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我が家の日常に紅茶をもたらしてくれたマリアージュ。そのサービス精神には常に感心させられるレピシエ。長く現在までおつき合いさせてもらっているこのふたつのティーブランド以外にも、最近気になる店や、嘗て夢中になった店なども合わせて紹介させていただこうと思います。
 それぞれの特色がうまく伝わって、おつき合いの扉を開く参考になれば良いのですが...。近くにお店がないという方も、御覧下さいね。
 紅茶関連の全リストは右の専用ボタンからどうぞ。
                     01/05/16  

マリナ・ド・ブルボン(MARINA DE BOURBON)          

昨年秋くらいから、幾度か名前を見たり聞いたりすることがあって、興味を抱いていた店です。

 店名からは、本店はフランスと推察したものの、数年前のパリへの観光旅行の際には気が付かなかった店です。いえ、もちろん気が付かなくても不思議ではないんですが、ただ、ブランドショップよりも紅茶やチョコレートの店の下調べを入念にして行った身としては、不覚だったというわけで......とにかく、正体(?)を知りたかった....。
 
 今回、大阪で店を見つけたのは偶然で、念いが運命を切り開いたような感じがしました。
 第一印象は、正直に言うと「マリアージュにそっくり!」でした。
 上のイメージはオリジナルの缶とティーリスト、それから量り売り用の袋ですが、別に似てはいませんよね。
ただ、ショップの壁面にずらりと並んだお茶缶(量り売り用の茶葉が入ってます。形は丸、色は濃紺。)が醸し出す雰囲気は、マリアージュ以前にはなかったものです。
 ティーリストに書かれている“マリナ・ド・ブルボン流お茶の話”は“マリアージュ・フレールによるフランス流茶道”(マリアージュのお茶の本)の記述を思い起こさせられました。
 パリで紅茶を扱おうとして、マリアージュの影響を受けないはずがない、というのは、主人の分析です。

 なるほど、アフタヌーンティーのお茶を選ぶ際に渡されたメニュー(ティーカタログと同じもの)の最初のページには マリナ・ド・ブルボンがパリのクールセル通りにオープンしたのは1985年だと紹介されていました。(マリアージュより、100歳も若い!)趣味のよい贅沢と、フランス貴族の末裔、プリンセス・マリナ・ド・ブルボン-パルメが暖かく迎えるサロンの雰囲気が嬉しい、新しいスタイルのブティックは、地図を見ると凱旋門からも近い場所にあります。(太字部分は一部引用)
 で、国内は、というと、店鋪数はあまり多くはありません。地方では、広島、博多、なぜか小樽にあるので驚きました。店鋪限定のオリジナルブレンドもあるようで、フリーダイヤルの通販では、全てのお茶の購入もできるとか...。通販システムが確立しているのなら、今後のおつき合いも可能、ということです。お茶の後、ショップに回って茶葉を見せてもらいました。
 茶葉のカテゴリーは、ミックスフレーバードティー、シングルスレーバードティー、ハーブティー、ガーデン・ブレンドとガーデン・ティーに分類されています。ガーデン・ティーというのが、産地別のお茶ですね。季節柄、春摘みのダージリンも入荷していましたし、おもしろいところでは、シロニバリやモーリシャス島(これが茶葉の名前になってました。)の取り扱いも...。
 初めての店ですから、特色が出るミックスフレーバードティーを中心に見せてもらいました。最も人気があるというヴェガと、その他に数種類購入しましたが、香りはどのお茶も強めで、ひとひねりある印象でした。 何か、余分な匂いが隠れているという感じでしょうか。個性的と言えば、営業妨害にはならないでしょうね。取り付きは良くなくても、取り付いてしまえば、他では代用がきかないフレーバードティーが多いように思います。

 お茶選びの時に、少し店のこともスタッフに尋ねました。 と、いうのも、これは噂ですが、ココの社長はもとレピシエのスタッフだったと聞いたことがあったもので、なんとなく『流れ』のようなものを感じたからなのですね。いわゆるゴールデンルールの代わりに、ティーフィルターの使用法法を説明していたりして.....。
 スタッフによると、マリナ・ド・ブルボンのオープンは4、5年程前(店鋪による、誤差と解釈しました。)ということで、レピシエより少し後のことと思っていいようです。
  それから、パリ本店の話をしたのですが、驚いたことに、パリのマリナ・ド・ブルボンでは紅茶は販売していないそうです。カタログに紹介されている通り、そこはブティックでティーブティックではないのですね。だから、パリのお土産にマリナ・ド・ブルボンの紅茶を買って来ることはできない.....。一方、日本におけるマリナ・ド・ブルボンは、まぎれもなくお茶の専門店です。では、そのお茶はどこから来るか、というと、直輸入のものだそうです。パリを経由していないんですね。 ブレンドも香り付けも、日本で行われているそうで、どうやら、マリアージュが種を蒔いて、日本で生まれたティーブランドはレピシエだけではなかったということでしょうか。
 誤解のないように付け加えれば、わたしは「似ている」ことを批判する者ではありません。
 消費する側にとっては、同じものなら、なにも他国を経由してきたものより直接買い付けたものの方がいいわけですから、知識や経験を得たスタッフによって、国産ティーブティックが充実するのは歓迎すべきことですよね。その際に、先に存在したものからの影響を受けるのは当然だと思います。 100年続いたその後には、きっと日本ならではの色がついているでしょう。たとえば、お茶の鮮度に対するこだわりなど、イギリスやフランスとは異なる価値観が、すでに発生していますものね。
 残念なのは、店名です。
 由緒正しき、フランス名を名のることのイメージ効果は大きいのでしょうが、同じ、直輸入の商品を扱いながらも、レピシエよりも数百円ほど高い価格は、「お名前拝借料」かなというのは、考え過ぎでしょうか? もっとも、この名前でなければ、興味を持たなかったかもしれないわたしとしては,ど〜して、「**紅茶店」とかにしなかったのかしら、とは言えないのですが...。

 サロンは、当然のごとく禁煙で、スコーンはとてもおいしかったです。クロテッドクリームは、国産、中沢乳業のものでした。
                                     01/06/08 


補足
 2002年1月5日、再び同店を訪れる機会を得ました。

 主な目的は同じビル内の他の店でしたが、時間はお昼を少し過ぎた頃で、マリナ・ド・ブルボンの店内には十分な空席があったので、スコーンとサンドイッチをお昼がわりにしてしまおうと入ったわたしたちは、店のわりと奥の方で煙草の煙りが舞い上がっているのを見て衝撃をうけました。上記のとおり“当然、禁煙”と信じていましたから....。しかも、どういうわけかスタッフは、その喫煙ゲストの隣のテーブルにわたしたちを案内しようとしたのですね。もちろん、こちらは店の半ばで歩みを止めてスタッフを呼び戻すと、煙草(の煙りと匂い)が苦手だからという理由を話して、通路の反対側の端の席を選びました。最悪の事態は自力で避けましたけど、そのあとは、運任せ! わたしたちより後に来て、近くに座ったゲストが愛煙家だったら...というストレスは避けようがありませんでした。もっとも、テーブルの上には灰皿はなく、灰皿が必要ですか?の問い合わせもないのですけど....。
 そこで、帰りにレジで確認したところ、ここでは希望者には灰皿を出すということで、基本的には喫煙は自由だということが分かりました。
 5月に行った時には、テーブルに灰皿がないこと、店内で喫煙者が(たまたま)いなかったことで、店内禁煙のスタンスをとっている店だと理解してしまいましたが、単にラッキーだっただけのようです。実際に“禁煙に協力を”の文字はどこにも見当たらなかったんですけど、今どきの紅茶専門店では、あえて言うまでもない常識になってるんだろうという主人の見解に、都会の紅茶文化を感じてしまったのは、一方的な誤解だったというわけですね。
 この発見は我が家にとっては致命的なマイナスポイントになりました。
 灰皿がなければ、(わたしたちのように)禁煙だと理解して煙草を控えるゲストは少なくないかもしれませんが、でも実態は禁煙どころか分煙もされていないというわけですから、とんでもないことです。
 わたしは大人なので、喫煙者は外で紅茶を飲むな、なんてことを言うつもりはありませんが、自分は紫煙の中で紅茶を楽しみたいとも思いません。本音を言えば店内禁煙が理想ですけど、それが叶わなくても分煙は必要最低条件です。マリナ・ド・ブルボンがこの条件の外に出てしまったことは残念です。もう少し言えば、満席でもないのに、喫煙者の隣のテーブルに平気で案内しようとしたスタッフの意識に疑問を持ってしまいました。そのテーブルと、他のテーブルとを区別する意識がないということは、つまり、煙草の影響について、神経を遣っていないということです。
 サロンとショップは中から行き来ができないようにロープで通せんぼしてはいますが、ふたつの空間を仕切るものはありません。煙草の匂いは当然ショップにも流れるわけで、そこでお茶筒の蓋を開けたり、茶葉を袋に詰めたりしている事実を見せられると、スタッフのこだわりはどこにあるのだろうと思ってしまいます。
 と、いうわけで、今回はお茶は購入せず、
マリナ・ド・ブルボンのお土産は袋いりのスコ−ンだけという淋しい結果になりました。(スコーンは、おいしいと思います。)
 そして、もうひとつ、淋しかったのは、クロテッドクリームから今回は生クリームにかわっていたことでしょうか...。前回、クロテッドクリームは中沢乳業のものということも確認して帰ったわたしとしては、勝手に変えないで!と言いたくなりました。
 スコーンとクロテッドクリームを買って、自宅で紅茶を楽しむ....マリナ・ド・ブルボンの現状では、わたしたちは、家に帰ってお茶にしようということになりそうです。

                                     02/01/07 


補足
 2002年3月、京都へ、2004年12月吹田に居を移した関係で、マリナ・ド・ブルボンの店の前を通る機会が増えましたが...喫煙に関する店のスタンスがネックになって、サロンを利用することなく2年が経過しました。 茶葉の購入も、サロンでの喫煙はすぐ横のショップの環境にも影響するというわけで、
年に1回、ダージリンの春摘みが出回る頃についでがあれば...というだけでした。
 足が遠のいたとはいえ、タバコの煙と臭いさえ何とかなれば...という思いは黙っていても伝わりませんから、数少ない機会には常にサロンの「喫煙に関する取り組みの現状」を確認してきました。昨年、既に分煙にはなっていましたけど、細長い店内の通路を挟む形での分煙は意味があるとも感じられず、さらに1年が経過。

 そして、2004年5月下旬、ついに分煙のレイアウトに納得して、数年振りのサロン入店となりました。
 喫煙、禁煙席は以前のように通路で分断ではなく、入り口(正面にレジ)を挟んで左右に分けられていました。ショップに隣接するレジ右側が禁煙エリアになっていて、分煙にするなら,それがベストと思えるレイアウトでした。レジ左側に配置された喫煙席はわずかに4テーブル、テラス席とあわせても喫煙席が激減した印象がありますが、それでも、喫煙席には空席がありました。わたしたちの前も、その前も、、わたしたちの次も、みんな禁煙席を希望して待っていましたから、このバランスでも禁煙席は需要が供給を上回るということでしょうか....。 いづれにしても、我が家としてはありがたい変化でした。
 席の稼働率次第では、店内禁煙 への道も、そう遠くはないと期待してしまいそうです。

                                     04/06/08 




マリアージュ・フレール(MARIAGE FRERES)

レピシエ(L'EPICIER)

マリナ・ド・ブルボン(MARINA DE BOURBON)

フォション(FAUCHON)

ウィタード
フォトナム メイソン(FORTONUM&MASON)

ロイヤルコペンハーゲン

エディアール(HEDIARD)

トワイニング

ハロッズ