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JUNのトマムレポート・2007
                 トマムらしさ復活の兆し...
                               

  2007年2月、星野リゾートの単独運営2年目のトマムで遊んで参りました。
 昨年はマイナスポイントてんこもりの中で、『執着心』を糧に縁を繋いだ印象も否めませんでしたが、他への浮気心具現化することなく再訪したトマムで、今季は「我慢のご褒美」をもらってきた気分です。施設の利用は限定的でしたが、一昔前のトマムらしさを思わせられるような、快適な休日を過ごすことが叶いました。
 ただ、それが今後トマム全体に浸透するかと言えば、 おそらくは否!エリアの中で、需要に応じた供給の『住み分け』が始まるような気もします。今年の再構築後、西エリアにトマムらしさは残らないかもしれませんが、利用施設を選ぶことで、自分にとっての快適さは確保できるように思えてきました。(総合 雪花 三角 ベイクブレッド ガレリア
                              
07/02/25  



     

  JUNのトマムレポート 2007 “雪花”で、食への期待を満足させよう!  雪花Vol. 1へ

  2007年スキーシーズンにオープンした雪花は、利用膣も評判も上々の様子です。

 ルミエールへの執着がなくなったというわけではありませんが、ルミエールが営業していないことに対するストレスは,雪花のおかげでほぼ解消されたというのが、冬期に利用して得た、わたしの印象でした。
 
 ありがたいことにグリーンシーズンも休日,平日の区別なく営業...ということで、 8月中旬から9月にかけて,40日あまりの間に3度利用することになりました。我が家にとってはレストランの選択肢が狭まった(利用頻度の高かった店がクローズして、新たにオープンした店には魅力を感じない)という、悲しい現実は否めませんけど、見方を帰れば、雪花一店で、数店分のカバーが可能ということでもありますね。

 上から、4枚のイメージは,アミューズに続く冷前菜。
 (※ メニューを見ていないので,料理名は正確なものではありません。...のようなな感じ...というニュアンスを汲み取ってください。)

 愛らしくも華やかなヒラメのマリネのサラダ仕立てや、オーマールエビのカップ仕立ては9月のもの。猛暑の8月(下イメージ、サーモンとホタテのミルフィーユ仕立てや、そいのアスパラ巻き)よりも,フレンチ化が進んだ気もしますね。
 たまたまだったかもしれませんが....2008年のスキーシーズン,雪花のタイトルが洋風懐石からトマムキュイジーヌに変更されましたから、料理にもこの時すでに変化の兆しがあったと見るのが自然かとも考えます。

 お箸でいただくとなれば,8月の2品の方が,もちろん食べやすい。
 洋風懐石ならではの...空間使いの配慮も感じられます。

 ただ...洋風懐石という位置づけ故の、デメリットが,気にならなかったと言えばウソになります。

 一つは,やはり箸の存在なんですね。
 いえ,箸そのものは,悪くはありません。むしろ、利用のしやすさという点で貢献したアイテムだと思います。でも本来箸を使ってものを食べる場合、料理は器ごと(あるいは小皿等を)反対側の手で持つという形があるんですね。雪花の場合,最初のアミューズを除けば,この形ができない。料理は,テーブルに置いた状態で...箸を使っていただくわけですが,距離感がよくないと感じたのは,我が家だけでしょうか...? ほんの少しのことですけど、例えば,料理の皿を数センチ手前に引いた方...いらっしゃるのではないでしょうか? 

 この数センチというのが,箸が置かれているスペースなんですね〜。 カトラリーが左右にセッティングされる場合は存在しない数センチが、流れを悪くするとでも言いましょうか...料理が置かれた、そのままの位置ではいただきにくい。で、ちょっと、皿を手前に、つまりは、カトラリー使いだったら置かれるべき位置に動かすたびに、やはり....組み合わせというのは。ちゃんと意味があって成り立っているんだなと再認識しました。
 ま、イザとなれば、箸を(前ではなく)横に置けばいい話ですが、その、横の部分には、箸ではいただくには不都合な料理のために、結局カトラリーが置かれるわけで、となると、箸はむしろ、セカンドチョイスとして位置づけた方がスマートではないでしょうか...?と、最初の利用レポートで触れなかったのは、特筆すべき料理のおいしさを優先したからなのですが、3度、4度と利用を重ねると、その料理に似つかわしい様式美が恋しくなるんですね〜。
 クリフトル社の銀のスプーンで スープのいただいている時に、目の前に割り箸は...やはり無い方が美しいではありませんか。
 
※ スープ紹介
 左; 8月のスープ。インカのめざめのヴィシソワース、コンソメヴィヨンの二層仕立て。 甘みが強く色師も綺麗なインカのめざめ...数年前の苫鵡の達人で、トマム菜園での収穫情報が掲載されたこともありました。
ジャガイモ好きの主人の、ポテトスープランキング1位の鋭角(?)に輝いた、おいし〜いスープ!

 下:ごぼうのクリームスープ(9月は、これと百合根のクリームスープ。イメージ無し)のカプチーノ仕立て。浮き実の角切りゴボウのビネガーつけが見えないのが惜しまれますが、別添えのゴボウのチップを仕上げに振りかけての撮影です。カリカリのチップと酸味を含んだごぼうキューブ、香り際立つスープのコンビネーションが絶妙!! 定評あるトマム(ルミエール)のごぼうのスープが、視覚面でもグレードアップして登場しましたという感じ。

 スープに関しては、いつも通りにリクエストをあげました。
 根菜類のクリームスープ...サラリとした口当たりと、軽めの風味は言わずもがなの、ルミエールからの正統。
 おそらく、メニューに用意されたスープもおいしいんだろうとは思いつつ(メニューを診ていないので、素材も未確認ですが..。)どうにも,執着を断ち切れないトマムのスープなのです。
  パンにも言えることなのですが、スープが自分の好みとフィットすると、食事の完成度が高くなるんですね。
 メインの前に、既に満足度は100%! 「これで終わっても、満足だー。」と、主人は8月も(インカの目覚めのスープの後で)言いました。

 で...満足後100%の中で、思ってしまったわけです。
 『割り箸がないほうがいいわ...。』

 実は9月の2回目、わたしたちは箸ではなく、ナイフとフォークですべての料理をいただきました。
 察するに、冷 前菜の後、差し替えのフォアグラのソテ、スープ、続く魚料理が、1日置いての利用ということで、アワビではなく文字通りの魚料理となったので、箸では不都合な料理の比率が高くなったため、カトラリーが並べられたのでしょうね。後述しますが、この日はご飯ではなくパンが用意された関係もあるかもしれません。もちろん、割り箸も定位置に置かれていましたが、不要なので早い段階で、これは下げてもらいました。結果、違和感もとれて非常にスッキリしました。
 自分で思っていた以上に、割り箸にストレスを感じていたみたいです。
 パズルでいえば...そうですね、オールマイティに使える便利な1片が

あるのだけど、それを使わずに、本来の、正しい片でコトを完成させたいというこだわりが満たされたようなスッキリ感でした。
 
 わたし(に限って...と但し書きをつけた方がいいかもしれませんが... )には、雪花の料理はやはり、割り箸よりは銀のカトラリーが合うものだったのです。
 それは、見た目や位置関係にとどまらず、料理との相性をも含めての話です。
 
 いい例が、アワビと差し替えてもらった魚料理(下イメージ)...。
 黒ガレイ(だったはず)、いろんな茸とともに、なんとか(聞いてない)ソース、サワークリームとクアビア添え。箸でつつく料理じゃないでしょう? 箸の方が食べやすいというゲストは...うん、それでいいです。
おいしさは変わらない...かもしれない。雰囲気は変わります。人によって,居心地のいい雰囲気は様々ですからね....それはそれで、いい。
  わたしは,料理にふさわしい雰囲気が、心地いいという話です。

 左上、2枚のフォアグラのソテのイメージは、 柿のキャラメリゼとベリーソーズ添え、秋なすとトリュフソース添えですが、いずれも、箸で挟むよりナイフで切り分けた方が、いい。
 リクエストしたものなので、一概には言えませんが『お箸でいただく洋風懐石』には合わない料理です。
 いいかえれば、箸が無ければ、料理のワクはひろがりますね〜。
 雪花が営業を続けるうちには、このワクが、意外に邪魔にならないかな...?と...。最初から、箸対応できない(スープ,肉料理)料理が、箸とナイフとフォークを混在させてるんですものね。せっかくの料理に反して、美しくないテーブルセッティングではありませんか?
 
  でも...それなら...ナイフとフォークでというなら、ルミエールと変わらないのでは...と思われますか? 
 変わらないんです。
 4度利用して、わたしは、そう結論づけることができる気がします。
 
 冬期、オープンしたての雪花を利用なさったオールドファンの、お箸でいただくことと、最後に炙り鮪のにぎり寿司が出ることの他は、ほとんどルミエールと変わらないという、コメントもありましたよね。
 にぎり寿司がおいしかったので言いにくかったのですけど、雪花のコースに寿司(や、ご飯)が用いられたのは、パンが用意できない(ベーカリー不在)のが大きな理由だと我が家は推していたので、雪花の“洋風懐石”は、積極的な試みではなく、工夫の賜物だととらえていました。予約状況や評価を診るまでもなく、自分自身で,工夫の成果も実感してきましたし、ルミエールと変わらない料理も目と舌で堪能しました。
 変わらない...というのは,シェフに対しては褒め言葉にはならないかもしれませんね...。
 “ゲストの期待に応え、誇りに足る料理”が,雪花でも健在だった,と言い直しましょう。

 だからこそ....皿に残ったソースを見るにつけ、最初からパンがほしかった...。 
 割り箸を使わなかった9月、1回目の利用時に、次回(2日後)は、寿司かご飯か,あるいはパンか...の要望を聞かれました。
  3日に2度の寿司よりも,それはパンが...いいわよね。
 ソースをつけて食べたいもんね。 でも,おししいパンじゃなくちゃ...おいしいソースが浮かばれないし...ご飯の方が無難かしら...と、決めかねていたところ、パンを焼きましょうか?という申し出を受けました。
 いえいえ、そこまでの手間は...とは言えず、飛びつきました。.厨房内で「え?“焼く”って言っちゃったの?」などと、騒ぎになりませんように..とは願いましたけどね。

 その自家製パンとともに、いただいたのは、洋風懐石ならぬ、雪花のフレンチです。
 たっぷりのソースも、もちろん、パンにひたして、残さずいただきました。 これで,完璧!
 9月、ルミエールは場所を変えて、雪花で復活したという印象を、わたしは強くしました。
 (場所換えについては,レポートの総合で言及を考えていますので割愛しますが、理にかなった措置だったようです。)
 
 おいしいパンをいただくことができたのは、 トマムスピリッツあふれるスタッフの好意と気遣いのおかげです。

 当初、パンの話はここですべきではないと考えていましたが、2008年スキーシーズン、洋風懐石からトマムキュイジーズと位置づけを変えた雪花では、すべてのコースにパンが提供されることになっているので....伏せる必要もないですね。おそらくは、銀のカトラリーが並べられることでしょう。4度目の雪花での完璧さが、今後のスタンダードになるのかもと思うと、わたしは、うれしい...。
  でも...炙り鮪の握り寿司をアラカルトメニューで残してくれたら,もっとうれしい。

 美意識は箸とご飯への違和感を訴えますけどね、食欲は、寿司にも食指が動いてしまう...困ったものですね。
 (「炙り鮪のにぎり寿司、夜食用に持ち帰りできます。」が,ベストかな?)

 ※ 雪花のデザートは別ページで紹介予定

                                        07/10/18