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大倉陶園Vol.1  Vol.2     ノリタケ     ウェッジウッド     
ロイヤルコペンハーゲン    ジノリ      ミントン
ナルミ            ベルナルド    サンゴ チャイナ
マイセン

 自分用として最初に買ったティーカップは、というと、残念なことにハッキリとした記憶がありません。結婚してからもしばらくはコーヒーを愛飲していた我が家の食器棚にあるもっとも古いものは、ノリタケのボーンチャイナですが、これはゲスト用の6客セットです。その時はティーカップもなくては不便かも、と言う程度の気分で購入したものですが、シルエットと白い肌は今でも気にいってます。

 ただ、紅茶を毎日飲むようになってからは、日常的に使い易いものから気分を買えたい時のものなど、我が家にもいつのまにかティーカップが増えました。
 ポピュラーなウエッジウッドや地方では品数の少ない大倉陶園のものなどを紹介させていただきたくなりました。マイカップを新調の時に、多少はお役に立つでしょうか?

                                         01/05/21 

     

 大倉陶園 Vol.2

 右は2003年6月の展示会(『OKURA21』各地で開催)でオーダーしたもののうちのひとつ、“百木コレクション”のカラーのカップです。3ヶ月の待ち時間を経て、ようやく届きました。

 1948年にデザイナーとして大倉陶園に入社された百木氏は、代表取締役社長、会長、相談役を経て2000年の時点でデザインアドバイザーの任についておいでですから、現在製作される“百木コレクション”は、初期大倉のレプリカということになるのでしょうか...。
 『OKURA21』は一昨年の『美と創造の80年/その歴史と今日』よりも規模が大きく(ただし、前者は京都で、後者は札幌会場で観ました。規模は地域差だったかもしれません。)会場の一角に展示されていた“百木コレクション”は、どれも溜息が出るような美しさでした。

 たまたまなのか、それとも氏のデザインの傾向なのかは判断がつきませんが、モチーフはシンプルです。(例えば落ち葉、3分咲きのバラ1輪) それが、大倉自慢の白くなめらかな肌の上に綿密に描かれた様は、華美ではないけど重厚で、迫力さえ感じます。

 ただ、残念なことに“百木コレクション”はセットものがほとんどで、まさに観るだけ、目の保養にするほかは、いかんともしがたい価格がつけられていました。
 勝手ながら、我が家の経済状況を基準にすると「売る気、ないのかね〜。」と、ひとこと呟きたくなるお値段です。

 カラーのカップは、こちらのささやかな“買う気”を察知して“売る気”で張り付いたスタッフに、希望を伝えた結果(オンリストではない手描き、1客売り、6Cシェイプ)単品オーダーが可能なアイテムだとわかりました。言ってみるものですね。
 
 でも、わたしは、かつてこのシェイプの手描きのカップをセールで購入して以来、いつかどこかで掘り出し物に出会えることを望んでいたので、注文生産という状況にはすくなからずショックを受けています。
 つまりは、この種のアイテムが売れ残ってセールで出てくるという期待はできないということですものね。デパートでは輸入食器売売り場の面積が拡大する一方で、大倉の特殊アイテムを抱えなくなっているようで....(直営店がある東京と近郊はともかく)地方在住の身にとっては、展示会で決断を迫られる環境はハードです。
 
 スタッフの話によると、展示会終了後でも、開催店経由での注文は可能ということですが、出品リストが残っているわけでもなく、注文ルートも不明確です。
 
 後の注文が可能と分かっていれば、展示会にはメモを持参して、“余裕”ができた(...できないかもしれないけど)後日に備えたのに、惜しいことをしました。

 右のイメージはカップの反対面。
  注文時には気がつきませんでしたが、向かい合った相手からはこの面が見えるんですね。
 底には限定もののマークがプリントされています。

 同じ注文生産でも、ポピーのコーヒーカップ(下イメージ)には限定の標はありません。

 愛用のシェイプだったのでオーダーしましたけど、こちらは女性デザイナーによる最も新しいデザインのひとつ。
 “百木コレクション”とはかなり趣きは違いますね。
 水仙、すみれ、ポピー、コスモスの四季の花をモチーフにした4客シリーズで、最初から単品販売されていました。

 動きのある柔らかなタッチで、大倉のアイテム全体の中でも珍しい図柄かと思います。
 1客だけだと、違和感があるのでコスモスとペアで購入しました。
 そのコスモスは、色乗りが悪いとかで作り直しに...。
 (注文から)5ヶ月待ちになりそうです。

 作り直しの状況を聞かされた時、わたしは“色の薄いコスモスの柄のカップ”の行く末が気になって、尋ねました。

 大倉は軽井沢にアウトレットショップを持っているので、そちらに回されるのかと推測したんです。軽井沢店の基本価格は正価の半額ということすから“注文生産品”のちょっとした出来損ないは、まさに掘り出し物!
 自分で引き取ろうかと考えたほどです。

 でも、推測は否定されました。
 きちんと処分されるということで...そりゃ、値段も高くなるさという主人の意見に100パーセントの真実を見た思いでした。...もったいないですね。

                                       03/10/09