と言うのが....心境複雑です。

 話は前後しますが、クレープにかじりつく前に、わたしたちはマレにあるエクレア専門店に立ち寄っていました。
  つまりは半日エクレアを持ち歩いたことになりますけど(もちろん保冷剤など無い)、これは 、おいしく頂いて、お腹の調子を崩すことも無かったのでいいとして....マレ地区にはエクレアを買うためにだけに回り、ついでに、もう充分購入したから行く必要なしとしていたマリアージュ本店につい寄り道をして、茶葉を追加購入しましたが....このエクレア専門店が、2日後、オデオン地区(宿泊ホテルからはマレより近い)にも出来ていたことを目にして、もったいない時間の使い方をしてしまったと後悔しました。オデオンでも入手できたなら、長々と持ち歩くこともなかったんですもんね。

 そして...極めつけは帰国後の京都...。
 高島屋地下の、これまではウィークリーコーナーだったところに覚えのあるマーク!
 パリで大人気の...というエクレア専門店が、京都高島屋に出店(高島屋との提携。レシピに基づいて国内製造)してたんですね〜。
 
 京都に行ったら レクレール・ドゥ・ジェニのエクレアを買うことが今は習慣づいてしまいましたけど、高島屋に見つけた瞬間は主人もわたしもそれなりにショックでした。喜び半分...以下、パリでの感動体験がこんなに早々砕かれなくても...という思いでしたけ。

 パリで2012年暮れにオープンした店が、実は14年10月にはもう、日本橋高島屋に初出店していたなんて...世界は狭くなりました。


                                              16/05/13 


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5日目 凱旋門再び 夜はディナーと夜景観賞のOPツアー

 凱旋門もエッフェル塔も、定番スポットだからと20年近く前に観光はすませたものの、エッフェル塔はチケット購入で大変な目にあったし...凱旋門は、あると信じていたエレベーターとの接触が叶わずの階段苦行...いずれも気合いや勢いだけではどうにもならない...体力必至を実感した観光スポットでしたから、その後は、もっぱら外観観賞に徹してきました。でも、失いつつある体力が無くなってしまう前に、もう一度くらいはがんばって(上って)見ようかという話になり、今回、開き直り半分で予定に入れました。条件はこの先悪化することは間違いありませんしね。
 エッフェル塔は展望階にあるレストランの夕食付き、セース側クルーズ夜景観賞という、ちょうどいいオプショナルツアーがあったので、フィットするツアーが無かったシャルトル観光の代わりに、申込みました。チケット購入の問題点はクリアです。

 課題は凱旋門! 最大限に体力を温存した状態で臨むべく、この日はホテルからどこにも寄り道をせずに、まず凱旋門をめざし、記憶にある地下のチケット売り場に並ぼうとしましたが、ミュジーアムパスを持っていたので、列をとばしてそのまま階上入り口に誘導されました。(早くも階段)
 地上階では入り口の外に設置されたブースでスタッフがチケットを回収、ふた昔前は薄暗い建物の中で回収され、行く手には階段のみという状況に惑ったものでしたが、今回は覚悟を決めての参加でした。が、パスを提示したわたしに、チケット回収担当のスタッフが言いましたね〜。
 「リフト乗るかい?」
 日本語で言えば、そんな言い回しになるでしょうか。
 リフト...エレベーター...かつてはあると信じていたのに、まみえること無く終わったエレベーターです。
 乗るかい?と、ここで聞かれるとは思っていなかったわたしは、迷いました。だって、わたしたちの前にいたゲストはみんな(見る限り)チケットを渡すか、パスを見せるかの所作のみ、殆ど立ち止まることなく、左手の入り口にむかっていたのです。突然に、リフト乗るか?との問いかけです。おいしい話に喜ぶよりも、むしろ警戒心が頭をもたげたくらいです。そこで、リフトの利用はおいくらなのかと一応尋ねました。 ....無料だそうです。もしもリフトに乗りたいなら、連絡しておくから向こうで待っていれば良いとの説明を受けました。 向こうってどこよというのはともかく、言葉の壁はこんな場面で必要以上の疑念を抱かせるものですね。
 リフトに乗りたいなら無料で乗せてあげるけど、どうする?と聞かれている....という理解で間違いない? わたし、勘違いしてませんか?と、日本語で確認したい気分なのですけど、すぐ後ろにいた主人は、(わたしの顕著な困惑は伝わらなかったようで...)さっさと列からはなれて、リフト乗り場に向うべく待機モードじゃありませんか。 そりゃね、乗せてくれるというリフトに乗らない選択はないんですけどね。 他のゲストを左側の入り口に案内しつつ、ブースから身体半分出してスタッフが示してくれたのは、対角線状にある凱旋門の足下でした
 ..結構遠い。スタッフとは言葉はもちろんアイコンタクトでのコミュニケーションも叶わない距離です。(左イメージ。右側手前と左側奥の位置関係)
 ここ?と聞く相手もいない場所に立って、首をかしげている間に、壁のように見えた扉が開いて、リフトの存在があらわになりました。中にいたスタッフによびこまれて入ると、リフトはスーっと上昇、扉が開けられたのは凱旋門上階内部、ショップの裏側辺りでした。
 下でも上でも、いわゆる呼び出しボタンの類も無く、扉が開くまで稼働してるのかどうかも判別しにくい、シークレットアイテムでした。
 降りる時にも利用できるのかどうかの不安はありましたが、おとなしく待っていたら、やはり唐突に扉が開いて、利用に際してのトラブルはありませんでした。
 リフトを利用しても、外の展望エリアまでは階段が残っています。この、残りわずかな階段を上って、息切れを感じたわたしは、リフト乗るかい?と尋ねてくれたスタッフに、心底感謝しましたっけ。
 それでも、なぜ?とは思うわけです。
 主人は、わたしを螺旋階段上りの列に組み込ませると大渋滞を起こしそうだと思われたんじゃないかといますが、それは、わずかな階段でハアハアいった結果の自己分析。朝一番、気合いも充実していた時に、渋滞を起こす危険を見抜かれたなんて....スタッフの観察力は凄いねと納得出来る話じゃありません。

 で、夜のオプショナルツアーのガイドに、凱旋門のリフトにはどういう場合に乗せてもらえるのかと聞いたのですが、「リフトは使えませんよ。使えるのは身体が不自由な方か高齢者が、あるいはトップクラスのVIPだけです。」...即答でした。
 VIPでないことは確か、サポートなしでも不自由はない、となると、高齢者枠で乗せてもらえたってことでしょうか?でも、主観ではなく、どう見てもわたし以上の高齢者も沢山階段を使っていましたから....謎は深まっただけでした。(おそらく、渋滞回避の策だったのでしょう。)

  エッフェル塔、展望レストランでの食事は、可もなく不可もなく...と言いたいところですが、この時だけ一緒になるツアー参加者と相席するリスクを感じました。
 初対面同士でテーブルを囲む1時間少々、ふさわしい話題は自ずと限られてくる...と、思わない方々がいらっしゃるようで、早い話が一緒にされたくないような人たちと一緒のテーブルについてしまって、アンラッキーでした。2人席、4人席よりも8人席が多い、レイアウトは...ツアー対応なんですから仕方ないですね。

 ただ、ツアーの位置づけはともかく、我家にとってのメインは ご飯ではなくナイトクルーズでした。
 海外では暗くなってから自分たちだけで出歩かないのが、我家の原則!夜景を観るためにはオプショナルツアーに参加しましょうと言うわけです。しかも、行きは指定場所に集合でしたが、帰りは参加者各自の宿泊先まで送ってくれるという安心のナイトツアーでした。が、、ナイトクルーズ船の席が確保されているわけではありません。食事を終え、船着き場を目指すわたしたちの前に立ちはだかったのは、降下エレベーター待ちの大混雑でした。
 上の展望室(ここにもレストランがある。)でほぼ満員状態になって到着するエレベーターに乗ることができるる人数が多くないので、なかなかはけないんですね。オプショナルツアーのガイドは、遠慮しないでギュギュと押して全員乗ってください。下りたら(船着き場まで)ちょっと急ぎます!と言ってましたが、アドバイスは次こそ乗りましょう、無理矢理でも皆さん乗ってくださいに変わり、そのうちにもしも全員一緒に乗れなかった場合は(エレベーターを)下りたところで一旦集合しましょう、となり、(集まったら)全速力で走ってください!という指示も加わりました。
 結果、参加者が分断されることこそ回避出来ましたが、おしいところで船には積み残されました。
 わたしも、ガイドにはなされまいと、往路は集合場所で履き替えたヒールを、帰路はレストラン内でウォーキングシューズに履き替えて走ったんですけどね、 先頭を走って行ったガイドが脱力した様子で振り返ったのを見て、悟りました。船が出るのは30分毎、つまりはほんのわずかの差(乗船は締め切られてましたが、船は出航時間待ちで未だ桟橋を離れていませんでした。)で、わたしたちは、30分を船着き場で待たされたのでした。乗船は10分程前に開始されましたから、寒空の下で立たされたのは20分くらいだったでしょうか。
 
 夜の気温低下に備え、わたしは昼間のパーカーのかわりにをダウンコートを羽織っていましたし、主人は、パーカーはそのままに、こういう時にはコンパクトさと軽量がモノを言うユニクロのダウンベストを鞄に入れていたので(即着用)寒さはともかく...でしたけど、待つだけの30分は....愉快ではなかったです。
 なかなかに終了時間が読めないツアーだったということですね。

 クルーズ船は、わたしたちが以前日中に利用したものよりもコンパクトで、6人以上座ることの出来る長い座席は進行方向に規則正しく配列され、船内にガイドサビース等もありませんでした。外が見やすい窓寄りに座れば、動きが封じられそうなので、わたしたちは一番後ろの、半分程の長さの椅子を選びました。
 寒空の下から暖かな船内へ...落ち着いちゃったからか、さほどスペースの無いデッキに出てくるゲストも殆どいなくて、貸切状態のデッキに出ての撮影も自在でしたけど...常に後ろ向き...近づいてくる景色ではなく遠ざかって行く景色を撮り続けた夜でした。


                                            16/06/02 


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6日目 ガレット堪能後ショコラティエ数件をめぐり、最後の買い物はパンとバッグ

 
前夜は夜景観光のオプショナルツアーの終了が予想よりもかなり遅くなりました。
 ホテルの送り届けてもらって、一休みして、お風呂に入って...気がつけばとっくに日付が変わっているという状況だったので、6日目は、ホテルの朝食営業時間内に合うように起きることを断念しました。
 11時30分にはクレープを食べる、早いお昼ご飯に備えるには、早めの朝ご飯を...というもともとの計画は、深夜のお茶(とおやつ)と、朝ご飯抜きに変更。
 遅く起きたわたしたちは、2日前にカラぶりにあったプレープ店、ジョスランの開店時間までの間、この日はホテルの部屋で時間を潰しました。まあ...潰すに余る程の時間もありませんでしたけど...。
 
 開店直前のジョスランは、2日前とは違って店内に人の気配がありましたが、ガイド誌に書かれているように並んで待っているお客の姿はありませんでした。店の前に張り付いて、一番乗り...にも抵抗があったので、店を通り過ぎ、大通りの交差点から様子を伺っていると、ガイド本片手にわたしたちの横を通り過ぎた2人組が、ジョスラン店内に消えて行ったので、わたしたちも後に続きました。
 入店するお客を目撃してなければ、営業してる...よね?と、迷うような開店ぶりでしたっけ。わたしたちは2組目じゃなく、4組目でした。(先の2組はいつ入店したんでしょう?)
 なが〜い営業年月を感じさせられる店内の、木製のテーブルと椅子はコンパクトでしたが、パーテーションで仕切られているので、肘がしきり板に当たることはあっても、隣席のお客の影響を受けることはなさそうでした。なによりも、どの席に案内されたとしても、通路がちゃんとあるというゆとりの座席配置を評価すべきでしょうか。
 カフェは言うにおよばす、サロンを名乗る店でさえ、席が埋まれば、通路が無くなるところは珍しくありませんものね。

 わたしたちがオーダーしたのは、店名がつけられたクレープでした。
 メニューが多くて....吟味の結果ではなく、店名が付いてるくらいだからお薦めなんだろうという安易な選択でした。

 ところで、メニューには、デザートクレープ、食事用クレープが分けて書かれていましたが、すべて、クレープでした。
 我家のプチマイブームはガレットです。そば粉のクレープ=ガレットという認識だったわたしは、メニューのどこにもガレットの文字が無いので、多少のショックをうけつつ、クレープで手を打った気分でした。しかも、入り口すぐ傍のキッチンカウンターには、既に焼かれたクレープが山盛り....。(...作り置きなの....?)と、テンションは、正直少し下がりましたっけ。
 で、ほどなくでてきたのが上のイメージです。焦げすぎたクレープではなく、これはやっぱりガレットでした。中味はハムとチーズと茸と...卵だったでしょうか。4角を折り畳んで四角くした生地のうえに具材を乗せるタイプよりもかなりボリュームがありました。焼きすぎかと思えたくらいにパリっとした生地は、あつあつ、トロトロの具材とよく馴染んで、見た目も内容も予想とは随分違ったモノでしたけど、おいしかったです。 パリ旅行の機会があれば、またジョスランに行くかといえば、スケジュールをやりくりして行きます。ただ、次は二人が同じ物をオーダーするより、2種類を分ける方がいいかも。(一人で来店されたおじさんのテーブルの横で仕上げの実演中だったクレープシュゼットもおいしそうで...)
 ちなみに姉妹店に関する情報誌の説明では、具が上から見えるスタンダードなガレットに対して、ガレットを2枚使って中の具をサンドするダブルクレープが名物だとか...。姉妹店のみの特色ではなく、おそらく本家ジョスランも...だったのでしょうね。

 この日、最初の予定をつつがなくクリアして、向ったのが、オデオン地区にあるショコラティエでした。前回,最終日に購入したドラジェやゼリーがおいしかったので、再訪した店で購入したエクレアを道中でほおばりながら、利用履歴がある店が並ぶ通りへ....まずは通りを抜けて立ち寄ったキプリングでは主な収穫はありませんでした。
 今回活躍したショッピングバッグを補充したかったのですけど、2年前の商品が継続してあると期待したのは、間違いでした。
 
 でも、期待していいのが、パン屋さん。
 2年前は4分の1にカットしてもらった田舎パンを、今回は半分持ち帰りました。丸ごと一つという案もありましたけど、トランクの空き加減が微妙だったので、半分....。実際丸ごとだと、パッキングは無理でした。

 そして、パン屋のすぐ傍に、イルビゾンテのショップがあるんですよね。
 ここはパリだけど...というこだわりは不要。
 手持ちのバッグがオーストリッチ素材ばかりになってきていたので、ベーシックな素材のものをひとつ...ファスナーではなく,ファスナーでもいいけどフラップが付いたものを探すつもりで入って、すぐ、ファスナーもフラップカバーも無い巾着型のミニバックにひとめぼれして、求めていた物とは全く条件の合わない物を購入してしまいました。
 店主がオリジナルの鉛筆を5本プレゼントしてくれましたけど...我家には鉛筆削りが無い(そんな時代になっちゃってました...。)

 パン、バッグ、チョコレートなど購入したものを部屋に置いてから、すぐ近くにあるマルセイユ石鹸の直営店を見に出かけました。切り売り販売らしい巨大な石鹸の固まりはながめただけ。折角だからと、大通りのこちら側、ホテルがある通りと筋違いの通り(短い)を順に見て歩くうちに、突き当たりがリュクサンブール公園の入り口になっている通りで、ジャン・ポール・エヴァンのショップを見つけました。
 並びにパティスリー(店名記録し損ねました)、向かいにはジェラートショップ(アモリーノ)もあって、今回利用したホテルが、実感していた(駅近、地下鉄乗り場2カ所)以上に便利な場所にあったことを知りました。

 ジェラートショップは店内で落ち着いて食べられるテーブル席が用意されていて、充分に空席があったので、カップで2種類づつ、4種の味を楽しみました。
 学生が多いと言われるエリア、混み合う時もあるんでしょうけどね。店内が満席なら、テイクアウトして目の前の公園へ(むしろこっちが主流でしょうか)....羨ましい環境でした。

 上イメージ
  イルビゾンテのショップの店主がくれた鉛筆。....クラシック仕様です。

 左イメージ
  リュクサンブール公園手前にあった、ジャン・ポール・エヴァン。公園入り口は左手先。ジェラートショップは、道路を挟んだほぼ向いにありました。

        
         16/06/09 


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7日目 チェックアウト 15分以上早い『迎え』に慌て、予定していたチップ(スタッフへの)を忘れる


 2010年のモン゛サン゛ミッシェルをハイライトとしたツアーで、現地ガイドと“パリではホテルメイドへのチップは不要”という話をかわしたことがきっかけで、我家は前回も、そして今回も、ルームメイドへのチップ、いわゆる枕銭を置いて出かけるのをやめました。
 昔々に...初海外旅行の前に、海外ではあたりまえの習慣として情報をえて以来、長きに渡って遵守すべきルールと理解してきたことですから、それなりに勇気を要する決断でした。手元には前の旅行で使い切らずに持ち帰ったコインもあるし(昔はチップ用コイン確保のために到着後にまず現地空港内の両替窓口に走りましたっけ...。)1ユーロ、2ユーロの話なんだから,今まで通りでいいじゃないという選択も、もちろんありましたが、読んじゃった、聞いちゃった、知っちゃった(枕チップ不要論参照)ことで、なんだか抵抗感が....。不要なチップ(1ユーロ)が惜しいという話ではありません。
 渡す方も受け取る方も、それがあたりまえの習慣だと認識している前提があるから,わたしは、小額のチップを置くことが平気だったのです。日本人の団体客慣れはしていないだろうと察せられるスモールホテルで、とある1室に置かれたコイン2枚(2ユーロ)...逆の立場だったらと自分の感情を推してみると、幼児のお駄賃じゃあるまいし...と思うだろうなあ〜という抵抗感です。ルームメイドへのチップは不要という話をはじめた現地のガイドが、(1日毎に1ユーロ2ユーロなんて)気分を害されることもある行為だと言ったことが刺さってるんですね。
 ルームメイドへのチップは要らないという話は、わたしが直接聞いたのはパリ現地ガイドひとりからのみ、他は読んで得た情報ですから、不要論を正しいとする根拠は充分とはいい難いのですけど、ただ、ツアー会社の同行添乗員やポピュラーな旅行ガイド誌よりも“少数情報”の方に共感し易かったということでしょうね。団体行動の時は指示されるままに...でも、スモールホテルでは、我家だけかもしれなさそうなことはやめておこうと...そのかわりに、(気持ちがあれば)少しまとまった金額をチェックアウトの時に言葉を添えて渡す方が良いというガイドの意見がごもっともと思えたので、今回もそのつもりで、封筒も用意していたのでした。

 ところが、エミレーツのサービスの『お迎え』が,早かった!
 これまで、予約時間よりも多少遅めの迎えで、忘れられてないよね...とやきもきした経験はありましたから、早めの迎えはありがたい話のはずなんですが....フロントからの電話がなったのは、チェックアウトでものすごく時間がかかるということもないだろうし、15分くらい前におりていけば余裕だから、まだ、ちょっと(部屋を出るには)早いねという頃でした。
 電話はフロントスタッフからで、運転手が迎えにきていると言うわけです。
 この時、最後の身支度の前に、ウォシュレットのかわりにシャワーを使っていた主人は、服も来ていない状態ですから、真剣に焦りました。別にこちらが遅れているわけではないので、待っててもらえばよかった...と言うのは後になって言えること。待たされるばかりだった経験上、早めに来られたことに軽いパニックをおこしたんでしょうね。送迎の予約時間を30分間違えてたかとまで考えてしまいました。
 既に服を着ていたわたしが一足先に降りると、フロント横に立っていたドライバーは、わたしのトランクを取るべく歩み寄ってくれました。
 主人はすぐ後から下りてくることを伝えると、ノープロブレムの様子で、先に車に乗ってたら良いよとの対応...。で、迎えの時間は*時*分だと思ってたからビックリしたというと、ウン、そうだよ(*時*分で間違いない)と、涼しい顔!
 .....だよね、時間は違ってないよね、だったら、ちょっと、早くない...?と、わたしは心の内では思いました。
 ただ、こちらが勝手に焦っただけで、ドライバーがわたしたちの準備の遅さに不快感をあらわしたわけでもないので、数十分の時間差を口に出してあれこれいう必要は感じませんでした。遅れたというならまだしも,早めに来て文句をいわれる理由はドライバーには伝わらないでしょうしね(こちらが勝手に焦っただけ!)

 ホテルには車寄せはなく、迎えの車は、車道に駐停車している車の合間、ホテルエントランスのほぼ正面に停められていました。不当な停車ではなく、宿泊ゲストの迎えにきたことを、ドライバーがホテルのスタッフに伝えたのは自然な流れだと理解しますが、その時にもう一言、*時*分の約束だということも言って欲しかった...。と、そんなことを期待するよりも、次回からは無用に焦らないよう、約束の時間の確認...だけではなく、控えをすぐにチェックする意識を持たなくてはと思いました。
 遅れて下りてきた主人が、ドライバーにトランクを預け、チェックアウト手続を済ませるのを、わたしは車の中で待っていましたが....紙幣を収めた封筒が、不覚にも、わたしのバッグに入ったままだったと気づいたのは、かなり空港に近づいてからでした。

 ★  イメージは今回主に使用したバッグ。 ファスナー開閉にフラップかぶせ仕様。(メインポケットにキーリング付き)
   被せフラップもファスナーで開閉でき、背面に続く深いポケットになっています。この不快背面ポケット部分にキーリングに代用出来る比もを取り付け、安全対策としました。

                                                  16/08/10 


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